なんと米携帯最大手ベライゾンがAOLを買収。ハフィントンポストはスピンオフとの噂も

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なんと米携帯最大手ベライゾンがAOLを買収。ハフィントンポストはスピンオフとの噂も

ベライゾンがAOLを44億ドル(5260億円)で買収するビッグニュース、きましたね。

気になるのは傘下ブログの行方ですが、「AOLはハフィントン・ポストとTechCrunchなどをスピンオフする可能性もある」とre/codeは内部筋多数の話として伝えています。買い取り先は、ドイツのメディアコングロマリット「Axel Springer」が最有力候補で、プライベート・エクイティ・ファームも多数名乗りを上げているのだそうですよ?

ベライゾンは年内に携帯端末向けの動画サービスを開始予定。この買収で「AOLが広告販売や高画質のウェブ動画配信用に開発を進めてきた先進技術を手に入れ」(ウォール・ストリート・ジャーナル)モバイル優先の動画・広告コンテンツを傘下に置きたい考えのようです。

以下はベライゾンの声明。

AOLはデジタルコンテンツと広告プラットフォームの業界のリーダーだ。ベライゾンとAOLが合体することで、推定6000億ドル(約72兆円)近い国際広告産業をターゲットとする大規模なモバイル優先型プラットフォームが生まれる。

AOLの主要資産にはネット接続契約事業、ハフィントン・ポスト、TechCrunch、Engadget、MAKERS、AOL.com、OTT(オリジナル動画コンテンツ)をはじめとする一流国際コンテンツブランド、プログラマチック広告配信プラットフォームなどがある。

ありゃま、 公式声明ではブログメディアもカウントされてますな…ふむ。AOLのCEOとアリアナ・ハフィントン(ずっとAOLからハフポを買い戻したがっている。動くなら今がチャンス)は火曜夕方(米時間)話し合うそうなので、それで何か進展があるのかもしれませんね。

続きましてAOLの声明。こちらはモバイル、動画、広告を買収の柱にあげています。

世界最大のデジタルメディアプラットフォーム実現への鍵を握るのは、モバイルだ。今後数年でコンシューマーのメディア消費の80%はモバイルになる。次代をリードしたいならモバイルをリードしないといけない。そこでAOLはここ1年半に渡って、モバイル、モバイルビデオ、モバイル利用者の各分野で首位になることを目標に掲げ、世界コンシューマ4億人近くにリーチし、世界最高レベルの広告プラットフォームを開発し、世界最高の人材を集めてきた。モバイルのフロンティアに扉を開けるなら今しかない。

本日ここにわれわれは、ベライゾンがAOLを買収することを発表する。ベライゾンはモバイルとケーブルの分野では最もイノベーティブな最大手であり、高品位なモバイルコンテンツに投資実績もある。買収は、世界最大のメディアプラットフォーム構築の戦略の一環である。なにしろ相手がベライゾンなので、AOLの商機はサイズもスケールも一変する。AOLがThe Huffington Post、Adap.tv、TechCrunchなどを買収したときのように、ベライゾンもAOLを後押しし、モバイルユーザー1億人、NFLフットボール放映権などのコンテンツ契約、モバイル動画の有意な戦略をもたらしてくれるはずだ。

ベライゾンとの買収契約は長い熟考の末に決めたことだ。両社とも、ひと味ちがうエキサイティングなかたちで消費者と顧客にサービスできる大きなチャンスがここから生まれると感じている。個人的には、動画&モバイル分野におけるプラットフォームの変動を直に見据えて成長を目指し、数十年残るビジネスを実現するベストなチャンスをAOLの人材に与えていきたいと考え、買収を進める決意をした。今、そして20年先も。[…]

買収後はベライゾンの傘下に入り、AOLが現在保有する事業とベライゾンから新たに加わるモバイル&動画メディア事業をわれわれが総括する。買収後も戦略は変わらない。規模が大きく広がるだけだ。買収でAOLのコンテンツ事業の配信先は増え、広告主にもっと多くの配信数とモバイル優先型機能を提供可能になる。買収によりスケールが加わり、コンテンツ、動画、広告戦略の事業展開はすべてモバイルのレンズを通して行うことになる。

言うまでもなく、米メディア企業の多くはケーブル大手(コムキャストとタイム・ワーナー)が資本参加してます。ケーブルが実権を握るメディア分野にベライゾン参入というわけで、コンテンツとインフラの境はますます曖昧に…。

Image by Jason Persse under Creative Commons license

source: WSJ, re/code

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文

(satomi)