ついにデータに惚れる時代到来。3Dスキャンされた「TM NETWORK」のデータが超クール

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    ついにデータに惚れる時代到来。3Dスキャンされた「TM NETWORK」のデータが超クール

    小室哲哉さん、宇都宮隆さん、木根尚登さんによるユニット「TM NETWORK」。

    2014年に記念すべき活動30年を迎えた3人は、デビュー当時から常にテクノロジーへのこだわりを意識してその時代の最先端技術を応用してきました。音作りから映像制作、ライブ演出、配信まで、現在進行形のあらゆるエンターテイメントにデジタル革命を見出し未来をイノベートしてきた3人が「3Dスキャン」されました。

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    3Dスキャン中の小室哲哉さん

    最近話題になってきた「3Dスキャン」や「3Dプリンティング」。一部のギークが使う3Dプリンターのことを指していると思ったら大間違い。音楽の世界でPro ToolsやAbleton Liveが音をデータ化して、あらゆる人の作曲や、ライブ演奏、リミックスやネットでの共有を実現させたのと同じように、誰もが「モノ」のデータを永遠に保存して再現できる時代への第一歩と言えるほど、先進性を象徴する動きです。

    別の角度からみると、この3D技術が進化すれば、アーティスト(のデータ)情報をやりとりする新しい方法が生まれ、音楽からグッズからライブからファンクラブなど全てが、過去や現在の仕組みから変わる可能性があります。例えば、未来の世界で過去のデータからホログラムを作ってライブを再現できたり、自己流にアレンジしてプリントできるかもしれません。

    これまで音楽や静止画、映像がデータ化されメディアとして消費されてきましたが、自由な扱いはできませんでした。ですが人物の3Dデータ化はその概念を根底から変えてしまう先進的な考え方で、等身大のアーティストを拡張現実(AR)させる表現。これからの未来に必要な新しいメディアかもしれません。

    本来、TM NETWORKも3Dデータを未来に送り、データ所有者との自由な表現方法を実現したいのでしょうが、今はまだ、一般家庭には高度な3Dプリンターも無いし、3Dデータを自由に扱うデバイスも少ないのが現状。そこで、今回はTM NETWORKが日本人アーティストとしては国内で初めて、3Dデータをレーザーカッターでクリスタルに刻印する「3Dクリスタル」に残すというユニークな試みに至ったそうです。

    日本人アーティストとしての3Dクリスタル化は初めての試み

    3月22日に横浜アリーナで開催された30周年ライブ「30th FINAL」最終日、ステージ裏ではTM NETWORKの3人が3Dスキャンのため、特設スキャン部屋に集まりました。

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    360度回転する台座に立って、回っている様子をカメラが撮影して立体情報を取得します。一人5分もかからずあっという間に撮影は終了。スキャンされたデータはすぐに画像処理され編集作業が始まります。3Dクリスタルはすでに特設サイトから予約開始しています。今回、3Dスキャン・システムを提供したのは、ギズでも過去に取り上げてきた「デジモ」、そして企画はエイベックス・ミュージック・クリエイティヴとWPSが担当。

    ステージに上がる直前の撮影の現場をギズモード・ジャパンでは特別に取材させてもらいました。

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    ボーカルの宇都宮隆さん

    初めての3Dスキャン、さらに本番直前という限られた時間の中で、一人づつからコメントを頂きました。

    宇都宮さんは3Dデータには「TMらしさ」があるところが印象的だったそうです。

    3Dデータという方法はTM NETWORKらしいと思うので、ファンのみなさんには喜んでもらえると思う。

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    自分が3Dデータとして未来に残っていくことについて、木根さんは次のように言っています。

    昔はイメージが出来なかったけれど、形としても残せる3Dデータって素晴らしいと思います。今後20年、30年も残っていってくれるなら嬉しいです。

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    最後に、小室さんは3Dスキャンの進化についてこう語っています。

    3Dの技術は日進月歩で解析能力が上がっていくことは予測できて、いずれはクローン技術があるべきかに辿り着くまでの初歩段階の動きだと思う。

    できるなら自宅には3Dスキャナーと3Dプリンターをセットで置きたいですね。

    3Dクリスタルという独特の作品は、本当に始まりの一歩。やがてデジタルファイルを自分で改良でき、拡散する時代がどの世界でも起きるのかもしれません。TM NETWORKの試みは単なるトレンドではなくて、コピーやシェアの時代の先を示唆しているように感じますね。

    3Dクリスタル完成

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    3Dデータが刻印されたクリスタルが完成。な、何この完成度。人間の3Dデータ化がここまでリアルに出力できるって!?

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    この3Dクリスタル、こちらのサイトから予約を受け付けています。

    3Dデータはコンピューターのデータの一つに過ぎません。ですが、今まで人がデータに魅せられる時があったでしょうか? リアルのライブとも、2Dの映像とも違う、3Dスキャンされたアーティスト・データだけが醸し出すプレミアム感。エンターテインメントの楽しみ方はどこまで広がるのでしょうか...?

    製品名:TM NETWORK 30th Memorial 3D Crystal(全身Ver./上半身Ver.)

    本体サイズ:

    W50mm×D50mm×H80mm(全身Ver.)

    W80mm×D50mm×H50mm(上半身Ver.)予定

    価格:¥30,000(税込)※送料別

    予約サイト:http://tmn3dcrystal.saleshop.jp

    受付期間:2015年3月24日(火)18:00 〜 4月20日(月)23:59まで

    到着予定日:2015年5月下旬予定

    source: TM NETWORKavex music creative Inc.デジモWPS

    (鴻上洋平)