東海道新幹線における東京〜新大阪間のうち約30%、東京〜名古屋間に至っては約42%が、静岡県を走っていることをご存知でしょうか?
つまり、「あれ?まだ静岡県?現象」は、気のせいではありません。移動の3〜4割が静岡県内なのですから。
そして、「静岡県が無かったら移動がもっと楽なのにね(笑)」という鉄板ジョークにつながります。
しかし、その発言をする皆さんは気づいていないのでしょう。
静岡県が無かったら…。
静岡県が無かったら…「桜えび」が食べられなくなるんだからねっ!!
静岡県でしか獲れない「桜えび」
目でも楽しむ日本の食文化に、「華」として登場することが多い「桜えび」。
かき揚げから、炊きこみごはん、最近ではパスタなどにも使われ、日常の色々なシーンで目します。
しかし、この「桜えび」は、水深200m〜300mという深海に生息していている世界的に見ても希少な海老。
日本国内においては、環境の整っている静岡県の駿河湾でしか水揚げされていません。水揚げ量100%!
つまり、静岡県が無くなったら桜えびも無くなってしまうのです。
軽々しい発言は控えるように!
由比漁港にやってきた!
ここは静岡県静岡市清水区の「由比漁港」。
なんと、日本で2つしかない桜えびが水揚げされる漁港のうちの1つ。
ちなみに「春」のイメージが強い桜えびですが、実は「秋漁」もあり、この季節も美味しくいただけます。
でっかい桜えびのモニュメント!桜えびが好き勝手な方向を向いている!
申し遅れました。"静岡県を知りつくす男" こと、内山ボススケです。そういう設定でやっています。どうも!
では早速、由比港漁協が直営している桜えび専門の食堂「浜のかきあげや」をご紹介しましょう。
富士の桜が二度咲くところ…とくとご覧ください!
港の中にある食堂「浜のかきあげや」
港の中に入っていくと、既にひと仕事を終えた桜えび漁船達が、ずらーっとお出迎え。
ありがとう!おいしい桜えびをありがとう!!
漁船達の横を2〜3分進むと右手に見えてくるのが「浜のかきあげや」。
混雑時は、ゆうに100人を超える行列ができる人気店。観光客はもちろん、地元にも愛されています。
「漁港の食堂」と聞くと、魚市場などの屋内をイメージするかもしれませんが、さにあらず。
漁船を見ながら食事ができる、オープンテラス形式の食堂なのです!
潮の香りもスパイスなのさ!
人気店だから
週末や休日は「うそでしょ?」っていうぐらい完売します。
到着は、お早めに!
いちばん海に近い席は、こんな感じ
オーシャンビューにもほどがあるだろ…というくらいにオーシャンビュー。
簡易テーブルとパイプ椅子に見えるその席は、「水揚げした漁船のそばで食べる」という魔法がかかる特等席。いつも埋まってます。
名物「桜えびのかきあげ」
「浜のかきあげや」の名が示すとおり、名物はやはり「桜えびのかきあげ」!
水揚げ漁港ならではの新鮮な桜えび!さすがは海の宝石と呼ばれるだけあります。美しい!
桜えび100%の贅沢かきあげが!油の海へ!
ジュワーーっと良い音を立てて黄金色へと変わっていきます!
こ…これだー!!
桜えび率100%だからか、少しハードめに挙がったかき揚げは香り高く、食欲をそそります!
いや、もう食べたい!すぐ食べたい!!
「かきあげ丼」は二度咲く!
もう我慢できない!「かきあげ」の美味しさを目一杯楽しみたい!
そんな、あなたには「桜えびのかきあげ丼」+「桜えびの味噌汁」でしょう。
あのパリパリかきあげに、丼つゆが染み込んで、ごはんの上に乗っている…。乗っています!!うまそうしかない。
丼つゆの染み込んだフワフワエリアと、サクサクエリアのバランスが素晴らしい。
かぶりつくと、桜えびの香りがフワーッと解放されます。!!
フワサクフワーッ!フワサクフワーッ!フワッ!フワッ!
桜えびのダシが効いている味噌汁も絶品。具としても桜えびが入っています。
2枚目がある!!
そう!あの桜えび100%の豪華かきあげが、2枚重ね!!
堪能してください!富士の桜は二度咲くのです!!
「由比丼」も二度咲く!
名前は「浜のかきあげや」ですが、かき揚げだけではありません。
漁港の名を冠した「由比丼」は、同じく由比漁港で獲れる「しらす」とのコラボレーション丼!
かきあげ&味噌汁とのセットがお得です。
「いくぞッ!釜揚げしらす!!」
「ヘマするんじゃねーぞ!釜揚げ桜えび!!」
悪態をつきながらも、信頼してお互いの背中を預ける姿!うらましい!!
「オレ達は、素材の味だけで勝負できる!かかってこい!!」
オーケー!まずは釜揚げの自然な塩味でいただきましょう。
釜揚げされた彼らの口当たりは、しなやかで軽い。
そして、桜えびの甘みと香り、しらすの旨味が…ごはんと死ぬほど合います。
悔しいけど…完敗だ…。ナイスコンビ…だぜ…。
それにしても、軽くつまんだだけでこんなに…。贅沢すぎやしないか…。
由比丼のタレをかけよう!!
一通り、素材の味を堪能したら、専用の「由比丼のタレ」を落として食べましょう!
ストレートとはまた別の香りと甘みが口の中に広がります。
比べてください! 富士の桜は二度咲くのです!!
そして「沖漬け丼」が二度咲く!
水揚げされたばかりの「生きた桜えび」を、特製のタレにつけこんだ「桜えびの沖漬け」。
そんな想像するだけで鼻血が出そうな桜えびが乗った丼が、この「沖漬け丼」!
水揚げ港だからこそ作れる逸品です。
ただでさえ美味い桜えびが、タレを吸って…。絶対絶命や…!
敷き詰められた海苔の香りも素晴らしい…。
「沖漬け」と聞くと、強めの味付けをイメージしますが、桜えびの沖漬けはとても優しい味。
桜えびの甘みを活かしまくっています。不殺でござるなぁ。
同じく静岡産の「わさび」と、ねぎをアクセントにご飯が進む進む!
って、ちょっと待った!全部食べないで!!
スープをかけよう!
沖漬け丼は、このポットから出る魔法の液体(昆布出汁つゆ)で、お茶漬けにして楽しむこともできるのです!
暖かいスープが、また味わいを変化させます。
うおおぉぉ!!「沖漬け茶漬け」の完成だー!!
安心してください! 富士の桜は二度咲くのです!!
もうだめだ…!
ごちそうさまでした!!!
最後に…。
セットのかき揚げもパリパリ!「えびしお」をかけていただきます!
さぁ皆さんも!続きは由比で!!
「桜えび」づくし!ご賞味あれ
桜えびの水揚げ港である「由比漁港」でしか味わえない、数々のグルメいかがでしたか?
ちなみに由比漁港は、JR東海道本線「由比駅」から徒歩で10分ほどのアクセス。
ドライブがてら車で遊びに来るもよし!ぶらり途中下車と電車で遊びに来るもよし!!
ぜひ、この「桜えび」づくし体験してください!!
それでは、また静岡県で!
お待ちしております♪
浜のかきあげやの皆さん一同。お待ちしております♪
紹介したお店
浜のかきあげや
* 休漁期間中は営業日が少なくなるので、公式Webサイトで確認したうえでお出かけください :)
書いたひと
内山ボススケ
静岡県在住の地元ラブな編集・ライターマン。日夜、世界中を飛び回り、静岡県の情報を集めている。痛風予備軍。やばい。
Twitter:@bosssuke
Webサイト:静岡のすゝめ
著書:静岡のおきて シズオカを楽しむための50のおきて