スタジオアルタは、ご存知『笑っていいとも!』でおなじみの、新宿東口の有名な待ち合わせスポット「新宿アルタ」にあるスタジオ。

もともと『笑っていいとも!』だけをやっていたわけではないが、それにしても毎週月曜から金曜まで30年以上もやっていた番組が終了したのだから、今どうなっているかは、気になるところではある。


そこで、スタジオアルタに問い合わせると、実際に見学させていただけることになった。
新宿アルタの7階。スタジオのドアをあけると、おなじみの『笑っていいとも!』のセットは何もなく、周囲には暗幕が貼られ、思いのほかコンパクトな空間が広がっていた。
スタジオアルタって、今、どうなってるの?

「ロケハンに来た方の10人中8~9人が、『こんなに狭いところで、いいともをやっていたんですか』と言います。お客様との距離が近いため、反応がすぐにわかることが、このスタジオの特徴のひとつ。お客様とスタッフ、出演者と一体感をもって30年以上も継続してきたという理由が、そこにございます」
そんな説明をしてくれたのは、スタジオアルタのメディア営業部担当部長・山本浩司さん。

床にはところどころに白い跡があるが……。
「前方の白い曲線部分が『笑っていいとも!』のセットの跡ですね。そして、この凹みの跡はタモリさんが毎日登場していた階段部分で、客席のひな壇が後方の白い部分です」
スタジオアルタって、今、どうなってるの?

30年以上の歴史が、床に跡として刻み込まれていた。ただし、近日中に床も壁も剥離し、キレイにするとのことで、これらは一時的に見られる貴重な痕跡である。
また、天井にはミラーボールがあるが、これも『笑っていいとも!』で使用されていたもの。

ところで、「スタジオアルタ」というと、今はまだ「あの、いいともの!」という印象だが、実は誰でも利用できる「多目的スタジオ」だ。

しかも、いいとも放送時には、毎週月~金の間、15時頃まで埋まっていたが、現在は平日連続して使うことが可能になったそう。
実際に、ロックやアコースティックなどの音楽ライブ、お笑いライブ、芝居、展示会、即売会、会社の決起会や激励会、営業の表彰式など、幅広い目的で利用されている。
「いちばんの売りは、新宿駅前でアクセスが良いことと、『アルタビジョン』。アルタビジョンに生放送できますし、臨時で回線を敷けばBSやCSで全国配信もできます」

また、音響や照明、大道具・小道具、警備に至るまで『笑っていいとも!』に長年携わってきたエキスパートに依頼し、セッティングしてもらうこともできるそう。

レンタルスタジオ使用料は、1時間45000円~。そこに応相談で、飲食のケータリングや、スタッフの人件費が加わる。
8階にはメイクルーム1室、控室も6室ある。
スタジオアルタって、今、どうなってるの?

そのうちの一室が、タモさんがずっと使っていた「楽屋」だ。
スタジオアルタって、今、どうなってるの?

個人での利用も可能で、これまで「スタジオアルタ」で披露宴をあげた人も4組いるそう。
「華やかさ、豪華さは、ホテルや結婚式場にはかなわないですが、自分たちで作りたい、一人でも多くよびたい、人と違うことをしたい、何かサプライズしたいという方たちには、文化祭感覚で手作りできてオススメです」

たとえば、最低限必要なのは「箱代(スタジオ使用料)」と「照明&照明人件費」のみ。予算をあらかじめ伝えて、そこから予算内で相談により、足し算掛け算になると言う。
「音は持ち込みできるし、極端に言えば、ラジカセひとつでやることもできます。
美術も、文化祭ノリで、自分たちで作って持ち込めます。NGなのは、裸火、煙、ニオイなど、常識の範囲のみです」

「スタジオアルタ」は今、新たなスタート地点に立ったばかり。「いいとものアルタ」から、今後は「ライブのアルタ」「芝居のアルタ」、もしかしたら「手作り披露宴のアルタ」に変わっていくかもしれない。
(田幸和歌子)