みそは医者要らず、と言われるように、コレステロールを抑えたり、ガンを予防するなど、身体によいたくさんの効果を持っています。そのため、古くから日本の健康食として愛されてきました。日本人にとって毎日の家庭の味であるおみおつけだけでなく、和えものや焼きもの、煮ものや鍋もの、そして、みそ漬けや練りみそとしても調理に取り入れられ、私たちの生活に欠かせない調味料となっています。
みそは、地域ごとに様々な味わいがあります。その違いは、大豆に合わせる麹の種類の違いと、塩の分量のバランス、醸造期間と製法の違いによって変わります。白みそ、赤みそなどがその代表です。その日の気分によって、使い分けてみてもよいですし、数種類をブレンドして、自分好みのみそを作ってみてもよいでしょう。いろいろと試しながら、お気に入りの味を見つけてみましょう。
みそは、本来、大豆と麹、塩のみで出来ていますが、商品によっては、品質を保つために添加物が含まれているものもあります。しかし、みそは、室温でも腐敗することはほとんどありません。みそを買うときは、ラベルの原材料名に、添加物が書かれていないものを選ぶようにしましょう。買ってしばらくたつと、みその色が変わってくることがありますが、これは熟成が進んだために起こることですから、心配ありません。熟成が進んだみその場合は、煮込み料理に使ったり、焼きものや炒めものに使うと、コクが出ておいしくなります。
みそはどのように保存すればよいのでしょうか。おすすめは冷凍室に置くことです。凍ってしまうのではないかと思われるかもしれませんが、みそは塩分や糖分を多く含んでいるため、家庭の冷蔵庫の冷凍室では凍りませんから安心してください。2、3種類のみそを保存容器に詰め、ダシ昆布で仕切りを作ると、見た目もよく便利です。
ちょっとした料理に役立つ、簡単でおいしい、【みそレモンソース】を紹介しましょう。相性のよいみそとレモンの組み合わせに、砂糖を加えた万能ソースです。
作り方は、白みそと、レモン汁、てんさい糖(普通の砂糖でもよい)を、それぞれ30g混ぜ合わせるだけで出来上がり。甘いみそにレモンの酸味が溶け合った、一度食べるとクセになるおいしさです。ぜひお試しください。
蒸したり、ゆでたりした野菜を和えたり、焼いた豚肉や鶏肉、魚につけると、とてもおいしい一品になるでしょう。
今回は、ゆでたブロッコリーに、ベーコンとにんにくを加えて、オリーブ油で炒めたものに、みそレモンソースをかけてみました。とてもおいしくいただきました。
文・写真:松浦弥太郎
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