サウナ後のご飯とビールは最高の贅沢…!プロサウナーと巡る【サウナめし】

ハマる人が続出しているサウナ。血行を良くしたり、疲労回復効果が期待できたり、ストレス解消に役立ったり、様々なメリットがあるそうです。高い温度のサウナで汗を流し、水風呂に入って急激に体を冷やすことで、自律神経の乱れを整えるともいわれます。サウナに入った後、ビールと美味しいご飯を楽しむのも最高です。そこで今回は、週に14~15回サウナに通うプロサウナ―・ヨモギー氏に、食事施設に力を入れているサウナを教えてもらいました。記事で紹介するのは横浜駅直結の「スカイスパYOKOHAMA」、鶯谷駅近くの「サウナセンター大泉」。スカイスパでは絶品のキムチチゲを、サウナセンター大泉ではハムエッグと生姜焼きをいただいてきました。(横浜駅のグルメ居酒屋

サウナ後のご飯とビールは最高の贅沢…!プロサウナーと巡る【サウナめし】

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ライターの榎並紀行です。

 

みなさん、「サウナ」はお好きだろうか? 僕はというと、週2でサウナに行く程度には嗜んでいる。

べつに好きじゃない、という人も「サウナで汗をたっぷりかいたあとのビールのうまさ」は、なんとなく想像がつくのではないだろうか?

 

基本的にサウナ後はビールと枝豆でもあれば十分満足できるのだが、なかには食堂施設にやたらと力を入れ、もはやごはん目当てで通いたくなるレベルのサウナもある。

 

そこで今回は、年中無休でサウナに通うプロサウナ―・ヨモギー氏ガイドのもと、みなさんに激推ししたいとびきりの「サウナめし」を紹介する。

 

はじめに…【プロサウナー】とは

サウナを愛し、サウナ文化の普及活動に努める者。ヨモギー氏はそのなかでも、週14~15回(朝夕のダブルヘッダーはマスト)はサウナに通い、業界で働いているわけでもないのにサウナ設備の展示会に足を運び、業界で働いているわけでもないのに「サウナ・スパ管理士」の資格を持つという筋金入りのサウナ狂である(※なお、サウナ業界以外でこの資格を取得したのは彼が初めてとのことである)。

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▲ヨモギー氏。サウナ効果なのか美肌がすごい

 

「僕にとってサウナはトイレや歯磨きと同じくらい日常的なものです」と語るヨモギー氏。そのサウナ哲学も大いに気になるところだが、今回の主題はあくまで「サウナの食」についてなので、それはまた別の機会に譲ろう。

 

プロサウナ―が選ぶ、最高の「サウナめし」とはいったいどんなものなのか?

 

スカイスパYOKOHAMAの「キムチチゲ鍋」

 やってきたのは横浜駅直結のスパ&サウナ「スカイスパYOKOHAMA」。ここにヨモギーが愛してやまない「キムチチゲ鍋」があるというのだ。

 

さっそくレストランへ……と、いきたいところだが、慌てることなかれ。まずはサウナだ。サウナを経ることで胃腸が活性化、…するかどうかは知らないが、めしが数倍うまくなる気がするのは確かだ。

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▲ヨモギー氏はおしりがきれいだ。しりがきれいな人は、きちんとした生活をしているというイメージがある

 

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▲「ここのサウナは温度と湿度のバランスがいいので長く入っていられる」と高評価

 

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▲サウナの窓からは海が見える

 

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▲そして水風呂へ。「水風呂こそサウナの主役。水風呂のためにサウナに入っているといっても過言ではない」とヨモギー氏。水風呂の温度は15℃以下が理想だという

 

なお、これはまた別のサウナーから聞いた話なのだが、サウナ→水風呂→休憩をワンセットとし、これを繰り返して心身をコンディショニングしていくことを業界では「ととのえる」といい、それが最高に極まった状態を「ととのった」と表現するらしい。これを覚えると、どっぷりはまってしまうのである。

 

「ととのった」ときの素晴らしく満ち足りた気持ちを言語化することは難しいが、感覚としては「リフレッシュ」を8倍くらいすごくしたやつ、といったところだろうか。

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▲さて、本題はここから。館内レストラン「KOO」に移動してきた

 

ほどよい喉の渇き、ココロを弛緩させるゆったりした館内着。ビールを迎え撃つにはこの上ないコンディションである。

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▲この瞬間のビールが

 

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▲世界一うまい

 

撮影しながら思わず唾をのんだ。うまそうだ、とてつもなくうまそうだ。

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▲というわけで、撮影もそこそこに僕も始めさせてもらいます

 

まずヨモギー氏がオーダーしたのは「とりあえずビールセット」1030円。ビールやハイボール、ホッピー、酎ハイ、サワーなどから好きなドリンクを1つ、茶豆、浅漬け、塩キャベツ、牛スジの煮込み、半熟煮卵などから好きなつまみを2つ選べる。

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▲ヨモギー氏は「牛スジの煮込み」と「しらすおろし」を、筆者は同じく煮込みと「自家製浅漬け」をチョイス

 

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▲特にこの「牛スジの煮込み」がうまかった…

 

煮込みで野菜がごろごろ入っているのは珍しい気がする。甘辛でとろっとした牛スジと、絶妙な炊き具合のにんじん、じゃがいも。ものすごく真っ当に、丁寧に作られた感じがする煮込みだ。「スカイスパYOKOHAMA」の食に対する気合が、初っ端から伝わってくる。これから頼む料理への期待と信頼も一気に高まった。

 

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▲そして、一番人気の「キムチチゲ鍋」が登場。Sサイズ(770円)でも十分なボリューム

 

キムチチゲ鍋は不動の一番人気。ヨモギーさん曰く「新大久保はおろか韓国で食べたやつよりうまい、人生最高のキムチチゲ」だそうだ。ひとりの男の人生最高を、僕みたいなぽっと出がお手軽に味わってしまっていいんだろうか?

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▲煮えたぎるチゲをいっさいフーフーせずにすするヨモギー

 

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▲これこれー

 

僕もいただいてみた。……ああ、これは人生最高だわ

ヨモギーさんと違って韓国も新大久保も行ったことはないが、おそらく今後の人生で口にするどのキムチチゲよりうまいと思う。

 

旨味がとにかく深いのだ。酸味もほどよく、やさしい感じ。深くてやさしい、理想の上司みたいなキムチチゲだ。課長・チゲ耕作だ。なにいってるんだおれは。

 

夢中で半分ほどすすったところで、ヨモギーさんが言う。「そろそろ雑炊にシフトしましょう」。

 

なんでもプラス200円で、シメのごはんかうどんのどちらかを投入できるというのだ。

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▲うどんも捨てがたいが、今回は雑炊でいく。いったん器を回収し、グッツグツに温め直した上でコメと卵を投入してくれるという気遣いも素晴らしい。なお、卓上の粉チーズはかけ放題

 

「うまい汁はコメに吸わせよ」とは古来より伝わる格言、ではなく僕が今考えたものだが、この汁をコメで食わないという選択はあり得ない。みなさんもぜひ試してみてほしい。

 

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▲お次はちょっと路線を変えて、クアトロフォルマッジ850円をオーダー

 

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▲すかさずヨモギーはワインにスイッチ

 

ブルーチーズ、パルミジャーノ、モッツァレラ、シュレッドの4種のチーズを使った自家製の「クアトロフォルマッジ(※)」。はちみつをかけて食べるピザである。ずいぶんこじゃれたメニューがあるもんだ。ここ、みなとみらいのおしゃれカフェじゃなくて、サウナの食堂なんだぜ。

※月替わりメニューのため、現在は販売していません。 

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▲また、こんなのもある。「フランスパンのアンチョビチーズ焼き」620円

 

たっぷりのチーズの下にはトマトとフランスパン、香ばしいアンチョビソースという、完全オリジナルメニューである。まろやかなチーズ、トマトの酸味、アンチョビの塩気…いろんな味がフランスパンに染み込んでいる。フランスパンを通じて、うまいエキスを楽しむ料理だ。ある意味「雑炊」なのかもしれない。

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▲ぐいぐい行くヨモギー

 

このほかにもここは本当にメニューが豊富で、茶豆や鶏のから揚げ、フライドポテト、炙り子持ちししゃも、イカの一夜干しといった居酒屋系から、「横濱ナポリタン」、「国産豚バラ肉の生姜焼き」、「豚しゃぶとキムチの鶏ガララーメン」といった食事系まで何でもある。ハンバーグは「和風おろしポン酢」と「洋風トマトモッツァレラ」の2種類があった。さっぱりでもこってりでも、お好みでどうぞ! というわけだ。

 

加えて、「鶏もも肉のソテー ~梅肉ソース」、「マグロテールの塩焼き」など、月替わりのメニューまで用意されている。「仕入れがたいへんだからもうそのへんで…」と、こっちが心配になるほどの充実っぷりである。

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▲スイーツへの力の入れ具合もすごい

 

聞けば定期的に試食会を開き、世代・性別の異なるさまざまなスタッフの意見を採り入れながら新メニューを開発しているという。だから、こんなにもメニューのふり幅が大きいのか。

 

いやー、大満足です。

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紹介したサウナ 

店名:スカイスパYOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビル14F
TEL:045-461-1126
営業時間:10時30分~翌朝9時(レストランは6時~8時30分、11時30分~翌3時30分 )

 

サウナセンター大泉の「ハムエッグ」

 

もう一軒、違ったタイプの「サウナめし」も紹介したい。

 

訪れたのは鶯谷駅から徒歩3分、「サウナセンター大泉」。東京でもっとも古いサウナ施設だ。男性専用なので、客の8割はおじさんである。

 

ここにはヨモギー激推しの「ハムエッグ」があるという。 

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▲入口のガンダムが目印

 

この日も、何はともあれまずはサウナ。のちに食堂へと向かう。

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▲リクライニングスペースは喫煙と禁煙でフロアが分かれていた。このホスピタリティが、長く愛されている理由の一つかもしれない

 

さっそく、その「ハムエッグ」をオーダーした。こちらである。

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▲ハムエッグ400円

 

まず、ハムの量が多い。その下の目玉焼きは卵2個分。たっぷりのキャベツとマカロニサラダも添えられ、見るからに食べ応えのありそうな一皿である。ヨモギーによれば、盛り付け方は店員さんにより異なるというので、個々のセンスの違いもぜひ楽しんでほしい。

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▲ハムエッグは醤油派のヨモギー

 

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▲まずはハムをハムハム

 

「なんだろう…特別なものではないはずなんですけど、他のところで食べるハムエッグとは明らかに違うんですよね」とヨモギー。

 

確かに何かが違う。べつに高級な卵を使っているわけでもなさそうだし、ハムもたぶんスーパーで売っている普通のロースハムだと思うが、妙に味わい深いのである。

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▲白身はかためで黄味は半熟という、王道の目玉焼き

 

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▲キャベツに黄味をまとわせて食べるのがヨモギー流

 

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▲目玉焼きの油を吸ってくたっとしたキャベツに濃厚な黄味が相まって、そりゃあもうね…

 

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▲当然ビールにも

 

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▲合うわけです

 

なお、定食にするなら「ソーセージエッグ」がオススメだという。ソーセージエッグに大盛ごはん、味噌汁、漬物、小鉢(切干大根)がついて550円と、じつに良心的な価格設定である。

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▲これで550円というサービスメニュー

 

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▲さりげなく添えられたケチャップがうれしい

 

お気づきだろうか? 上のハムエッグ、2つの黄味の焼き加減を変えているのだ。驚いた、こんなワザも使えるのか(一瞬、厨房のおやじがこちらをニヤリと見やった気がした)。

半熟も完熟も楽しみたい、そんな欲張りさんも大満足である。

 

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▲でかい肉がどっさりの「豚のしょうが焼き」500円

 

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▲こんなのごはんにのっけざるを得ない

 

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▲うまさにのけぞるヨモギー

 

メニューも雰囲気も大衆的で、特別なことをしているわけではない。ただ、おじさんが食いたいものを、おじさんが食いたい味付けで提供しているだけなのだが、そのツボの押さえ方が絶妙すぎるのである。

 

こんな定食屋が近所にあったら週3で通ってしまうだろう。それがサウナ施設の中に入っているのだ。そりゃあヨモギーも虜になりますわ。

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 ▲中(焼酎)の量が多い、理想的なホッピー

 

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▲200~300円のちょっとしたつまみをいくつか頼んで呑むのもいい。こちらは玉こんにゃく。からしをたっぷりつけていただく

 

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 ▲シメは「サウナラーメン」450円

 

「サウナラーメン」という名前が気になって注文してみたら、ものすごく赤いのが出てきた。なるほど、辛い→汗をかく→サウナというわけか。

 

外でダラダラ汗をかくのはみっともないが、なんせここはサウナである。いくら身なりがくずれても、すぐさま「ととのえる」ことができる。汗でも鼻水でも、どんどん垂れ流せばいい。

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▲麺はおそらくインスタント。言葉は悪いが、こういう場所で食べるラーメンは「安い味」の方がうまく感じる

 

いや~、天国すぎるなー。

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▲この雰囲気も、めちゃくちゃよくないですか?

 

本当は撮影が終わったら帰るつもりだったのだが、酔いを醒ましてからもう一度サウナへ。再び食堂に戻ってテレビを見ながらハイボールなどをちびちびやりつつ過ごしていたら、あっという間に終電を逃してしまった(※開き直って翌3時まで呑んだ。ここの食堂、平日は午前3時まで営業しているのだ。これもなかなか凄いですよね)。

 

できることなら、このままここに住みたい。サウナ入って、酒だけ呑んで暮らしたい。

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▲この日はそのまま仮眠室に泊まり、翌朝またハムエッグを食べた。こっちは目玉焼きの下にキャベツを敷き詰めるタイプの盛り付けだった。「朝はキャベツなしかー」とガッカリしていた矢先、黄味の下からキャベツが出てきた時の喜びたるや!

 

紹介したサウナ 

店名:サウナセンター大泉
住所:東京都台東区下谷2-4-7
TEL:03-3876-0016
営業時間:24時間営業、入浴は5時~11時(入店後8時間まで。17時以降に入店の場合は翌1時まで)、レストルームは6時~翌3時(日曜6時~翌1時30分)

 

サウナのめしを侮るなかれ

サウナによる「食欲増進」や「乾き」、そうしたブーストがかかってよりおいしく感じられるというのはもちろんあるだろう。しかし、今回の2軒はサウナ関係なく、たとえ街中にあったとしても普通に繁盛するだろうなというレベルの味だった。

 

ちなみに、このほかにもうまいサウナめしは「まだまだある!」とヨモギー氏。今回、取材交渉がうまくいかずに紹介できなかった施設もあるのだが、足しげく通ってお許しを得られたら「サウナめし第二弾」として発表したいと思う。

 

プロフィール

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榎並紀行(やじろべえ)

1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。
> ツイッター: Twitter (@noriyukienami)
>ホームページ:やじろべえ

                             
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