経済裏読み

肥満防止にソーダ税、米バークリー市の「快挙」…「罪の税」はアリの一穴となるか

 米カリフォルニア州バークリー市が住民投票で、炭酸飲料など糖分入りの飲料に課税する「ソーダ税」を来年1月1日から導入することを決めた。肥満や糖尿病を防いで医療費を抑制するのが狙いだ。他の地域で巻き起こった同様の動きを封じ込めてきた飲料業界の反対キャンペーンをはね返しての「快挙」。健康問題に対する危機感だけでなく、米国文化の新しい流れを先導するという意気込みもあったようだ。

元NY市長も応援

 バークリー市のソーダ税は売上税で、税率は糖分入り飲料1オンスあたり1セント。日本なら500ミリリットルのペットボトル入りで20円ほどの負担になる計算だ。市民団体が中心となって、甘いソーダやジュースの消費が減って健康な人が増えれば、医療費は削減できるし、生産性も高まり経済成長に有効だ、などと訴えてきた。

 当然、コカ・コーラやペプシコなどの飲料業界は反対。ロイター通信によると、業界は「NO」を訴えるチラシの配布や看板の掲示、反対派の支援などに210万ドルを投入。「ソーダやジュースがだめでチョコレートミルクなら良いのか」「低所得層には大きな打撃となる」などと訴え、ネガティブ・キャンペーンを展開した。

 一方、賛成派には、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長が64万7千ドルを寄付。ニューヨーク市で炭酸飲料の販売規制の導入を試みたが、業界の反発に遭い失敗した経緯があり、そのリベンジだ。

会員限定記事会員サービス詳細