オウンドメディア運営に必須の「写真撮影・選定」「ライティング」の基本事項について勉強会で学んでみた

オウンドメディア運営に必須の「写真撮影・選定」「ライティング」の基本事項について勉強会で学んでみた

LIGブログ編集部

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こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらは「オウンドメディア運営担当者なら知っておきたい基本事項」を紹介する前後編の記事です。

さて、コンテンツマーケティングの台頭にあわせ、現在注目を集めているのが「オウンドメディア」です。(オウンドメディアの定義や効果についてはこちらの記事「コンテンツマーケティングを実施する前に最低限おさえておきたい4つの知識」をご参照いただければと思います。)

前回の記事では、掲載した記事を拡散し流入を増やしていくための「SNS」の活用方法について、ツールや最新動向などを紹介していきました。今回は、その記事を作成するうえで欠かすことのできない「写真撮影・選定」と「ライティング」について“これだけはおさえておきたい基本事項”を紹介していきたいと思います。

写真やライティングについては「教えてくれる人もいないので、全て自己流ではじめました」という人も、案外多いのではないでしょうか。そういう人こそ、各社担当者が集まる勉強会などに参加し、その分野に知見がある方の話を聞いてみることで、その技術が大きく飛躍する可能性があります。

基礎を知るというのはいつでも大事なことですし、自分が(他の人から見れば)常識的なことができているかどうかを知るいい機会になるかもしれません。オウンドメディアに記事を掲載するということは、企業として情報を発信するということです。最低限のポイントぐらいは、やはり押さえておきたいですよね。

本日は、『Six Apart ブログ』さん主催のオウンドメディア勉強会に実際に参加して学んだことを、前回に引き続き、皆さんに共有する形でお伝えしていければと思います。それでは、いってみましょう。

 
▼情報提供元:Six Apart ブログ主催のオウンドメディア勉強会

 
▼目次

オウンドメディア運営者が知っておくべき写真撮影・選定の基本

オウンドメディアの運営者は、多くの場合、編集者としての役割を担っていると思います。自分が撮る役割なのか、指示を出す役割なのか、という違いはあるとしても、今回紹介するような認識を最低限持っておくようにしましょう。

こちらの項目については、「tech@サイボウズ式」編集部の風穴さんが「エントツ@メディア勉強会」というテーマでお話いただいた内容を中心に解説していきます。

掲載する写真の基準

写真を撮る際・選ぶ際に共通して、注意しなければならないのは以下の2点です。

1. 写真表現としてコントロールされているか

読者に対し、「その写真によって何を伝えたいか」を明確にするようにしましょう。情報として伝えなければならないものがきちんと写っているかどうか。人物写真なら、主役になるべき人がきちんと中心で写っているかどうか。全体の画が必要なのか、個人だけ抜きたいのか。それらが写真表現としてコントロールをするということになります。

写真には意図があり、それをきちんと伝えることが表現として大切なのであって、全ての写真には意図が必要となります。

2. 権利侵害の可能性はないか

余計なものが写っていない、ということも写真表現としてのコントロールになるので、そこが意識できていれば基本的には大丈夫な問題かもしれません。しかし、予期せず余計なものが写り込んでしまうという事態は起こり得ます。

それが人であった場合、肖像権やプライバシー保護の観点についてなど、法律上確認が必要かどうかということも重要かもしれませんが、大前提として「写っている人が嫌な思いをしないかどうか」ということをまず考えるようにしましょう。そして写ってしまった人には、きちんと掲載の許可をもらえるようにコンタクトをとりましょう。(OKがでるかどうかはもちろん相手次第です。)

同様に、写真への写り込み自体がNGという企業や建物もたくさんあります。「風景だから大丈夫なはずです。」と法律上は主張できる場合もあるかもしれませんが、それはそれで大変な作業です。
結局は、まず写真表現としてコントロールし、余計なものを写さず、写ってしまった場合は確認する、というような一連の手間を惜しまないことがもっとも大切です。

選定時にチェックすべきポイント

記事に使う写真を選ぶ際に、確認しなければならないのは以下の2点です。

1. 目的に合致してるか

たとえば料理の写真を撮ったとき、「おいしい」と伝えたいのか、「おいしくない」と伝えたいのかによって、記事に使う写真は当然異なります。

綺麗かどうかではなく、「記事の中で、何をどう伝えたいか」で写真を判断するようにしましょう。多少ピンぼけであったとしても、その瞬間こそが記事で伝えたいことであったならば、そちらを優先するようにしてください。何のために写真を載せるのか、が基準です。

2. 誤解を与える可能性はないか

写り方として、変な印象を与えるものとなっていないかどうかは注意しましょう。よくあるのは、

  • 人物の真後ろに観葉植物があったため、ちょうど頭から植物が生えてしまっているようにみえる
  • 手の位置がちょうどオブジェにかかってしまっているため、それを触っているようにみえる
  • 別の人の手などが肩越しに写ってしまい、心霊写真のようにみえる

など、真面目に伝えたいものがちょっと変に見えてしまう写真です。もちろんそんな意図は撮った側にはありませんが、見た側は一度そのように見えてしまうと、もうそのような写真としか思えなくなってしまいます。

撮影場所に応じた工夫

そもそもオウンドメディアでの写真掲載自体がブランディングのためにやっていることですから、そのせいでネガティブな印象を引き起こしてしまっては本末転倒です。先ほど権利侵害について少し触れましたが、不要な写り込みを避けるためのちょっとした工夫についてみていきましょう。

セミナー会場の場合

たとえばパネルディスカッションなどで、スピーカーが並んでいる写真の中で、最前列のお客さんが1、2名だけ写ってしまうと、その人が意味のある存在のように見えてしまいます。これは単純に、写真のときだけ一歩前に出て撮影すれば防げることです。また、少し引いて他のお客さんも一緒に写すことで、「大勢が参加して盛り上がっている様子」という別の意味を持たせることができます。

あわせて、セミナーで写真を撮影する際は、事前に撮影が入る旨と記事などにも掲載される旨のアナウンスはしていると思いますが、それでも意味なくお客さんの顔が特定できる写真は使用しないようにしましょう。

レストランの場合

インタビューや座談会を普通のレストランでおこなった場合、他のお客さんの顔がハッキリ見えてしまう写真は当然NGです。

レストランでの取材は、普通は端の席をあらかじめ予約しておき、他のお客さんが絶対写り込まないようなアングルで撮るのが鉄則です。お客さん1人1人に確認して撮影許可をとるなら問題ないですが、それはそれで大変な作業になります。誰にも個人が特定できないような移り方、たとえば後ろ姿は大丈夫ですが、横からは写さないようにしたほうがいいでしょう。

オフィスの場合

公共の場などと比べ、権利侵害の可能性は低く、許可も撮りやすいですが、特にデスクまわりで撮影すると、人物の背景がごちゃごちゃした写真になりがちです。機器や植物などが見切れるように入ってしまうなど、このような事態は、撮る人がしゃがむだけで背景がスッキリしたアングルになることもありますし、白い壁をバックにして撮影するなどで雑多な感じを防ぐことが可能です。

 
上記いずれの場合にも共通して言えることは、文章の構成と同様、細かくチェックしつつも全体を確認しよう、ということです。写真に写っている人物の表情を確認したり、赤目や暗い部分をPhotoshopなどで補正したりすることも大切ですが、写真全体が見る人に与える印象というのはそれと同等か、それ以上に重要となります。木を見る作業と森を見る作業は、同時におこなわないと意味がありません。

カメラの素人が撮影する場合のポイント

カメラのプロにお願いできるほどの予算は持っていない、というオウンドメディアは正直多いと思います。その場合、趣味でカメラをやっているような社員が運よく周りにいない限り、担当者が慣れない一眼レフで撮るしかない、ということになってしまいます。

基本は、とにかく撮って、都度みんなにフィードバックしてもらうしかありません。失敗できないようなときは、とにかくアップで撮ることを心掛けましょう。全体を撮ろうとするから歪みが生じてしまいますし、余計なものも写ってしまいます。自分のほうから被写体に近づいてアップで撮れば、ある程度はそういう部分も解消されます。

ピントがあったところ以外はボケるように撮れば雰囲気も出ますし、周囲の人や物が写っていても、ある程度はなんとかなります。(ただ、ピント合わせが難しくなるという別の問題があります。)

あとはとにかく大量の枚数を撮り、その中に奇跡的な1枚が入るのを期待するしかありません。もちろん後からチェックするときに大変になるのですが、カメラに慣れるまではこれが一番効果的かもしれません。

いずれにしても、もとがあまり良くない写真を画像加工などで何とかしようとするのは限界があります。構図がいまいちなら、カメラマンである自分が動くことで写り方を変えてみるなど、撮影時点での手間暇を惜しまないようにしましょう。

プロのカメラマンにお願いする場合のポイント

プロのカメラマンにお願いする場合、ほしい写真の意図をきちんと伝え、それに沿った写真を撮ってもらうようにしましょう。

このとき、クリエイティビティに細かく指示を出すのはあまりよくありません。技術の部分はやはりプロに任せ、「明るい感じで」ぐらいの指示を入れるようにしましょう。自分で細かい指定をしてしまうと、その通りのものができあがることになるので、クリエイティビティを損なってしまいます。(プロのカメラマンと自分と、どちらのほうがクリエイティブあるか、という問題になります。)

また、「いい感じで撮ってください」などの意図の不明確な指示は絶対に避けるようにしましょう。

オウンドメディア運営者が知っておきたい「ポジティブライティング」

オウンドメディアの運営者は、ライターとしての役割を兼ねている人も多いと思います。ライティングのスキルを向上させる方法はいろいろありますが、今回は手軽に実践でき、かつメディアを運用する上で押さえておきたい「ポジティブライティング」という手法について紹介していきます。

こちらの項目については、さくらインターネット株式会社の鈴木さんが「ポジティブライティング講座」というテーマでお話いただいた内容を中心に解説していきます。

なぜ「ポジティブ」に書くべきなのか

オウンドメディアの目的は無数にありますが、大切なポイントの1つになるのが「共感を得る」ということです。コンテンツは共感(エンパシー)を生みますが、同じ情報を受け取っていても、ポジティブに感じる人もいれば、ネガティブに感じてしまう人もいます。

これまでは情報の発信者と受信者がはっきり分かれていたため、ネガティブな部分が表面化することも少なったのですが、SNSの普及によって個人の感情がすぐに発信されるようになりました。そのため、せっかく作ったコンテンツが誰かにネガティブに捉えられると、ネガティブなものとして周囲に拡散されてしまうリスクが高まってしまいました。

だからこそ、オウンドメディア上ではできる限りポジティブなライティングを心掛ける必要があります。

ネガティブとポジティブは表裏一体

情報の受け取り方の例として

  • マンション暮らし
  • →近所付き合いが面倒 / ご近所さんがたくさん

  • オール電化
  • →停電になったらどうする / 光熱費を一元化できていいね

  • 都心に住む
  • →オンオフの切り替えが難しい / 夜遅くまで遊べる

というように、同じ状況でほとんど同じことを言っているのに、前者はネガティブ、後者はポジティブと、明らかに印象の差が生じてしまうことがわかるでしょう。どちらがオウンドメディアのライティングとして適しているかは明らかですよね。

ポジティブに書くための7つの手法

同じことを言っていても、光の当て方次第で話題はポジティブにもネガティブにも変化します。そこで、ポジティブに書くための7つの手法を紹介していきます。

1. 「しかない」ではなく「ある」

  • ○○できる時間が××分しかない
  • ××分あれば、○○できる

例)

  • プレゼン発表の資料を作成できる時間が、あと半日しかない
  • あと半日あれば、プレゼン資料が作成できる / プレゼン資料を作成できる時間があと半日ある

いずれの場合も残された時間は同じですが、前向きに取り組む姿勢は後者になります。

2. 条件を変える

  • ○○でなければ、××できない
  • ○○であれば、××できる

例)

  • iPhoneがなければ、このアプリは使えません
  • iPhoneを持っていれば、このアプリが使える

いずれにせよアプリが使えないAndroidユーザに対して、少し柔らかい表現になります。
さらに「もう少しするとAndroidでも使えるようになります」などの未来の情報が足せると、さらにポジティブな表現になります。

3. つなげる(ネガティブで終わらない)

  • ○○では、××できない
  • ○○では、××できないが、

接続詞を用いて、ネガティブなまま終わらせないようにしましょう。

例)

  • 10万円では海外旅行にはいけない
  • 10万円では海外旅行にはいけないが、熱海にはいける

いずれの場合も海外旅行にはいけないわけですが、ポジティブな印象になります。

4. 入れ替える

  • ○○はいいけど、××はデメリットだ
  • ××はデメリットだが、○○はいい

ネガティブな情報は後ろにもってくるより、前にもってきたほうが印象がポジティブになります。

例)

  • 焼肉は美味しいけど、カロリーが心配だ
  • カロリーが心配だけど、焼肉は美味しい

5. くらべる

  • ××は△番目に好きだ
  • ××は好きだが、○○はもっと好きだ

絶対評価と相対評価の違いになりますが、紹介したいものよりちょっと下のものを例に出したほうがポジティブになります。
本当はもっと好きなものがあるかもしれない中でも、○○をちゃんと立てています。

例)

  • キリンさんは好きです、でもゾウさんはもっと好きです

実はゾウよりももっと好きな動物がいるかもしれませんが、キリンにもゾウにも悪い印象はありません。

6. 言い換える

入れ替えるに近いですが、表現を変えればポジティブに見えるものも多いです。ただし、逆にネガティブに見える場合もあるので注意が必要です。

例)

  • 仕事、疲れた→喜びのための労働、頑張った
  • 緊張感がない→肩の力が抜けている
  • キモい→ミステリアス
  • 嫌い→将来好きになるかもしれない

 
▼参考
以下のような言い換え用のアプリもありますので、発想の転換などの参考にご利用ください。

7. 省く(掲載しない)

上記の1~6でもポジティブな表現にならない場合は、省いてしまうという判断も大切です。判断基準として

  • その情報に必要性はあるか
  • その情報で誤解を生まないか

という2つをチェックし、どちらかがクリアできないと思えば(記事の一部であれば)、ばっさりと省いてしまいましょう。書いているときは大事な記述に思えても、意外となくても意味は通じるものです。

ただし、それで本当に意味が通じなくなる場合は記載の「必要性」があるということなので、誤解を生まないような表現に調整していきましょう。

ネガティブ表現を避ける理由

ライターの方に原稿をお願いしている場合、ネガティブ表現には赤入れをして、ポジティブにしたポイントを伝えるようにするといいでしょう。

Webページの滞在時間は短く、記事も最後までは読んでもらえないというケースは多いと思います。その中で、ネガティブな表現を用いつつもポジティブなイメージに文章全体で納得させる、というのは現実的には少し難しいかもしれません。やはり最初から、ネガティブな表現はポジティブな表現に置き換える、という手法のほうが効果的といえるでしょう。

写真と同様、そもそもオウンドメディアに記事を掲載すること自体がブランディングのためにやっていることですから、そのせいでネガティブな印象を引き起こしてしまっては、重ねて本末転倒です。

 
▼その他参考記事
Webライティング全般に関しては、以下の記事も参考になりますのであわせてご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。オウンドメディアでは1人の担当者がカメラマンやライターなど、さまざまな業務を兼任しなければならない場合が多く、1つ1つの業務を深堀りしていくことは実際には難しいと思われます。

とはいえ、やはりオウンドメディアで配信するコンテンツの大多数は、画像とテキストによって作成されたものです。言い換えれば、写真とライティングに問題があると、配信元である会社の印象自体を大きく低下させてしまう危険があることは、意識しておかなければなりません。

今回紹介した「カメラ」と「ライティング」に共通するのは、技術的な上手・下手ではなく、どのような意図を持って記事を作成するかが一番大切、ということです。

1人でやっていると、ついつい写真はとにかくカッコいいものを、記事は多少ネガティブでもとにかくシェアがつきやすそうなものを、などユーザから見ればあまり心地よくない方向にも進んでしまいがちです。そのような状況を防ぎ、どれぐらいのバランスでやっていくのがいいのかを定期的に見直すためにも、やはり勉強会のような場にはできるだけ参加し、積極的に情報交換をおこなうのも有効な手段の1つだと思われます。

特に「写真には意図があって、写真でそれをきちんと伝えること。全てに意図が必要。」というような姿勢は、記事、そしてメディア全般に共通するものではないでしょうか。

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは、また。

 
▼オウンドメディア運営担当者なら知っておきたい基本事項シリーズ記事(前後編)

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