新国立「建設せず」の選択肢も、白紙撤回で自民が新提案

新国立「建設せず」の選択肢も、白紙撤回で自民が新提案
 8月4日、自民党の行政改革推進本部は、新国立競技場の整備計画見直しに向けた提言で、競技場を建設せず、既存のスタジアムなどを活用する選択肢を盛り込む方針だ。写真は、新国立競技場建設予定地、7月撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 4日 ロイター] - 自民党の行政改革推進本部は、新国立競技場の整備計画見直しに向けた提言で、競技場を建設せず、既存のスタジアムなどを活用する選択肢を盛り込む方針だ。
7日にも取りまとめ、政府に提出する。
河野太郎行革本部長が4日、党本部で記者団に明らかにした。河野本部長は、競技場を建設しない「ゼロ・オプション」もあり得るのか、政府は慎重に検討すべきと指摘。その上で、駒沢陸上競技場を改修したり、埼玉スタジアムや日産スタジアムなどを活用する方法もあると強調した。
提言では、競技場を建設する場合でも、陸上競技を駒沢で開催し、国立競技場跡地には五輪開会式・閉会式に必要な6万人規模のスタジアムを整備する案も盛り込む。開閉式屋根の設置や、サッカー・ワールドカップ(W杯)の招致に必要な8万人の常設観客席には否定的な見解を示す。
自民党では同日、内閣部会と文部科学部会の合同会議でも提言について議論が行われ、「民設民営」や「公設民営」など、民間のノウハウを活用する方法を検討すべきとの意見が出た。
行革本部と内閣・文部科学部会は提言を週内に一本化した上で、政府に提出する見通し。政府は提言を踏まえ、遠藤利明五輪担当相を議長とする関係閣僚会議を開くが、政府内には「(競技場を建設しないのは)突拍子もない案」との声も強く、最終的にどの程度反映されるかは流動的だ。

梅川崇

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