マッシュルームでカカオ豆の苦味軽減、米企業が技術を開発

マッシュルームでカカオ豆の苦味軽減、米企業が技術を開発
 7月21日、米国の新興企業が、マッシュルームを使ってカカオ豆の苦味を軽減する発酵技術を開発した。写真はカカオ豆。4月撮影(2014年 ロイター/Beawiharta)
[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国の新興企業が、マッシュルームを使ってカカオ豆の苦味を軽減する発酵技術を開発した。食品技術会社のマイコテクノロジーは、1年前にコーヒー豆の苦味を軽減する技術を導入。今回、その技術をカカオにも採用した。
同社のプロセスでは、発酵させた豆を滅菌し、苦味成分を除去するよう交配されたマッシュルームの根を注入して7─21日間密封袋で寝かせる。この間にマッシュルームの根が苦味を緩和するという。
カカオ豆の苦味については、アルカリ成分を加えて緩和する「ダッチプロセス」を含む複数の加工法が普及している。
化学物質を使わないマイコテクノロジーの技術は、マスキングではなく、苦さを軽減することによって最小限のコストで苦味を和らげる。
同社はこの開発により、平均的なチョコレートバーに含まれる砂糖含有量を現在の31グラムから15グラム程度に半減させられるとしている。
カカオ市場はコーヒー市場に比べて規模が小さいが、健康志向の消費者が肥満や糖尿病を気にしてより低カロリーな食品を求めていることから、潜在性はコーヒー市場より大きい可能性がある。
同社のアラン・ハーン最高経営責任者(CEO)は、米国の「主要なチョコレート会社」と交渉中としたが、名称は明らかにしなかった。
一方、菓子メーカーからは、砂糖を減らす代わりにより高価なココアやミルクを増やせば新たなハードルが生まれるとの懸念が出る可能性がある。
ペンシルベニア州で30年以上チョコレート製品の調査を手がけるセグイン・カカオ・ココア・チョコレート・アドバイザーズのエド・セグイン社長は「砂糖を減らしてココアリカーを増やせば脂肪分が増えることになり、カロリーが高くなる。砂糖の変わりに何かしらの代用が必要になるため、経済的に意味がない」と指摘した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab