中国人が訪れたい国 日本、2年連続で首位
【大連=森安健】海外旅行をする中国人の間で「日本人気」が一段と高まっている。米系大手旅行情報サイト「トラベルズー」が「2015年に訪れたい旅行先」を尋ねたところ、中国大陸の40%の人が日本をあげ、2年連続で首位だった。日本と答えた人は14年調査から約10ポイント増えた。円安が有利なうえ、日本の文化やライフスタイルを体験したいという中国人が増えている。
調査はトラベルズーが日本、中国大陸、香港、台湾、オーストラリアの会員4322人を対象に実施した。中国大陸で回答した912人の平均年収は約615万円で富裕層、中間層が中心だ。
日本は13年調査の10位から昨年、一躍トップに躍り出て、今年はさらにリードを広げた。2位は31%の米国だった。
日本は台湾(56%)、香港(49%)の人にとっても最も人気のある旅行先だった。
中国大陸の回答者は今年、平均で6.4回の旅行を計画し、旅行関連出費額は8558ドル(約102万円)を見込む。日本の回答者は5.2回旅行し、出費額は中国人の約半分の4605ドルと答えた。
中国の人が旅先で最も重視するのは「当地の文化を体験」「ドライブ」「グルメ」「ビーチ」の順で、定番の観光地巡りやショッピングは優先順位が下がっている。トラベルズーは「中国人の旅行の好みは劇的に変化しており、固定観念ではトレンドを見誤る」と分析している。
中国は世界最大のスマートフォン(スマホ)大国であり、受け入れ側の日本としてもスマホ対応が不可欠となりそうだ。中国人の78%は過去一年以内にスマホなどモバイル端末で旅行の支払いをしたと答えた。77%の人は旅先のレストランをモバイル端末で探すという。さらに中国人の97%は、旅先でもインターネットを通じて家族、友人、職場の人と接触し続けると答えた。無料の無線LANの有無は宿泊先選定の重要な決め手となる。