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「radiko」エリアフリー化に大反響 次はタイムシフト機能? 運営元に聞く(1/2 ページ)

» 2014年04月23日 09時50分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 radikoプレミアム(エリアフリー聴取)の対応局(radiko.jpのWebサイトより)

 ネット経由でラジオ放送を同時配信する「radiko.jp」で、エリアの枠を越え、全国で好きな放送局の番組を聴ける有料サービス「radiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)」(月額350円、税別)が4月1日にスタートした。全国のAM・FM60局が対応。東京でFM OSAKA(大阪)を聴いたり、北海道でニッポン放送(東京)を聴くなど、地域の枠を超えたリスニングが可能だ。

 エリアフリー機能はネットで大きな話題になり、「初動は予想以上だった」と運営するradikoの青木貴博業務推進室長は話す。同機能は、ユーザーニーズの高いサービスの導入を進めるradiko“第2フェーズ”の第1弾。今後は、放送終了後の番組を聴取できるタイムシフト機能の導入や、音質の向上にも取り組みたいという。

スタートから4年 ユニークユーザー1300万人

 radikoは2010年3月からスタートしたAM/FMラジオ放送のネット配信サービス。「地上波の補完」という位置付けで、ビル陰などラジオ電波が入りにくい地域の難聴取対策を主目的とし、放送エリアに限定して配信してきた。

 ラジオ受信機を持っていない若年層などの聴取人口の拡大も狙いの1つ。現在の月間ユニークユーザーは1300万人。中心は30〜40代男性だが、10代の利用も増えているという。スマートフォンによる聴取がPCを上回っており、若年層ほどスマートフォンからの利用率が高いという。

 これまでの4年間は、難聴取対策や配信システムの充実など基本的な整備を行ってきた「第1フェーズ」。この4月からは、ユーザーサービス向上を目的とした「第2フェーズ」に移行するとしており、その第1弾としてエリアフリーサービスを投入した。

エリアフリー、「ものすごい数」の許諾得て実現 350円の理由は

 エリアフリーも「放送にできないことを通信で補う補完的役割の1つ」として企画。実現まで約1年かかったという。地域限定で配信していた放送を全国に配信するには、配信許諾を取り直す必要があり、放送局、番組出演者、スポーツ中継の対象になるスポーツチームなど「ものすごい数」のコンテンツホルダーに許諾を得る作業が必要だった。

 現時点でエリアフリーに対応しているのは、radiko参加68局のうち60局。残りの局は「検討中」だ。テレビチャンネルも持っている局で、ケーブルテレビ局の区域外再送信に同意していない場合、radikoのエリア外配信も見送っている例が多いという。また、ジャニーズ事務所のタレントが出演する番組など、一部の番組も許諾が得られておらず、配信していない。

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