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女子急増で「三笠」44年ぶり入艦者20万人超え…「艦これ」効果でコスプレ艦娘の姿も 

【トレンド日本】女子急増で「三笠」44年ぶり入艦者20万人超え…「艦これ」効果でコスプレ艦娘の姿も 
【トレンド日本】女子急増で「三笠」44年ぶり入艦者20万人超え…「艦これ」効果でコスプレ艦娘の姿も 
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日本海海戦から110年を迎えるのを前に昨年度、連合艦隊の旗艦だった記念艦「三笠」の年間来艦者が44年ぶりに20万人を超えた。一時は10万人を切るまでに来艦者数は低迷していたが、テレビドラマ「坂の上の雲」の舞台・ロケ地となって上昇気流に乗った。そしてゲーム・アニメ「艦隊これくしょん(艦これ)」の人気で、ついに大台超えを達成。今も休日を中心に多くの提督(艦これプレーヤー)が三笠を訪れ、横須賀の街は活気づいている。(溝上健良)

艦隊コレクション1年延長

「赤城さん、いた!」「白雪ちゃんだ~」。4月中旬の土曜日、記念艦三笠の艦内には若い女性の歓声が響いていた。

来艦者の人気を集めていたのは、昨年7月から実施中の「艦隊コレクション」。記念艦の艦内に、日露戦争時の連合艦隊とロシア艦隊、先の大戦時の連合艦隊、現在の自衛艦隊の計約260隻の精巧な模型を展示している。ゲーム「艦これ」では先の大戦時の軍艦が擬人化された艦娘(かんむす)として登場しており、提督たちは艦娘の基になった軍艦を探し、鑑賞していたのだ。以前は年配の来艦者が多かったが、一昨年に艦これが公開されて以降、若い女性の来艦者も増えているという。

100以上の艦娘が艦これで登場するが、元となっている軍艦はほとんどが戦時中に沈んでおり、先の大戦で沈没を免れた艦も解体されたり外国に接収されたりして、現存していない。その点、三笠は世界3大記念艦のひとつで、100年前の鉄製戦艦が現存しているのは世界でもここだけの貴重な存在とあって、先の大戦での軍艦に代わって艦これファンの聖地となっているようだ。

艦これでは女性の提督も多いとされる。三笠艦上でお気に入りの軽巡洋艦・天龍のコスプレ姿を披露した横須賀市内在住の女性提督、なおきちさんは、艦これの魅力について「ゲームの仕組みが斬新で面白く、仲間(艦娘)が増えていく楽しみもある」と語る。軍艦といえば戦艦や航空母艦が注目されがちだが、艦これは駆逐艦など地味な軍艦の役割も重視されており、さまざまな軍艦に光が当たっている。艦隊コレクションの展示は今年5月末までの予定だったが、あまりの人気ぶりに記念艦三笠では1年間の展示延長を決めた。

海外からも聖地巡礼に

神奈川県横須賀市が舞台となったアニメとしては近年「たまゆら」(主人公が中学時代までを過ごした街)、「蒼き鋼のアルペジオ」(作中に戦艦三笠が登場)もあり、市などでは聖地巡礼向けのパンフレットも用意し、アニメによる街おこしを図っている。記念艦三笠の来艦者数も、これらのアニメによって底上げされている面もある。

さらには海外からの来客も。三笠の近くで営業する横須賀海軍カレーの人気店「ウッドアイランド」経営の島森隆司さん(62)は「昨年ごろから中国、韓国から来る艦これファンが増えてきている。特に台湾からの来客が多い」と話す。言葉の壁を超えて、艦これをプレーしているとみられる。同店には日本人のアニメファンも多数来店し関連グッズを寄贈していくため、店内には艦これ関連の掛け軸や手ぬぐい、連装砲などが飾られていて壮観だ。

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