夏になると関東のスーパーでも見かけることのある山形の「だし」。夏野菜を刻んで、ねばりをもった……と、ちょっと説明に困るローカルなご飯のお供です。
山形では白いご飯に乗せて食べる夏の風物詩なんですが、山形出身の筆者からすると「わざわざ買って食べるものか?」という疑問が。
いやいや、もちろん商品として並んでいるものは絶品の味つけだったり、絶妙のカットサイズだったりとプロの技が活きているんでしょうし、山形でももちろんスーパーで売っているんですが、本来は「冷蔵庫に特に何もないときにサッとできる手軽な家庭料理」なんです。
というわけで山形の「だし」、ちょっと昼食につくってみましょう。
用意するもの
材料は、キュウリやナス“など”の夏野菜です。
この辺からすでにアバウトでOK。我が家ではキュウリ、ナス、ミョウガ、シソがレギュラーですが、ニラやネギをメンバーに加えるとスタミナ食っぽくなりますし、オクラやモロヘイヤでねばりを出す場合もあります。この夏はゴーヤなんて試してみたいですね。
我が家のねばり担当は「納豆昆布」。一本一本が細いので野菜と混ざりやすく、その名の通りねばりが出やすいのが特徴です。
ちなみにこれは塩昆布を使う家庭もありますし、そもそも「だし」にねばりを求めず(昆布類を加えず)、サラサラ派の家庭も存在します。
野菜を細かくきざむ
- キュウリ×2本
- ナス×1本
- ミョウガ×2本
- シソ×5枚
以上の材料を細かくきざんでいきます。
どのぐらいの細かさにきざむかというと、これまたお好みでOK。好みのザクザク感に応じて、きざむ大きさを調整しましょう。
ナスは水に漬けてアクを抜きます。
カットが終了しました……キュウリが一本残っています。
調理担当の妻(埼玉生まれ、埼玉育ち)が言うには「切ってみたら一本で充分な量だった。だいたいでいいんだよ、『だし』は」とのことでした。
埼玉人に「だいたいでいいんだよ」と言われてしまうお手軽メニュー、それが「だし」なのです。
納豆昆布と混ぜて味つけ
納豆昆布を乗せ、めんつゆで味つけ。もちろんカツオ出汁に酒と醤油でつゆをつくってもいいですけど、「だし」はアバウトに、手軽につくってナンボです。
夏場に火を使いたくない、パパっと調理を済ませたい……そんな“台所に立つ人”の要望が反映されているメニューかもしれません。
よーく混ぜたら完成です。
冷蔵庫に一晩寝かせ、味をなじませるのが王道ではありますが、できたてをサラサラっといただくのも間違いじゃありません。
ご飯に豆腐に
ホカホカご飯に乗せていただきます。
さっぱりとした爽やかな風味で、食欲の落ちる夏でもご飯がスルスルと胃に入っていきます。唐辛子なんかをかけるとさらに食欲倍増でしょう。
ご飯だけでなく冷奴にもよく合います。ビールはもちろんのこと、カッパ酎なんて最高でしょうね。
興味を持った方はぜひお試しください。材料もつくり方もだいたいでいい、そんな山形の夏メニュー「だし」の紹介でした。