「固定パスワード」廃止 三菱UFJ、ネット決済で
三菱東京UFJ銀行は17日、振り込みなど資金決済を伴うインターネット取引で本人認証に使う「固定パスワード」を廃止すると発表した。新規契約では8月9日から、既存の利用客は2016年度前半をメドに、パスワードが利用するたびに変わる「ワンタイムパスワード」に全面的に移行する。パスワードの不正入手による被害を食い止める狙いだ。
スマートフォンの場合は8月に配信される新しい取引アプリにパスワード機能が内蔵されるため手入力の手間がなくなる。アプリがない場合はパスワードが表示される専用のカードを使う。振り込みなど資金移動を伴う決済業務が対象で、最初に取引画面に入る際のパスワードはこれまで通りとなる。
三菱東京UFJ銀のネット取引利用者は約1500万人。これまで任意でワンタイムパスワードに移行した顧客もいるが、それ以外はネット決済を行う際に事前に配布された乱数表から指定された数字を入力していた。フィッシング詐欺やコンピューターウイルスで固定のパスワードを入手する犯罪が後をたたないことから全面移行に踏み切る。