“地域I愛”でオリジナル商品も充実、安さも魅力のセイコーマート

北海道のご当地コンビニである「セイコーマート」が、非常に高い顧客満足度を得ていることをご存知だろうか。

6月、サービス産業生産性協議会が2014年度第1回JCSI(日本版顧客満足度指数)を発表し、コンビニエンスストア部門でセイコーマートが4年連続1位に輝いたのだ。

いったい、何がそんなに魅力的なのか?

その理由に“地元愛”を挙げるのは、コンビニ評論家の吉岡秀子氏だ。

「北海道を中心に展開するセイコーマートなど、ご当地コンビニの成功要因のひとつに“地元を愛する消費者心理”をガッチリつかんでいることが挙げられます。例えばセイコーマートは2008年に北海道庁との連携と協力に関する協定を締結。10月の道民健康づくりの日に合わせて、『野菜をもっと食べよう!』キャンペーンを実施するなど、北海道を挙げたキャンペーンを打ち出しています。北海道の方もそれだけ地元を愛しているコンビニに対して悪い思いはしないですよね」

なるほど。たしかに親近感も湧くはずだ。

「ご当地コンビニ全体に言えるのですが、小規模ならではの“小回りが利くオペレーション”も強みです。例えば、大手チェーンだと日本全国1万以上もの店舗に並べる商品を作るため、相当な量の原材料が必要ですが、ご当地コンビニは店舗数が少なく、ネットワークの範囲も限られているので、限定商品や有名店監修のコラボ商品など“希少価値の高いモノやサービス”の提供が比較的容易にできます。こうした、ご当地コンビニでしか買えない商品目当てに来るお客さんも多いですね」そうした要因を背景に、北海道出身者からはこんなラブコールが。

「とにかくホットシェフのカツ丼がウマイ! いつでも熱々でカツも分厚くて最高です」(札幌市出身・31歳)

そこで実際に、関東にある数少ない埼玉県吉川市のセイコーマートに行ってみると、保温棚に置かれたカツ丼があった! ほかにも十勝名物の豚丼やカツカレーもある。手に取ってみると確かに「あったか~い」。冷蔵棚に並べられたコンビニ弁当では味わえない感覚だ。

気になる味は、少し甘めのダシがカツに染み込んでいる。手作り感も出ていて、これはハマリそうだ!

丼系はいつでも熱々! 保温棚の奥には調理スペースがあり、手作りしている様子もうかがえる

地元産だけにオリジナル商品が豊富で安い!

ほかの北海道出身者からはこんなオススメコメントも……。

「時々無性に飲みたくなるのが、セイコーマートで売られている北海道メロンのクリームソーダ。東京都内だと、どこを探してもないんです」(岩見沢市出身・27歳)

店内で発見したこの商品をよく見ると、セイコーマートのオリジナルブランド商品だった。

さらに探し回ってみると、お菓子からカップ麺、レトルトご飯までどれもセイコーマートのオリジナルブランド商品があるわあるわ……。しかも、すべて「北海道産」や「北海道でつくりました」とうたわれている。これは地元民の心がくすぐられるのも頷(うなず)ける。

そしてオリジナルブランドだけあって安いのも魅力的だ。「安さ」目線でいうと、100円のお総菜がかなり多いのも特徴。おつまみからサラダ、そして少量のパスタまでもが100円程度で売られている。

地域密着ゆえの“ならでは”商品がそろった北海道の雄「セイコーマート」。道内以外では、埼玉、茨城にも店舗を展開している。一度訪れてみれば、関東でも北海道気分が味わえるだろう。

「北海道産」「北海道で作られた」とうたわれるオリジナルブランドの商品はすべて100円程度!

■週刊プレイボーイ31号「ご当地コンビニの地域密着型サービス、アイデアがすごい!」より(本誌では、他のご当地コンビニも紹介!)