アップルはついにTVを再発明する準備ができたようです。
長いこと噂されていた新型Apple TVですが、第四世代は相当パワーアップするようですよ。新しいiPhone同時に発表されると噂の新型Apple TVは、リモコンを大きくリニューアルし、タッチスクリーンのインターフェース、物理ボタン、Siriによる音声操作を可能にし、Bluetoothも搭載。本体スペックもアップグレード、デベロッパーはApple TV向けのアプリやゲーム開発が可能になります。Apple TVに、Siriが搭載されることによって「スマートホーム」のハブとして、大きな役割を果たすようになる可能性があります。
さて、新しいApple TVについて、これまでの噂を総まとめしていきましょう。
名称は?
アップルは2007年に初代をリリースして以降、名称はシンプルに「Apple TV」と一貫してきました。今年から突然このブランドを変更するような理由もないでしょう。例えば「Apple TV Pro」「Apple TV Plus」「Apple TV Illuminati Edition」なんて変えるとも思い難いですね。新しく改善された第四世代のApple TVの名称も、引き続きシンプルに「Apple TV」となるでしょう。
デザイン
スペックのアップグレードにともない、新しいApple TVは現行モデルより少し大きくなるようです。9to5MacのMark Gurman氏の記事によれば「現在のものより少し分厚く幅広くなるが、デザインはほぼ一緒」になるとのことで、筐体のデザイン変更はなさそうです。
一方、リモコンは大幅に変わるようです。NewYork TimesでBrian X. Chen氏が述べた内容によれば「リモコンにはタッチパッドが搭載され、現行のリモコンより若干厚くなる」。さらに「タッチパッドでスクロールできるようになって、物理ボタンは2つになるだろう」とのこと。2つのボタンのうち、1つはSiriの呼び出し、もう1つはホームボタンになると思われます。
新しいリモコンのボタンが、現行のように左右並列になるのか、大きなタッチ画面の横に移動するのか、または上のレンダリング画像のように上下につくのか、そこははっきりわかっていません。
新しいリモコンは、(赤外線センサーの代わりに)Bluetooth 4.2を搭載します。またTechCrunchによれば、複数のモーションセンサーを搭載すると報じていて、例えばWiiリモコンのようにテレビに向けて振ったりすることで、コンテンツを操作できるようになるかもしれません。
また興味深いのは、新しくリモコンに搭載される画面が普通の古いタッチパッドなのか、iPhoneのようにちゃんとタッチスクリーンなのかといったところですが、ほとんどの噂記事において「タッチパッド」という言葉が使われているので、きっと普通の古い方のタッチパッドになるのではないでしょうか。
スペック
これまでのApple TVのプロセッサーは、代々貧弱で、現行モデルのApple TVにはiPhone 4sと同様のA5チップが搭載されています。BuzzfeedのJohn Paczkowskiによると、新しいApple TVは、iPhone 6と同様のA8チップを搭載するだろうと予測しています。パワーアップは、デベロッパーにとっても嬉しいでしょう。なぜなら、モバイル端末(のアプリ)ではバッテリーを食うような高負荷な処理も、常時電源接続のApple TVのようなセットトップボックスだったら心配ご無用ですからね。
またBluetooth 4.2が搭載され、高速通信を可能にする802.11ac無線LAN規格に対応します。そして前述のとおり、リモコンにはモーションセンサーが搭載され、Siriでの音声コントロールができるようにマイクがつきます。音声を使ったインタラクティブなゲーム、カラオケとかもできるようになるかもしれませんね。
iOS 9
ハードウェアのスペックが上がると同時に、OSの方も楽しみな展開に。新しいApple TVは、同じタイミングでリリースされるiOS 9が動作するようです。iOS 9のアップグレードの中にはApple TV向けのものもかなり含まれるということですね。よりパワフルになって、Siriもより賢くなり、そしてユーザーの利用パターンを学習し次の操作内容を予測してくれるiOSの新機能もApple TVでも可能になるはず。
Apple TVに話しかけて操作をコントロールすることはもちろん、あの黒い箱がユーザーの動きを予測できるようになります。多分。もしかしたらあの黒い箱は「スマートホームのハブ」としてものすごい働きをするようになるかもしれません。アップルとサードパーティーの企業は、9月のiPhone発表イベントで、新しい「HomeKit」対応のデバイスを発表予定。つまり、そのうちのいくつかはApple TVで動作するものも含まれるでしょう。でも実際にデモを見るまでは、Apple TVとスマートホーム的なデバイスの連携の実現性は不明です。
アップルは新型Apple TVで動作する定額視聴サービスを始めるかもしれませんという噂もささやかれています。ですが、来年まで定額視聴サービスはリリースされないという見方のほうが濃厚です。
SDK
Apple TV向けの開発キットが登場するようです。もしデベロッパーが、タッチスクリーンのゲームが面白いと感じたら、リビングルームでなにができるか考えたりするでしょう。アップルはサードパーティの会社に、Bluetooth対応コントローラーおよび、他のデバイスでアプリが構築可能にしているようです。
新しいApple TVは、RokuやChromecast、そして、XboxやPlayStationといったデスクトップゲームの競合になるかもですね。
気になるお値段は?
現行のApple TVは70ドル(日本では8200円)という安さでしたが、第四世代のApple TVは、150ドルから200ドル(1万8千円から2万4千円)と、かなり強気の価格設定になると言われています。新しいリモコン、強化されたプロセッサー、楽しいアプリ、そして進化したSiriにお金を払いましょう。
発売時期は?
信頼できる情報筋によれば、新型Apple TVは、9月9日10時(現地時間)に開催される新型iPhone発表イベントでアナウンスされ、出荷は10月だと言われています。しかしながらApple TVは出荷が遅れた過去もあるので、もしかしたらもっと時間がかかるかもしれません。
でも、アップルはこの安価で楽しいエンターテイメントマシンの発売の遅延は阻止するはず。ホリデーシーズンには絶対に間に合わせると思いますよ。
image by Adam Clark Estes / Michael Hession
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(mayumine)