米Yahoo!、検索システムをBingからGoogleに乗り換えか?

[レベル: 中級]

Yahoo! + Google

米Yahoo!は、Googleからデータ供与された検索結果をテスト中であることを認めました。
検索システムとして米Yahoo!はBingを現在利用しています。

Yahoo検索にGoogleの結果

米Yahoo!の検索結果にGoogleの検索結果(と広告)が表示されているのを発見したのはSEOBookのAaron Wall(アーロン・ウォール)氏です。

Search Engine Landからのこの発見に関する問い合わせに対して、米Yahoo!は次のように回答したとのことです。

As we work to create the absolute best experiences for Yahoo users, from time to time, we run small tests with a variety of partners including search providers. There is nothing further to share at this time.

Yahoo!ユーザーにとって絶対的に最高の体験を作り出すことに私たちは取り組んでいるので、時おり、検索プロバイダーを含むさまざまなパートナーとともに小規模なテストを実行します。この時点ではこれ以上公表できることはありません。

Googleからデータを供与してもらっているとは言っていませんが、間接的に認めているようなものですね。

日本に与える影響

テスト段階に過ぎませんが、検索サービスにおいてもし仮に米Yahoo!がGoogleと提携したとしたら、日本のYahoo!、もっと正確にいえば僕たちにはどのような影響があるのでしょうか?

ほぼゼロと考えていいはずです。

というのは、日本のYahoo!はすでにGoogleと提携しているからです。

さかのぼること6年前、2009年7月に米Yahoo!は米Microsoftと提携し、検索システムにBingを採用することで合意しました。
自社独自の検索サービスの提供の終了をYahoo!が決めた歴史的な出来事です。

このとき、日本のYahoo!も米Yahoo!(や英Yahoo!、香港Yahoo!など)と同様に検索システムにBingを採用する可能性がありました。
しかしながら、日本のYahoo!だけがGoogle(米Google)と提携しました。
日本のYahoo!は米Yahoo!の子会社ではないので、自分たちに決定権があったからです。

基本的な検索結果については、日本のYahoo!の検索結果はGoogleの検索結果のデータを利用しています。

ということで、米国ユーザーを対象にしたサイトをあなたが運用していて米Yahoo!の検索ユーザーも重要視しているのでなければ、米Yahoo!がGoogleの検索結果をテストしているニュースは海の向こうの話になります。
それでも、僕のようにSEOに深く関わっている人間にとっては大ニュースなのでこの記事で取り上げました。

P.S.
Yahoo!とGoogleの提携はすんなりいかないんじゃないですかね。
以前にも提携話がありましたが、日本の公正取引委員会に相当する連邦取引委員会 (FTC) が許可しませんでした。
もっとも米Yahoo!の現在のCEOは米Googleの元副社長、Marissa Mayer(マリッサ・メイヤー)氏なので、当事者同士の話し合い自体は円滑に進展しそうな気もします。