美しい「LEGO建築」展覧会(画像ギャラリー)

シカゴ科学産業博物館で開催中の「Brick by Brick」展は、LEGO認定プロフェッショナルが制作したLEGO建築モデルを紹介する展示会だ。長さ約18mのゴールデンゲート・ブリッジや、実際に走るジェットコースターなどが楽しめる。
美しい「LEGO建築」展覧会(画像ギャラリー)
PHOTOGRAPHS COURTESY OF MUSEUM OF SCIENCE AND INDUSTRY

世界的に権威のある「コート・オヴ・マスター・ソムリエ」の米国支部が認定したマスター・ソムリエは147人いるが、LEGOが認定した「Lego Certified Professional」(LEGO認定プロフェッショナル)は世界で14人しかいない。

アダム・リード・タッカーはそのひとりだ。シカゴ科学産業博物館では現在、同氏の作品を展示する「Brick by Brick」が開催されている(会期は2017年2月まで)。

13点の作品のモデルは、どれも世界で最も有名な建築物だ。サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジやローマのコロッセオ、ニューヨーク市の1ワールドトレードセンターなどがミニチュアで表現されている。

ミニチュアとはいえ、ゴールデンゲート・ブリッジのLEGOモデルには6万4,500ピースのLEGOブロックが使われ、制作に260時間が費やされた。長さは約18m(1,829cm)ある。ニューヨークにある米国自然史博物館に展示されている一部の恐竜に匹敵する巨大さだ。

Brick by Brickの設計はコンピューター・モデリングを使わずに行われた。すべて合わせると2,500時間に及ぶ設計・制作作業が行われた計算だ。週40時間の労働として考えると1年以上になる。

タッカー氏は以前は建築家として活動していたため、LEGOに対する貢献も技術的な側面が強い。つまり、純粋な想像力よりも工学技術に重点が置かれている。タッカー氏は、Brick by Brick展でも見られるような高層建築の精巧なレプリカをつくることができるLEGOの新シリーズ「Architecture Skyline Collection」(日本語版記事)にも密接にかかわっている。

ただし、今回展示されている作品はどれも平均的な建築モデルに比べてはるかに大きいため、直立姿勢を保つには、床を支える根太や控え壁を慎重に構築する必要がある。しかもジェットコースターは実際に走らせることさえできるのだ。

シカゴ科学産業博物館では振動台と風洞を用意して、来館者が構造物をつくってさまざまな気象条件下でテストできるようにもしている。

Brick by Brickではほかに、ドバイにあるブルジュ・ハリファ、中国深セン市で現在も建設が続く平安国際金融中心、エーロ・サーリネンが手がけたミズーリ州にある巨大なアーチ「ゲートウェイ・アーチ」、フランク・ロイド・ライトが設計した落水荘、、シカゴ科学産業博物館の建物であるパレス・オヴ・ファインアーツが展示されている。

また、ギザの大ピラミッド国際宇宙ステーションフーヴァーダムのほか、おそらくは子どもたちのために、イリノイ州にある「シックス・フラッグズ・グレート・アメリカ遊園地」の木製ジェットコースター「アメリカン・イーグル」と、ディズニーワールドのシンデレラ城もある。

PHOTOGRAPHS COURTESY OF MUSEUM OF SCIENCE AND INDUSTRY

TEXT BY MARGARET RHODES

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO