米コムキャスト、携帯電話事業に参入 17年半ば
【ニューヨーク=清水石珠実】米メディア大手のコムキャストは20日、2017年半ばまでに携帯電話事業に参入すると明らかにした。米国ではインターネットを通じた動画視聴の普及で「有料テレビ離れ」が急速に進む。中核事業であるCATV事業も逆風にさらされており、携帯事業を新たな収入源に育てると同時に、サービスを広げ既存顧客を囲い込む。
米国の携帯市場はほぼ飽和状態で、上位4社の間で契約者の争奪戦が激しい。資金力のあるコムキャストの参入で、携帯業界の競争環境はさらに厳しくなりそうだ。
携帯参入の計画は、米証券大手が20日に開いた投資家説明会で、コムキャストのブライアン・ロバーツ最高経営責任者(CEO)が語った。すでに従業員150人以上が携帯事業の準備に携わっているという。
コムキャストの携帯通信は、通常の携帯通信網と同社が室内などで提供する「Wi-Fi(ワイファイ)」の両方を使う方式をとる。携帯通信網は、業界最大手のベライゾン・ワイヤレスから借りる。通信網は自在に切り替わるため、室外に出た際に通話が途切れることなどはないという。
同社はCATVに加えて、一般家庭や法人向けにインターネット接続を提供している。CATV、インターネット接続に携帯サービスを組み合わせ販売することで、より効率よく顧客を囲い込めるとみている。携帯通信の大半を既存のWi-Fi網に頼るため、他社の携帯サービスより安価で提供できる見通しだ。
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