ドン・キホーテHDが新卒採用で履歴書不要に、人材確保へ

[東京 30日 ロイター] - ドン・キホーテホールディングス<7532.T>は30日、2015年度の新卒採用で、履歴書の提出を不要にすると発表した。流通・サービス業では人手不足が顕著になっており、採用方法を工夫し、優秀な人材の確保に努める企業が増えている。
履歴書の提出を不要とすることで「学校名などにとらわれない、人物重視の採用を開始する」としている。
同社は、昨年12月末時点で約230店舗だった主要3業態の店舗数を2020年までに400店舗に拡大させる計画を掲げており、人材確保は、こうした中長期戦略実現のために不可欠な要素だ。
すでに、中途採用では、2014年3月から書類選考を行わず、35歳以下で関東勤務希望者については、全員と面接を行う「特別採用」を実施し、効果が上がっているという。
ファーストリテイリング<9983.T>が国内ユニクロで1万6000人規模を地域限定社員にするなど、人手不足を背景に、流通業では多様な働き方が広がっている。また、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングス<7550.T>は「すき家」を地域分社化するとともに、労働環境改善に関して会社へ提言を行う第3者委員会の設置を決めた。「すき家」では、人手不足を理由に営業時間の短縮や一時休業する店舗が出たことがネット上で大きな話題になったこともあり、労働環境の改善に乗り出した格好だ。
リクルートホールディングスが24日に発表した2015年3月卒業予定の大卒(大学生・大学院生)求人倍率は1.61倍で前年の1.28倍から大幅に上昇。なかでも、流通業は、求人数が前年比23.5%増となっているほか、正規社員の中途採用を実施(13年10月―14年3月)した企業のうち33.6%で必要な人数を確保できなかった。

清水律子

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab