iPhoneのアプリで感情を計測できる時代がまもなく来る

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iPhoneのアプリで感情を計測できる時代がまもなく来る

自分の感情って、意外と自分自身でも把握しきれていなかったりしますよね。

でも、iPhoneとバイオフィードバック計測アプリがあれば、観たものに対する、あなたの本能的反応リアルタイムに赤裸々に分かってしまうんです。

これは、「創造性を解き放つためのツールとしてテクノロジーを利用しよう」というコンセプトを元にデザイナー、学者、芸術家、写真家やクリエイティヴな人達がコラボレーションできる「Morpholio Project」で開発中のアプリのひとつ。彼らの開発したアプリの中にはBest Appsのリストに名を連ねているのもあるんですよ。

MorpholioToru Hasegawaさんがニューヨークのオフィスに来て、米ギズモードチームにこのアプリを体験させてくれました。彼はその時「モバイル・テクノロジーは人体と最も親密な関係にある。クリエイティヴなソフトウエアを創って、モバイルが創造的なプラットフォームになるようにしたい」とも語っていました。

現在Toruさんたちが開発中のバイオフィードバック計測アプリは、人差し指の腹の部分をフラッシュとカメラに押し当てて脈を検出。その血流の変動を読み取ってビジュアライズすることで情緒的な反応をチェックするというもの。これは病院で指先から酸素濃度を検出する技術と同じ仕組みです。でも、このアプリではこのメカニズムを、身体の状態を把握する代わりに感情をモニターするツールとして発想を転換させたんだそうです。

使い方は簡単。アプリを立ち上げるとフラッシュとカメラが起動するので、3Dプリントした指ポケットに人差し指を差し込むだけ。指をカメラとフラッシュに押し当てた瞬間からあなたの鼓動を計測し始めます。1分当たりの脈拍数を読み取るので、正確なデータのためには少なくとも60秒は指を所定の位置にセットしておく方が良いそうです。

指ポケットを使わなくても、アプリを立ち上げて所定の場所に指を置けば脈を計れます。でも、適切な位置に指を押し当てた方がデータも正確なので、この指ポケットを使った方がいいみたい。

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Toruさんが持ってきてくれたプロトタイプで遊んでみた時、スクリーンの下部に様々なイメージが流れていく度に自分の心拍数グラフがピコピコ変動していて、なかなか興味深かったです。さまざまなイメージが表示されるのは、各イメージに対してユーザのバイオフィードバックを測定し、装着者が経験したイメージに対する情動効果を定量化するためなんだそうです。

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個人的に感情を把握するのにも使えますが、このアプリの活用方法は未知数。想像してみてください。バイオフィードバックが搭載されたNetflixがあったら、あなたの気分にあった映画や動画を自動的に提案してくれるようになるかもしれません。また、コンサートで観客の満足感をパフォーマーにリアルタイムでフィードバックすることができたら? 今よりももっと素晴らしい瞬間を体験できるかもしれません。今でもiPhone片手に家で映画を観たりコンサートやイヴェントに参加しているんだから、それをもっと有効利用したら一体どれだけの経験ができるんでしょうか。

このような想像が実現するのは、まだ少し先の事になりそうですが、ToruさんとMorpholioの仲間たちはこのバイオフィードバック計測アプリを今年中に仕上げられればと考えているそうです。

ちなみに私が、Toruさんに「結果はごまかせないの?」と質問すると、「そうだね。君がCIAの特殊訓練を受けて心拍数をコントロールできるなら別だけど」なんて冗談を言っていました。

また、Toruさんは「創造性は自動化できるものではない。でも、全人類70億人の脳があって、皆のクリエイティヴィティを引き出す事ができたら、私たちは様々な問題を解決することができると思うんです。デザイン能力の増幅が私たちのゴール。人間 VS 機械ではなく人間&機械なんです」とMorpholio Projectに対する想いも語ってくれました。

source: Morpholio

Robert Sorokanich - Gizmodo US [原文

(junjun)