ビッグデータ解析のユーザーローカルが2億6000万円の資金調達、YJキャピタルおよびEast Venturesから

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メディアインサイト___メディア運営者のための解析ツール_Media_Insight

ビッグデータ解析を手がけるユーザーローカルは5月25日、YJキャピタルおよびEast Venturesを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した金額は2億6000万円で、株式の比率や払込日などの詳細は非公開。

同社はこの調達資金で大規模なインフラへの投資と合わせて、4月17日に公開したメディア業界に特化した新解析サービス「Media Insight」などのような業界特化型の解析サービスを開発していくとしている。

「なかのひと」や「うごくひと」などの無料ツールをはじめ、企業向けのヒートマップによる「User Insight」やソーシャル解析の「Social Insight」など、数多くのウェブ解析ツールを提供してきた老舗、ユーザーローカルが大型の資金調達を実施した。

同社がこれまでに企業向けに提供するツール類は700社以上に導入されており、無料ツールは25万サイトが採用している。ユーザーローカルはこれらのツールを介して解析するデータ量は月間70億ページビュー以上になるという。

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ユーザーローカルの代表取締役、伊藤将雄氏に今回の調達についてショートインタビューを実施した。(太字の質問は筆者、回答は全て伊藤氏)

Media Insightをリリースされましたが、この分野は古くはGoogle解析からAlexa、最近だとSimilarwebなどいくつかあると思います。どういうった競合を想定されてますか?差別化要因などもあれば教えてください。

トラフィックの分析だけであれば、既存の解析やSimilarwebでもいいのでしょうけど、ソーシャルからのバイラル流入が(新興メディア、老舗のメディアともに)今とても大事になってきており、SNSでの反響やソーシャルボタンの効果を自社媒体、他社媒体まとめて調べたい、ということをメディアの担当者様からよくご要望され、開発に至りました。

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特にこのメディア解析については私たちも自分ごとなので大変興味があるのですが、最近ではfacebook Instant Articleや分散型コンテンツの話題にあるように、自社サイト以外に配信する先が分散する傾向がありますよね。

僕自身が昔、日経BPで記者をやっていたので記者にとってこういうデータが欲しいというのがあって、それをツール化したかったというのもありますね。

では増資について。ユーザーローカルは既に利益体質になってると思っていましたがいかがでしょうか?現在の事業状況など(有料ツールの内訳など)も公開できる範囲で教えていただけると助かります。

弊社は有償ツールを売り始めたのが2008年末で、発売1月後に単月黒字化、その後ずっと増収増益できてます。

こういった経営状況の中で増資を選択した理由、それとEast VenturesおよびYJキャピタルをパートナーに選んだ理由を教えてください。

たしかにウェブおよびSNSの解析ツール事業者、という意味においては資金需要はありません。ただ、スマホアプリの解析需要や、IoTなどネット外のビッグデータ活用といった世界が広がってきているので増資したという感じです。

また、元々、(East Venturesの)松山太河さんとは大学時代からの仲で、ベンチャーキャピタリストとしても人としても尊敬できる男ですし、YJキャピタルさんについては、小澤(隆生)さんと楽天時代、席が5mぐらいのところで彼の手腕を見ていた、というのが大きいかと思います。

ありがとうございました。

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