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コービー・ブライアント、10年前の81得点を振り返る

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Kobe Bryant

ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントは、10年前の2006年1月22日(日本時間23日)にステイプルズ・センターで行なわれたトロント・ラプターズ戦で、自己最多、そして1試合の得点としてはNBA歴代2位の81得点を記録した。偉業達成から10年を迎えるブライアントがNBA TVの単独インタビューに応じ、当時を振り返ったと、AP通信が伝えている。

「何回か思い返さないといけない試合だった」と、語ったブライアントは、当時のラプターズ戦を、こう回想している。

「説明できない。いつもなら、トレーニングや、いろいろなことについて説明できるのに、あの夜のような試合については、いつも神秘的な部分がついて回る。あれだけ多くの得点を決められたことは、どう説明すればいいかわからない」。

ありきたりな日曜日開催の試合を歴史的な一戦に変えたブライアントは、この試合で7本の3ポイントシュートを含むフィールドゴール46本中28本、フリースロー20本中18本をマークし、後半だけで55得点をあげ、122-104での勝利に貢献した。何が彼に驚愕のパフォーマンスをさせたのか、それは今もブライアントにはわかっていない。だが、試合前夜は愛娘ナタリアの3歳の誕生日を祝うため、健康的ではない食事だったことだけは、本人も覚えていると言う。

「試合前日の夜には、ペパロニピザを食べて、グレープの炭酸飲料を飲んだ。当時は、ひざが痛くてね、試合前には、バーガーとフライドポテトを食べたと思う。冗談ではないよ。それでプレイした。ひざが相当痛かったけれど、我慢してプレイした」。

1試合の得点で歴代1位は、フィラデルフィア・ウォリアーズ時代のウィルト・チェンバレンが1962年に記録した100得点だが、チェンバレンはFG63本を放ち、相手チームの故意的なファウルによりフリースローで28得点を稼いだ。ブライアントは、ラプターズの厳しい守備を前に放ったシュートの大半を成功させ、自らの力で爆発的な勢いを生み出しただけに、記録としては歴代2位ながらも、そのパフォーマンスは際立つ。

当時のレイカーズは、9勝35敗に低迷している今季のチームよりは良い状態だったが、決して黄金期と呼べる時代ではなかった。ラプターズ戦の先発は、ブライアント、クワミ・ブラウン、ラマー・オドム、クリス・ミーム、スマッシュ・パーカーの5人で、同シーズンを通じ、対戦相手はブライアントを執拗にマークしていた。しかし、ラプターズはダブルチームをブライアントに仕掛けなかったのだ。

ブライアント本人は、それが81得点を記録できた要因ではないかと笑ったが、その試合をテレビ観戦していたジョージ・カール(現サクラメント・キングス・ヘッドコーチ)は、なぜラプターズがダブルチーム、あるいはトリプルチームを仕掛けなかったのか不思議に思ったと、後に話している。

チームメイトのオドムは、「プッシュし続けろ」と、ブライアントに声をかけ続け、エルジン・ベイラーが持つレイカーズの球団記録71得点を上回ったブライアントを、ステイプルズ・センターのファンも大歓声で称えた。試合終了直前になってお役御免となったブライアントは、ベンチに戻る際、フィル・ジャクソンHCと抱擁を交わしている。

個人の最高記録は、5度の優勝という偉業の比較対象にはならないかもしれない。それでも1試合81得点という記録は、ブライアントのキャリアを彩る記憶として、今も話題に上り、輝きを放っている。

ブライアントは言う。

「これだけの時間が経ったなんて、驚きだね。もう10年が経ったなんて、本当にクレイジーだよ。僕の娘も13歳になった。あの当時、娘は僕の腕の中にいたのに、今はティーンエイジャーさ」。

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ