AMPを導入してどうだったのか? | CyberAgent SEO Information  (サイバーエージェントSEO情報ブログ)

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アメブロがAMP対応してからしばらくが経ちました。

今回はその"AMP"に対応した結果どうなったのか?
という、効果について簡単に書きたいと思います。

ここ最近ブロガーさん向けの記事が多かったので、今日は珍しくSEOネタっぽいやつです。

さて、アメブロでは3/10より順次AMP対応しています。
スマートフォンでGoogle検索をした際に、

ユニクロ検索結果

このような表示がされることがあります。
これは実際に「ユニクロ」で検索した結果の一部です。

このマーク
AMPロゴ
が表示されているものはAMP対応となり、

AMPページ
このように簡易的なページが表示されます。

AMPページはGoogleからの検索の場合はGoogle側にキャッシュされる形になることもあり、
いろいろな制約があります。
例えば、
・広告の掲載に制約がある
・画像の使い方に規則がある
・使えるHTMLタグに制約がある
などです。

HTMLタグなどは、AMPページを作る段階で注意すべきことなのでよいと思いますが、
我々としてもAMP対応するにあたり広告の掲載に制約がある点は懸念事項でもありました。

ご存知の通り我々のような"メディア"は基本広告料で成り立っています。
その広告収益が減ることは死活問題であり、AMP導入に関しては(弊社にしては珍しく)慎重な意見も出ました。
広告収益を減らさないためには、

・PVやトラフィックが落ちないこと
・クリック率が下がらないこと

が重要になります。
もちろんどちらかでカバーすることができてトータルでプラスになれば基本問題はありません。

さて、実際にどうなったかですが、
まずトラフィックに関してです。


AMPトラフィック

上下動ありますが、(具体的な数字はお出しできませんが)0が4つのレベルではトラフィックが安定的にきています。(なお、すべてのブログやページをAMP対応させているわけではないので、全ページ対応すればさらに増加すると思います。)

話題性があるキーワードでAMP枠が表示される関係上、突如跳ね上がるような日も見られました。
若干懸念していた、「通常のオーガニックがAMP側に流れることがあるのではないか?」という懸念も数値上はほぼないように思われます。
もちろん、現状の数値レベルではAMPが全体の比率に対して小さすぎて分からないというのはあります。
AMPは基本的にどのキーワード表示され、流入が来たかがGoogle Analyticsなどログ解析では分かりません。
Search Consoleでもアメブロの場合はgamp.ameblo.jpというサブドメインにしていますが、このページにSearch Consoleを設定して、検索アナリティクスを見たとしても分かりません・・・・と書くつもりだったのですが、
このブログを書くためにSearch Consoleを見てみたら、数字が出ていました!

AMP Search Console

数値が徐々に上がっているところを見ると順次反映されているのではないでしょうか?
最新の数値はほぼAnalyticsで見るものと同じなので、ここに表示されるものは正しいデータになる気がします。

ここに表示されているキーワード(一部は諸事情により隠させて頂いていますが)、例えば「地震」などは本来オーガニック枠でアメブロが表示されるキーワードではありませんので、
このキーワードからの流入は純増と見てよさそうです。
AMP対応するメディアが増えれば、AMP流入は減少する恐れはありますが、"トラフィック"という観点ではAMP対応することはメリットがありそうです。

トラフィック以外では、我々はPVや広告収益に関しても若干の不安がありました。
ここでは具体的な数字はお出しできませんが、

・AMP経由での離脱が大きいということは特になさそう
です。
AMPの表示速度が早すぎて、通常のウェブページへ遷移する際にもたつきを感じて離脱が増えるのではないか?とか、AMPページのルール上、誘導導線が目立つ部分に設置できないため回遊ページ数が著しく落ちるのではないか?との懸念もありましたが、現時点ではさほど問題はないように思います。

また、最も懸念していた広告についてですが、

AMP 広告

下部ではありますが、このような形で表示され、

・AMPページのクリック率は思っていたほど悪く無い
という感想です。
さすがに位置の制約を受ける分、通常のウェブページのほうが良いですが、
通常のウェブページを10とした場合にCTRの比率としては8~9という感じで、
予想以上に良いという数字になりました。

さらに現在広告の読み込みがかなり遅い印象があるにもかかわらずその数値ですので、
今後もし広告の読み込みが早くなるようなことがあれば、さらにCTRは伸びるかもしれないと考えています。
なお、Search Consoleを見てもAMP流入の主力は通常オーガニックで出ていないキーワードであることを考えると現時点では、AMP分はほぼ"純増"と捉えています。

もちろん、今後AMP対応ページを増やしていくにあたって、通常のウェブページと競合するようなケースもあるとは思いますが、現時点でのCTRと"出さないデメリット"(="他サイトに流れていくというデメリット")を考えると、AMP対応によって広告収益が下がる可能性は低いと考えています。

このようにAMP対応において懸念していた事項については、ほぼ問題はなかったという結果になりました。
途中バグが発生しておかしな表示が出てしまったり(そしてそれに対応するのに工数がかかったり)、AMPの仕様に対応するのに四苦八苦したり(そしてそれに対応するのに工数がかかったり)した分を考えると、まだ元がとれているとは言い難いかもしれませんが(笑)、社内としても対応して良かったという感想を持っています。

現時点でAMPは「ニュース」「ブログ」にしか対応していない状況ですが、今後広がることを考えてそれ以外のサイトもAMP導入の可能性を探ってみるのも良いかもしれません。

木村 賢 (@kimuyan)