さて問題です。高タンパク、高カルシウム、低カロリー! おまけに養殖のコスト低め!! そんな夢のような食材な~んだ? 答えは昆虫である。昆虫食はもはやゲテモノジャンルではない。世界的な食料危機の切り札として、国連機関までもがその有用性について提言を出すほど。

日本でも研究が行われており、先日も、徳島大学で研究中の粉末コオロギは「たこ焼きにかけるとウマイ」とニュースになった。そう、コオロギは昆虫食のなかでも圧倒的に美味らしいのだ。

・昆虫食、コオロギが圧倒的美味説

数ある虫のなかでもコオロギが圧倒的美味。そう話していたのは、キャンプ場で出会った大阪の大学の女子大生たちである。当時、私は海に面したキャンプ場でボランティアをしていたのだが、そこにサバイバルな研修をしに来たのが彼女らだった。

彼女らは「無人島チャレンジ」と言わんばかりに対岸の無人島へGO! 私はシフト上、対岸に残っていたのだが、翌日、島に1泊して帰ってきた彼女たちが、開口一番こんな話を聞かせてくれた。

「コオロギ食べてん♪」

・揚げコオロギ=エビフライ味

目の前が海なのに、虫捕まえて食べていたのかよ!(笑) もちろん釣った魚も食べていたらしいのだが、何より美味しかったのがコオロギだったというのだ。ぴちぴちお魚よりコオロギ!! シマダイやカワハギがとれる海なのに、それより何よりコオロギ!

「焼いただけだと虫感あったけど、揚げたら完全にエビフライ!」
「マジエビフライ♪」
「バッタとか他の虫も食べたけど、コオロギが圧倒的に美味しかったー!!」

とのこと。マジかよと思っていたが、引率の先生も同じことを言っていたので嘘ではなかろう。

・エビの味がしてもおかしくない

私はコオロギの経験こそないものの、炒りイナゴを食べた際、カリカリしていてかっぱえびせんの味と感じたものだ。それを思うと、コオロギがエビ系統の味というのは納得。さらにコオロギの方がムッチリ肉厚なので、エビの身の味のようなクリーミーさがあっても不思議ではない。

それ以来、丸々太ったコオロギを見ると「美味しいのかなぁ」と気になって仕方がない。そんな思いを心に秘めていたところ、徳島大学の三戸太郎准教授がコオロギの食用について研究していると知り、胸がアツくなった次第だ。

・コオロギ食、近い未来に登場か

三戸准教授の研究について朝日新聞には「(素揚げなどにしたコオロギは)エビのように濃いうまみ」と記載されている。さらに、干しシイタケのような香りの良いエサを与えると風味も増すという。エサまで検討されていたのか!

また、三戸准教授は、2018年夏にもコオロギの加工食品の製造・販売を行うベンチャー起業を目指しているのだとか。野生のコオロギでさえ「完全にエビフライ」と、絶賛されていたのだから、食料へ舵を切った養殖コオロギは一体どこまで美味しくなるのだろうか。

参考リンク:朝日新聞
執筆、イラスト:沢井メグ

▼昆虫ではないが「ユーグレナ(ミドリムシ)」みたいに、モノが見えない形でかつオシャンティーな名称をつけたら身近な食材になるかもしれない