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LINE LIVEがローンチ後5日で視聴者数1千万人突破!次々に「LINE ○○」が誕生するLINE経済圏の〝はじめの一歩〟を復習

LINE売上高推移

LINE LIVEが昨年12月10日のサービス開始から、わずか5日後には総視聴者数1,000万人を突破。最大限にLINE経済圏を活かし、周辺サービスが爆速でスタートダッシュを決めるのも、すっかり見慣れた光景です。App Storeのトップセールスランキングには「LINE:ディズニー ツムツム」をはじめ、数多く「LINE」の文字を目にし、LINE全体の2015年通期売上高は1207億円(前年比40%増)に達しています。

Tayoriはメールフォームを無料で簡単にサイトへ設置できるカスタマーサポートサービスですが、チャットUIを全面的に選択できるようにしています。その最大の背景は、LINEの普及といっても言い過ぎではありませんし、LINEはその後にローンチした数多くのサービスに大小様々な影響を与えたことは間違いありません。

LINEが2011年6月27日にローンチして4年半。その成功要因は多彩に論じられてきてますが、あらためて時系列で調べてみました。

2011年3月11日に東日本大震災

2010年6月アイシェアの調査によると、友人・知人との連絡手段は、圧倒的にメール(71.4%)、続いて電話(19.1%)でした。そして東日本大震災で電話とケータイメールがつながりにくくなる中、TwitterやFacebookなどを連絡手段として利用したことが注目を集めました。

さらに、カカオトークやナカマップがメールの代替手段として紹介されるのをよく見かけました。カカオトークは2010年3月に韓国でローンチ、2010年10月には日本語版をリリースし、2010年12月から日本語のユーザーサポートを開始。2011年8月には世界216カ国、2,000万ユーザーに達し、日本法人を設立しています。

一方で、ナカマップはカヤックが2010年12月にローンチした位置情報&チャットアプリ。2011年5月には、累計8.5万ダウンロードを記録。中東のクウェートから2.3万ダウンロードされたことがちょっと注目されました

LINE、2011年6月27日にローンチ

LINEの開発メンバーは8名ぐらい。プロジェクトが本格化したのが2011年4月末で、6月上旬にAppleのQA(アプリの審査)に出し、リジェクトを一度乗り越えて、6月23日にアプリ公開にこぎつけたそうです

プレスリリースと抜粋すると…

LINEはデバイス(スマートフォン/携帯電話)や通信キャリア(NTTドコモ/au/ソフトバンク)の垣根を越えて、友人や同僚・家族などと1対1の会話はもちろん、グループで同時にチャット形式のコミュニケーションを楽しむことができるサービスです。

近年、Twitter・Facebookを始めとする、公開型もしくは準公開型のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)利用者数が急速に拡大の一途を辿っています。

一般的に、SNSは不特定多数のユーザー間での気軽な情報交換・交流を目的としたコミュニケーションには便利である反面、実世界で面識が無い人やビジネス上での知り合い・取引先など、SNS上で繋がる交友関係が多岐に渡るケースが多く、身近な友人や家族間におけるプライベートなコミュニケーションツールとしては必ずしも利便性が高いとは言えないのが実情です。

LINEでは、最もプライバシー性の高い「電話番号」を登録キーとすることにより、スマートフォン/携帯電話のアドレス帳に登録されている親しい友人や同僚・家族などと、いつでもどこでも気軽に、コミュニケーションを楽しむことができます。NAVERでは本サービスを通じて年内100万ユーザー達成を目指します。

2011年7月13日からAmazonギフト券を先着10万人に配布

総額5,000万円のAmazonギフト券を10万人にプレゼントする、超シンプルな会員獲得キャンペーンです。

◆募集期間: 2011年7月13日(水)~8月9日(火)
◆当選者数: 100,000名(先着順)
◆当選商品: Amazonギフト券500円分

2011年8月○日に「bot」機能を追加、bot第一弾として「天気情報」が登場

LINEを利用しているユーザーがメッセージを送信すると自動的に返信を返す自動プログラム「bot(ボット)」機能を追加。当機能追加に伴うプレスリリースはありません。

2011年8月23日に公開2ヶ月で50万ダウンロード突破を発表

LINE、50万DLグラフ

舛田淳氏「LINEは2ヶ月で50万ダウンロードと速いペースでユーザー数が伸びていますが、いわゆる「アーリーアダプター」と言われるリテラシーの高いユーザー層ではなく、10代後半~20代の女性ユーザー層を中心に、サークルやクラスメイト、家族、会社の同僚など実生活におけるコミュニティ基盤を通じてユーザーが増加している点が特徴となっており、Twitterやfacebookとは異なるコミュニケーションインフラとしての可能性に手ごたえを感じております。

また、例えば4~5人の友人・同僚内での情報交換や家族間での連絡など、これまでメールやML、Twitterなどで担っていたコミュニケーションがLINEでのコミュニケーションに移行されつつあるのは、LINEの“手軽さ”、“リアルタイム性”“機密性”“クロスプラットフォーム性”といった特性が評価されたのではないかと考えております。」

2011年9月21日に公開3ヶ月で100万ダウンロード突破を発表

LINE、100万DLグラフ

プレスリリースと抜粋すると…

8月下旬からはクウェート・サウジアラビアなど中東地域で利用者が急増、中東各国のAppStoreで総合1位を獲得したほか、最近では韓国などのアジア地域や、アメリカ・イギリスを始めとする欧米圏からの利用も増加しています。

その結果、国内・海外含めて現在では1日約2万件のペースでダウンロード数が増加、9月18日時点で累計100万件を達成いたしました。また、1日あたりの投稿数も100万件を突破しており、アプリの利用率においても堅調な伸びを見せています。

ネイバージャパンでは当初、年内100万ダウンロードを目標としていましたが、ダウンロード数・利用率ともに好調に推移していることを受け、年内300万ユーザーに目標を上方修正いたします。

2011年10月3日に「通訳」と「放射能情報」を機能追加

botの第二第三弾として、「通訳」と「放射能情報」を追加しています。

プレスリリースと抜粋すると…

「通訳」は、「LINE英語通訳」「LINE韓国語通訳」「LINE中国語通訳」の3種類の通訳アカウントの中から任意のアカウントをLINEの「友だち」リストに追加し、日本語でメッセージを送信すると自動的に外国語に翻訳、返信いたします。

「放射能情報」は、「LINE放射能情報」アカウントを「友だち」リストに追加し、任意の地域をテキストまたは位置情報機能で送信すると、指定した地域の放射能レベル(当日・前日)を自動的に通知いたします。また、毎日決まった時刻に定期的に自動通知する「アラート設定」も可能です。

2011年10月4日に「無料通話」と「スタンプ」を機能追加

LINE無料通話機能(左)
LINE無料通話機能(右)

プレスリリースと抜粋すると…

このたびリリースした無料通話機能では、LINEを利用しているスマートフォンユーザー(iPhone・Android)で、相互にLINEの「友だち」リストに登録されているユーザー同士であれば、同キャリア間・同デバイス間、国内・海外問わず、電話番号無しで無料通話を利用することができます。

プレスリリースには一切触れていませんが、無料通話に加え、スタンプが同時にローンチされています。LINEの代名詞ともいえるスタンプはデビュー当時、無料通話と比べると推されていません。

LINEの無料通話機能は数多くのウェブメディアに取り上げられましたが、TechCrunchもIT Mediaもスタンプ機能には全く触れず、AppBankの記事広告も無料通話機能だけでした。

2011年10月17日に300万ダウンロード、11月8日に500万ダウンロードを発表

LINE、500万DLグラフ

プレスリリースと抜粋すると…

10月14日には過去最高となる1日60万ダウンロードを記録、以降2日間で100万ダウロードが純増し、10月15日には300万ダウンロードを達成いたしました。

その後、LINEのiPhone版について、10月19日よりApp Store上で新規ダウンロードができない状態となっておりましたが、その間もAndroid版が成長を牽引してまいりました。

11月1日にApp Storeでのダウンロード再開後は、台湾・タイでApp Store無料ランキング総合1位、香港・マレーシア・シンガポール・マカオでランキング上位を獲得するなど、App Storeダウンロード停止前と同水準の増加ペースに回復しつつあり、このたび500万ダウンロードを突破いたしました。

2011年11月18日から初CMを公開、ベッキーを起用

「ベッキー泣く『無料通話』篇」と「ベッキー笑う『メール』篇」の2篇。プレスリリースには「スタンプ」の文字はないが、後者はスタンプ機能を訴求するものでした。


SMMLabの記事を抜粋すると…

舛田淳氏「タイミングとしてCMの打ち所はここだろうとの判断に至り、1ヶ月程度でCMを完成させました。

なぜここでCMという手法を取ったのか?それは、このようなアプリのサービスは機能がいいことももちろん大切ですが、『友達皆が使っている状態を急速に作ってあげること』が大切と考えたためです。例えば『アプリを開けば毎回友達が追加されている』というような、良い体験をユーザーにどれだけさせてあげられるかが大事だろうと思いました。

そこで、次のステップとして選択したのがCMだったのです。あのCMによって『あのベッキーのCMのアプリだよ』と紹介してもらいやすくなりました。正味1ヶ月程しかテレビに流していませんが、今でも流れてると思っている方もいるくらい、皆さんに『ベッキーの』とおっしゃって頂いているので、非常に良かったと思っています。

ですので、あのCMは元々、新規ユーザーを獲得するためだけに打ったものではないんです。もともとのユーザーがクチコミしやすくなること、これが目的だったのですよ。」

2011年11月29日に700万ダウンロード、12月27日に1000万ダウンロードを発表

LINE公開当初、年内100万ユーザー目標が、ふたを開けてみれば年内に1000万ユーザーを達成。
LINE、700万DLグラフ
ランキング推移

2012年3月30日にLINE初の連携サービス「LINE Card」が世界5ヶ国App Store無料総合ランキング1位を達成

LINE NEWS、LINEマンガ、LINE バイト、LINE LIVEなどなどにつながるLINE初の連携サービスを、LINEローンチ後9カ月で公開しています。グリーティングカードアプリを選んだのは、スタンプのヒットした影響でしょうか。

line card

プレスリリースと抜粋すると…

今回、LINE初の連携サービスとして、LINE公式グリーティングカードアプリLINE Cardを3月28日に公開いたしました。LINE Cardでは、「お誘い」「お祝い」「ありがとう」など、目的ごとにデザインされた60種類のカードの中から好みのカードを選択し、テキストや写真を組み合わせるだけで、簡単にグリーティングカードを送ることができます。

サービス公開直後より、LINEのサービス上で繋がっている友人やグループに、直接メッセージカードを送ることができるという点が高い評価を受け、ダウンロード数が急増、日本・台湾・タイ・香港・マレーシアの5カ国でApp Store無料総合ランキング1位を達成しました。

LINEの普及要因はタイミング!?

LINEを先行するサービスのローンからLINE初の連携サービスまで時系列で紹介しましたが、いかがでしょうか。示唆に富んだビジネスケースだと考えます。

LINEが短期間で日本に普及した要因を多くの識者が解説しているのを見聞きしますが、舛田淳氏は「最大の要因はタイミング」だと端的に語っています。

TechWaveの記事を抜粋すると…

「ここまでユーザー数が伸びた理由を1つ挙げろといわれれば、それはタイミングだと思います」。舛田氏は、淡々とそう語り始めた。

LINEはなぜ成功したのか。いろいろな人がいろいろな見解を述べている。電話帳連携がよかった。スタンプが、キモかわいいのがよかった。操作性の統一感がよかった。若い女性向けにスマートフォンに特化させたのがよかった・・・。いろいろと理由が言われているものの、LINEの生みの親である舛田氏がどう考えているのかを知りたかった。

「一番はタイミングだと思います。あのタイミングでリリースしたからこそヒットしたんだと思います。半年リリースするのが早ければ、あまり数字が伸びず『これはだめかな』という気持ちになっていたのかもしれません」

LINEのリリースは2011年6月。ガラケーと呼ばれるフィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換える人が急増し、カカオトーク、バイバー、WhatsAppなどのコミュニケーション系のアプリを使う人が増え始めたころだった。一方でPC上でFacebookを使っているアーリーアダプターと呼ばれる人たちもFacebookのモバイルアプリを使い始めていた。

ちなみにLINEが世界7,000万人・国内3,200万人で達成した2012年10月25日の二日前、DeNAはcommをローンチ。女優の吉高由里子さんを起用し、LINEの弱点と言われていた通話音質を訴求したCMは、10億円の出稿量が話題になったのを覚えています。

さらに、サイバーエージェントもさらに遅れること2013年2月21日、10代女子向けメッセージアプリDECOLINKをローンチ。しかしcommのパワープレイもDECOLINKのセグメンテーションも時すでに遅し(?)…、その後commは2015年4月、DECOLINKは2014年6月30日に終了しています。カカオトークやナカマップは早すぎ、commやDECOLINKは遅すぎたということでしょうか。

総務省は情報通信白書で、2010年にスマートフォンの普及率も調査対象に追加し、翌年8月に発表しています。2010から11年にスマートフォンの普及率が9.7%から29.3%へ、さらに2012年に49.5%と急伸した時期です。

あらためてこのタイミングでLINEのアイデアを想起しても、実際に行動に移せる人は皆無ですね。
スマートフォン普及率推移

初期バージョンから優れたUIデザイン

サービスのローンチにはタイミングが重要だとしても。優れたUIデザインは前提条件なんだろうと、初期バージョンLINEのUIデザインを見ると痛感します。
LINE初期UI

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