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スマホ特化EC「LINE MALL」、「つながり」生かした新サービス 「LINEであることが最大の強み」

» 2014年08月27日 19時38分 公開
[山崎春奈 ,ITmedia]

 LINEはECサービス「LINE MALL」で、LINEユーザー間のつながりをてこにした新サービスを相次ぎ投入する。国内で5000万人超のユーザーを抱えるプラットフォームを強みに、友人などからの推薦で商品と出合う「つながりによる消費」をコンセプトに掲げ、利用者拡大を目指す。

 LINE MALLはLINEのプラットフォームを利用したスマートフォン特化型ECサービス(Android/iOS)。検索とスペック比較に基づく従来の「検索・ストック型」ではなく、ウインドーショッピングのように楽しみながら新たな商品に出合う「発見・フロー型」の購入体験が特徴だ。出品料や販売手数料が無料、商品はすべて送料込みで表記などECに馴染みが薄いユーザーでもスマホからシンプルに利用できるようになっている。全国一律に定額で匿名発送できる「LINE配送」や、毎日開催されるセールも好評という。

「つながり」を活用して商品との出合いを最大化

 新サービスは、(1)複数の友人間で商品をまとめ買いできる「LINE グループ購入」、(2)友人にギフト商品を贈れる「LINE ギフト」、(3)産地直送の食材を生産者から購入できる「LINE マルシェ」、(4)人気セレクトショップのアイテムを直接購入できる「LINE セレクト」、(5)クリエイターが手がけるハンドメイド商品の量産・販売を支援する「LINE クリエイターズモール」。

photo 「LINE グループ購入」のフロー

 キーワードは「つながり消費」。スマートフォンを通して、身近な友人・知人とはもちろん、時間や距離を問わず生産者や店舗とつながることを目指す。LINEのプラットフォーム力を活用し、「つながり」を通してユーザーが商品と出合う機会を最大化するのが狙いだ。

 8月28日に開始する「LINEグループ購入」は、LINEでつながっている友人間で商品をまとめ買いすることで、食料品や飲料、日用品などを最大50%オフで購入できる。呼びかけから注文までLINE内で完結し、配送先は各ユーザーの家庭に分けられる。

photo 産地直送「LINE マルシェ」

 LINE MALL上の商品をメッセージで送れる「LINE ギフト」は秋以降に公開を予定。出産祝いや誕生日プレゼントなど高価なプレゼントを複数人で購入して贈ることもできる。受取人に住所や配送日を設定してもらうことで、贈り主が相手の住所を知らなくてもプレゼントすることが可能になっている。

 とれたての農作物、魚介類を産地から直送する「LINE マルシェ」、スマホ内で人気セレクトショップを巡るようにショッピング楽しめる「LINE セレクト」は年内にスタート予定。それぞれLINE MALLが生産者やショップと契約し、ユーザーがLINE MALLを通して購入できるようにする。

 「LINE クリエイターズモール」では、ハンドメイド商品の量産化と販売を支援する。ユーザーに商品を評価してもらい、評価が多い商品に対して量産化をオファー。LINE MALLを通じて販売してもらう。将来はLINE MALL発のブランド創出を目指す。

photo 島村武志上級執行役員

 コマース・メディア担当の島村武志上級執行役員は「LINEにしかできない、LINEだからできるECの形を追求してきた」と改めて「LIME MALL」の意図を説明。「フリマアプリではない」と強調し、個人間のやりとりだけでなく、店舗や法人の活用、新たなビジネスモデルの確立も考えていきたいと話す。

photo 舛田淳上級執行役員

 競合アプリやECサービスとの違いについて聞かれた舛田淳上級執行役員は「LINEであることが最大の強みであり差別化。スマホユーザーのプラットフォームとして他社より強い基盤が作れていることは大きい。ゲームや漫画、ニュースなどと同様にECもプラットフォームの上にプラットフォームを作っていく試み。常に社内で『今売れてるものをそのまま載せるだけで成功すると思うなよ』と伝えているし、1つずつ試行錯誤しながらLINEだからこそできることを探していきたい」とした。

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