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2016 NBAファイナル第5戦プレビュー:ホームでの連覇を目論むウォリアーズに“1戦必勝”のキャブズが挑む

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昨シーズンの王者ゴールデンステイト・ウォリアーズが、2連覇を達成するNBA史上7つ目のチームとなるまで、あと1勝に迫っている。

6月13日(日本時間14日)に行なわれる2016 NBAファイナル第5戦の会場は、今季ここまで50勝3敗と対戦相手を圧倒してきた本拠地オラクル・アリーナだ。しかし、ホームで優勝を決められる可能性のある大一番に、主力としてチームを支えてきたドレイモンド・グリーンが出場できなくなった。

敵地クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれた第4戦で、クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズと接触して倒れたグリーンは、直後、ジェームズの鼠径部付近を叩くような行為を見せた。NBAは再調査の結果、この行為をフレイグラウントファウル1と判定し、累積フレイグラウントファウル(4ポイント)により、1試合の出場停止処分が科されたのだ。

攻守両面の要とも言えるグリーンが不在となる第5戦について、ウォリアーズのエース、ステフィン・カリーは、「僕たちには自信がある」と、試合前日の会見で語った。

「それだけの選手が揃っていて、試合に勝てるだけの選手層もある」。

カリーは、第4戦でファイナル自己最多となる38得点の活躍で勝利に大きく貢献。チームとしても、ファイナル新記録となる1試合17本の3ポイントシュートを成功させるなど、ウォリアーズのシュートタッチは完全に戻ったと見て良いだろう。

一方、1勝3敗と追い詰められたキャブズにとっては、最悪のタイミングでウォリアーズが調子を取り戻したと言える。

2016 プレイオフ、ウェスタン・カンファレンス・ファイナルで、1勝3敗からの3連勝でオクラホマシティ・サンダーから逆転勝利を収めた今季のウォリアーズを含め、プレイオフでのシリーズで1勝3敗から逆転したケースは、過去10例しかない。また、ファイナルでは1勝3敗になったケースが過去32回あったものの、そこから逆転優勝を果たしたチームはいまだかつて存在しない。

ファイナル4試合で平均24.8得点、11.0リバウンド、8.3アシスト、2.3スティール、1.8ブロックの成績をあげているジェームズは、第4戦後の会見で、「まず1勝という気持ちで臨む」と語った。また、第3~4戦で2試合連続30点超えの活躍を見せているカイリー・アービングは、第4戦を落とした要因について、第4Qに「相手にオフェンシブリバウンドを奪われて、リズムを失ったこと」を挙げている。

第3戦を30点差で圧勝し、第4戦も前半をリードして折り返したキャブズは、ウォリアーズに対抗する術があることをわかっている。アービングも「(第4戦は)僕たちが勝利を掴んでいても不思議ではなかったと思うね。いくつかのプレイの差」と語るように、問題は良いリズムを1試合を通じて維持できるかにかかっている。

背水の陣を敷くキャブズに対し、ウォリアーズのクレイ・トンプソンは第5戦前日の会見で、グリーン不在を「試練」と形容した。逆境をモチベーションに変える王者からは、気の緩みは全く感じられない。

ウォリアーズがグリーン不在のピンチを乗り越えて連覇を達成するのか、キャブズがホーム開催となる第6戦へと望みを繋ぐのか――?

第5戦は、13日(日本時間14日、午前10時~)に行なわれる。


[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ