家系ラーメンの名店『寿々喜家』に行ってみた

access_time create folderグルメ

suzukiya_R

横浜でラーメンと言えば昔はサンマーメンでしたが、今は『吉村家』に代表される『家系』と呼ばれるラーメンが広く認知されています。いわゆる豚骨醤油味のラーメンですね。
そんな家系の中でも筆者が今、一番美味しいと思う『寿々喜家』(すずきや)を紹介してみましょう。

1990年創業の人気店

『寿々喜家』は1990年に横浜の上星川にオープンした家系のラーメン専門店です。ちなみに本当は漢字の七を3個並べた漢字、品文字(しなもじ)で「き」と書くのが正解です。ようするに「喜ぶ」を崩した「草体」の漢字ですね。

しかし、残念な事に「環境依存文字」なのでストレートに表記する事が出来ないので、記事としては「喜ぶ」の漢字を使わさせて頂いています。
ちなみに店名の由来はオーナーである鈴木氏の実家が営む居酒屋さんの店名らしいです。

家系の系譜、むしろ家系図としては総本山である『吉村家』の姉妹店『本牧家』から独立したのが『寿々喜家』となります。
なので「白い半袖Tシャツに白い鉢巻」と言うスタイルも引き継がれ、まさに現時点でも家系ラーメンの一角を成す、正統派のラーメン屋さんなのです。今、家系のラーメンを語るならば『寿々喜家』抜きには語れません。

ちなみに店の看板にはでかでかと「ラーメンショップ」の文字が入っていますが、これは総本山である『吉村家』の吉村氏がラーメンショップの出身(諸説ありますが)だった事から書かれているらしいです。なので丼もラーメンショップの定番「青色」にこだわっています。

このように家系の伝統を重んじる、まさに家系ラーメンのド真ん中にあるのが『寿々喜家』なのです。

『寿々喜家』は接客も一流である!

そして『寿々喜家』を語る上で、その接客及びオペレーションの良さも特筆すべき点でしょう。

時に、ラーメンの人気店ともなるとピリピリとした緊張感、下手をすると店主が常にピリピリしている、運が悪ければ怒られる事もある(お客さんなのに)のが人気ラーメン店のイメージだったりします。

勿論、忙しい繁盛店であればお客さんも、ある程度は店のルールに従わないと駄目なのは分かりますが、過度のルールを押し付けるのは、いかがなものかと思います。
客商売の店でお客さんを怒鳴りつけるとか、よほどの事でない限りはあり得ません。

しかし、その点『寿々喜家』の接客はピカイチです。適度な緊張感はありますが、常識的なルールさえ守っていれば気分良く食事をする事が出来ます。

また超人気店なのでオープン直後から並ぶ事も多いのですが、洗練されたオペレーションにより、意外と待ち時間は少な目です。
数多くのラーメン屋さんを見て来ましたが、ここまで正確無比なオペレーションは見た事がありません。

無論、お客さんの好み「固め、濃いめ」などもきっちり対応しつつ、それぞれの仕事をこなす店員さんの動きは見ていて気持ちが良いものです。

しかも、常連さんの好みを「ほとんど記憶している」のは流石です。逆に言えばそれだけ頻繁に訪れる常連客がいると言う事で、そのラーメンの味を疑う余地はありません。

ラーメンのスープが超絶に美味い!!

接客に気を使うラーメン店は、それすなわち「お客さんの気持ち」を大事にしています。なので『寿々喜家』も掲げる目標は「味がブレない事」をモットーにしているらしいです。

すでにオープンした時、もといオープンしようと決めた時から、目指す味は『家系』と決まっています。これ以上はないのです。
後は、ただひたすら「本牧家の味」すなわち「家系の味」を守り通すだけです。訪れるお客さんをガッカリさせる事がないように、毎日同じ美味しい家系のラーメンを提供する事に全力を尽くしています。

無論、進化と言うのとは違いますが『寿々喜家』ならではの味もあります。家系のラーメンの中でもクリアと言われるスープです。
これは「薄い」と言う意味では無く「雑味のないスープ」と言う意味で、非常に難しい事なのです。

文章で書けば「ガラ(骨)の下処理をきっちりやる」と簡単そうにみえますが、実際にガラの下処理を手抜きする事なく毎日行うのは苦行です。しかし、この行程をおろそかにしてしまうと、途端に「豚骨臭いスープ」になってしまいます。

そして雑味が無いのにコクがあるチカラ強いスープ。これは丁寧に下処理したガラ(骨)などを大量に使わないと出せません。
ガラをけちって強火で炊き出す事でカバーしようとしても、大抵は微妙なスープになってしまいます。

豚骨のラーメンは苦手だと言う人も、一度は『寿々喜家』のラーメンを食べてみるべきでしょう。もしかしたら豚骨も悪くないと思えるかもしれません。

麺は酒井製麺を使用

麺は『酒井製麺』の太いストレート麺を使っています。この麺は家系の定番で、噂によると直系から暖簾分けした店までが許されるらしいです。つまり逆に言えば総本山である『吉村家』に認められた店でなければ使えないと言う事です。

そんな『寿々喜家の』ラーメンの盛り付けは当然、家系ラーメンの基本は……

「ほうれん草、海苔3枚、チャーシュー1枚」

となっています。まさに正統派、このビジュアルが「THE 家系ラーメン」と言っても過言ではありません。逆にこれ以外の盛り方で家系を名乗るのは、家系ラーメンに対するリスペクトが足りないとも言えるでしょう。

ちなみに家系ではラーメンの好みを伝える事が出来ます。例えば、

「堅め濃いめ多め」(麺堅め、味濃いめ、油多め)

などです。濃いめにするとタレが多めに入り、多めだと「鶏油」が多く入ります。普通が一番と言う説もありますが、やはり常連客の人からは「堅め濃いめ」のオーダーが良く聞かれます。

suzukiya-2_R

寿々喜家 総評

今回は記事として書く為にオースドックスに「普通」です。麺の量も中盛りではありません。すなわち『寿々喜家』で一番ベーシックな一杯となります。

味の方はすでに書いていますが「チカラ強いながらもクリアなスープ」と言う事で、掛け値なしで美味しいです。
このラーメンを食べて「あれ?」って思う人は、家系自体が向いていないのかもしれません。まさに今の家系を代表するラーメンだと筆者は思います。

家系ラーメンを忠実に守りながらも、よりラーメンとしてブラッシュアップされたスープの完成度は高いですね。このスープをブレる事なく、いつも同じラーメンを提供しているのが人気の秘密かもしれません。

と、言う訳で筆者がイチオシの家系ラーメン『寿々喜家』に、是非とも訪れてみて下さい。家系ラーメン好きなら当然として、

「初めて家系のラーメンを食べる人」

にもオススメです。一度、他店で家系のラーメンを食べて合わなかった人も『寿々喜家』のラーメンを食べたら考えが変わるかもしれませんよ。並んでまでラーメンを食べる人が絶えないのも頷ける名店です。

寿々喜家(すずきや)

神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川 2-3-1

月~金  11:00~21:00
土日祝日 11:00~20:00

※この記事はガジェ通ウェブライターの「YELLOW」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

  1. HOME
  2. グルメ
  3. 家系ラーメンの名店『寿々喜家』に行ってみた
access_time create folderグルメ
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。