13年余暇市場、11年ぶり増　レジャー消費堅調

レジャー消費が拡大している。日本生産性本部が4日発表した「レジャー白書」によると、2013年の余暇市場は前年比0.8%増の65兆2160億円。02年以来11年ぶりに前年実績を上回った。テーマパークや遊園地の売上高が最高を更新し、音楽ライブも伸びている。体験型の消費に支出を惜しまない流れは強まっており「14年もイベント型の消費は底堅い」（生産性本部）。関連企業はリピーターを獲得しようと投資に積極的になっている。

テーマパークや遊園地の市場規模は前年比10.5%増の7240億円と1982年に調査を始めてから最高だった。開業30周年のイベントがあった東京ディズニーリゾート（TDR、千葉県浦安市）がけん引。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ、大阪市）も入園者数が伸びた。

こうした流れを受け、各社は設備投資を急いでいる。施設の魅力を磨かないとリピーターが獲得できなくなるからだ。

ハウステンボス（長崎県佐世保市）は14年9月期の設備投資を前期の19億円より積み増す。年間を通じてイルミネーションや花のイベントを開き、子供向けエリアも刷新。「シニア層から家族連れまで幅広く楽しめるようにする」（広報担当）。今期は入場者数を前期より2割増やす計画だ。

富士急ハイランド（山梨県富士吉田市）を運営する富士急行は15年3月期、レジャーサービス事業の設備投資を約58億円と前期より45%増やす。7月中旬には外国人客の利用も見込み富士山の景色が楽しめる屋内型アトラクションを開いた。

生産性本部は「モノの消費は成熟段階だが、感動や思い出と一緒になった（コト）消費は消費税率が10%に引き上げられても堅調に推移する」（志村武範主幹研究員）と分析している。

よみうりランド（東京都稲城市）は16年3月期に約100億円の設備投資を計画する。1964年の開業以来最大の規模だ。天候に左右されない屋内型アトラクションを整備し、安定的な集客力の確保をめざす。

音楽関連市場でもイベント型の消費は好調だ。レンタルを含むCDは市場が12.6%縮み3190億円だったが、コンサート関連の売上高は25%増の3060億円とCD販売に迫る。

音楽各社は大規模なイベントに力を入れており、エイベックス・グループ・ホールディングスもスタジアム公演の動員数を増やす。15年3月期はライブ事業の売上高を前期比7.2%増の605億円に引き上げる。

訪日外国人客の増加も底上げにつながった。足元でも首都圏のホテル稼働率は上昇している。三井不動産ホテルマネジメントは4～6月の東京都内のホテルの稼働率が9割を超えた。都心のホテルでは値上げの動きも広がっている。

日本オートキャンプ協会によるとオートキャンプ人口も4年ぶりにプラスに転じた。女性やシニアが増え、キャンプ用品市場も6%増の499億円と伸びている。

生産性本部の調査によると、パチンコは参加人口が970万人と調査開始以来初めて1千万人を割り込んだ。83年のピークと比べると3分の1以下の水準。スマートフォンのゲームの流行などで若者のパチンコ離れが起きているようだ。