粉モノと言えば「東のもんじゃ焼き」「西のお好み焼き」「浜松の遠州焼き」ですが……え?
……「遠州焼き」を知らない??
……「遠州焼き」だよ?ウソでしょ?
あんなに美味しい粉モノが、全国に知られていないなんて!!
それなら紹介するしかありません!
浜松ライターのしまけんが、遠州焼きの魅力を紹介します!!
「遠州焼き」とは?
食べ物が少なかった時代に考案された、いわゆる「粉もの」のご当地グルメで、お好み焼きの生地に、色々な薬味を入れ、薄く焼き上げたしたものです。
その材料、味付け、見た目、どれをとっても関西のお好み焼きとはまったく別。日本人の魂に訴えかける粉モノとして、食べたくなること請け合いです。
遠州焼きの老舗「とらや」
こちらは静岡県は浜松市にある遠州焼きの名店「とらや」。創業から50年、変わらぬ味を提供し続けている浜松人の故郷のようなお店です。
JR浜松駅から徒歩10分という好立地なので、簡単に立ち寄れるのが嬉しいですね。
創業当初のままの内装で、昭和レトロな雰囲気が漂います。
壁の扇風機やポスターなどもレトロで、なぜか落ち着く。
とらやのメニューは、お好焼きや、焼きそばを中心に数十種類あります。
ちなみに「遠州焼き」は、地元では単に「お好み焼き」と呼ばれていたもので、お店によって呼びかたが違ったりします。
とらやでは「田舎焼き」という名前で提供されています。お間違えないように!ということで「田舎焼き(遠州焼き)」を注文!!
これが「遠州焼き」です!
これですこれ!第一の特徴は、なんと言っても「沢庵」。
生地の中に、ちりばめられた「沢庵」!沢庵感が半端ない!
食べ物が少なかった時代でも浜松特産の「沢庵」は比較的手に入りやすかったことが生地に入れた理由のようですが、もはやそれはキッカケでしかありません。歯ごたえといい、味といい、遠州焼きには欠かせない存在なのです。
とらやでは、遠州焼きを自分で焼くスタイル。
ということで、しっかりかき混ぜて……まんべんなく鉄板に広げます。
「広げたら触らないで下さい」ということなので、このままにしておきますが……。
ひたすら薄いけど我慢して焼く
「一体、これをどうやって収束させるのよ」と思わずにはいられない薄さです。
この薄さが、後から効いてくるのです。触らないよう、ひたすら我慢!
しばらくしてから裏返すと!うおお、うまく焼けてる!これは、絶対うまい!!
そして、ここででは第二の特徴のアレをかけましょうか!
醤油で味付けする
お店によって違いますが、醤油かウスターソースでの味付けが選べます。
しかし「遠州焼きは醤油」と強く推したい!!躊躇せず醤油をかけるぞ!!
鰹節をかける
最後に鰹節をかければ「遠州焼き」の完成っ!
どうですか?仕事中だけどビールを飲みたくなるビジュアル!香りと見た目だけで、生二杯はいけるわ!では、いただきま……。
……え??なになに?
……まだ完成じゃない??
これが粉もんの新境地「遠州焼き」だ!
遠州焼きが、遠州焼きであるためには、最後のひと工夫が大切なんです!
生地の両端を丸めて、そこに更に醤油&鰹節をオン!
さっきの薄い生地がここで重なり、層を成します!!
そして食べやすいように切る。これが遠州焼きの完成形です!!
沢庵ぎっしり
では、焼き上がった遠州焼きを見てみましょうか。横から見ると、沢庵ぎっしり。
沢庵ぎっしり。
もはや、沢庵ぎっしり焼き。
醤油の香ばしい匂いと、沢庵の甘さが交わって食欲をかきたてます。うまいー!!!
アクセントの紅しょうが、そして浜松餃子でも活躍しているキャベツの甘さ!うまいー!!!
粉モノといえば「ソース味」をイメージする方が多いかもしれませんが、遠州焼きはまったく別。
あっさりした醤油味のため素材の味がしっかり伝わってきます。これはビールだよビール!!
「&沢庵」という粉モノの新しい形
浜松では昔から食べられていた粉モノ「遠州焼き」ですが、あっさり醤油ベース&沢庵という組み合わせのは全国的には「新しい」のではないでしょうか?
もちろん好き嫌いでソースもマヨネーズもトッピングもOK!
ぜひとも「遠州焼き」を食べに浜松に来てください!
紹介したお店
とらや
書いたひと
しまけん
浜松市在住のライター。腰回りのお肉がとれない20代。
Twitter:@hamamatsu0324
Webサイト:静岡のすゝめ