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2011年11月、生麺のような美味しさのインスタント袋麺『マルちゃん正麺』が発売され、信じられないレベルのクオリティだったことから爆発的なブームとなった。

そもそも「マルちゃん正麺」は生の麺を途中で蒸さずに生のまま乾燥させるという独自製法により、生麺の美味しさをそのままとどめることができるようになった画期的な袋麺。

発売当初はダウントレンドにあった袋麺市場をV字回復させたこの一連の出来事について食品関係者の間では「マルちゃんショック」と呼ぶほど。まさに袋麺界のイノベーター。

その「マルちゃん正麺」が、2015年8月にリニューアルしたという。麺が改良されコシがより強くなり、途中で蒸さずに生のまま乾燥させることによりさらに美味しくなったらしいのだ。

筆者もさっそく食べてみたのだが、確かに「こ、コレ黙って出されたら生麺としか思えないんだが……」となる、ハンパじゃないクオリティであった。

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正直このまま食べたり、シンプルにゆで玉子やネギ、チャーシューを載せるだけで十分に美味しくいただけると思うが、もしコレをプロがアレンジしたら、どれだけ美味しくなるのだろうか!?

もしかすると作り方によっては、中華料理屋もビックリのスゴいクオリティのインスタント袋麺が誕生してしまうかもしれない! ということで、今回は『マルちゃん正麺』をより美味しくしてもらうべく、凄腕のプロに依頼してみた。

依頼を受けてくれた方は、新宿や高田馬場に店舗を構える餃子の名店「安亭」の料理長で、中国特級調理師の資格を持つ趙さん。まずは彼に『マルちゃん正麺』を試食してもらい、その味に合わせてアレンジをしてもらうという流れだ。

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もちろんインスタント袋麺なので、あまり難しい内容のアレンジは無し。料理の初心者でも簡単に作れて、『マルちゃん正麺』を超ウマくする方法を考えてもらうというワリとムチャな話をしたが、快く引き受けてくれた。

さっそく趙さんに『マルちゃん正麺』を試食してもらうと「これだけで十分美味しいので、あまり工夫しなくても大丈夫だと思いますよ。それでは作ってみましょう」と、調理場でアレンジがスタートされた!

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なんと麺を茹でる前に、油を敷いた中華鍋でカリカリの目玉焼きを作る趙さん。いわく「中国でインスタント袋麺を作るときは麺と一緒に玉子を茹でて乗せる人が多いのですが、目玉焼きにすると食感がプラスされてより美味しくなるんです」とのこと。

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次は具材となる豆苗(無ければほうれん草など青物の野菜ならなんでもOK)やモヤシなどの野菜をサッと茹でておき、その後に『マルちゃん正麺』を茹でる。茹で方やスープの作り方は袋に書いてある方法と同じように、麺が茹で上がったらお湯を切ってどんぶりへ。その後お鍋に残ったお湯でスープを溶く。

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そして最後に先ほどの目玉焼きと、野菜、なぜかチャーシューではなくウインナーを乗せて完成! 冷蔵庫の残り物で良くある食材で作ったのでなんだか見た目は男の料理といった感じだが、果たしてお味は……。

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おおおおっ、コレはウマい! コシのある麺にシャキシャキの野菜、それにカリッとした目玉焼きの白身と、トロッとした半熟の黄身、さらにプリプリのウインナーという、すべて違う食感がヒジョーに楽しい一杯になっているじゃないか!!

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また、なぜチャーシューでなくウインナーを使ったのかも聞くと「ウインナーは冷蔵庫によくある食材ですし、食感もいい。マルちゃん正麺は麺も美味しいですがスープも美味しかったので、チャーシューだと余計なタレの味が加わってしまうことを考えると、ウインナーが最適だと思いました」とのこと。

なるほど、男の料理に見えてじつは計算され尽したアレンジだったんですなぁ……。もうこれに餃子でもプラスしたら、夕食でも非常に満足できるんじゃないでしょうか。袋麺のなかでもトップクラスに美味しい『マルちゃん正麺』、そのまま味わっても良いが、ぜひさまざまなアレンジをして食べてみると、より楽しいかもしれないぞ!

参考リンク:マルちゃん正麺
Photo:Rocketnews24