LINEがワークスモバイルと共同で取り組む「LINE WORKS」は、LINE初の法人向けサービスだ。B2Bに舵を取りつつあるLINEにとっては大きな飛躍の可能性も秘めたサービスとなるが、一方で、法人向けには様々なハードルも考えられる。LINEにとってのチャンスと課題はどのようなものになるだろうか。

「LINE WORKS」はビジネスシーンに何をもたらすか

ビジネス向けLINE=LINE WORKS

スマートフォンの普及率が50%を超え、今や携帯電話は音声通話よりも、メールやSMSによる連絡のほうが上回っている。中でも、メッセンジャーアプリである、LINEはここ数年で急成長を遂げた存在だ。LINE自身、個人間のコミュニケーションを便利にしたと自負しており、実質上コミュニケーションインフラとして電話などと並ぶ存在に成長している。

LINEのアクティブユーザー数は日本だけでも6600万と、人口のほぼ半分以上を占めるに至っている

企業でもLINEを重要視して活用するようになっており、「LINE@」や「LINEビジネスコネクト」といったサービスを採用する企業が急速に増えている。こうした企業では単なる顧客とのコミュニケーション窓口としてだけでなく、マーケティングやペイメントといった分野にまでその利用は拡大している。LINE自身も現在売上の約4割を法人ビジネスが占めるに至っており、今後もB2Bに積極的にフォーカスしていくとしている。

ヤマト運輸はBotを使った配達通知など、ローソンは公式アカウントにAIを活用するなど、LINEを活用する企業の例は日に日に増えている

一方、LINEは個人間のコミュニケーションと異なり、ビジネスシーンでのコミュニケーションはまだまだ旧来の方式が幅を利かせていると指摘する。紙の書類に押印する必要があるせいだとも言えるが、手紙や電話、FAX、電子メールが未だに主流なのが実情だ。進んでいる会社であれば、ここにビデオ会議や社内向けのメッセージングサービスが加わるだろうか。いずれにしても普及率は低く、またPCでしか利用できないサービスも多い。

そこでLINEがワークスコミュニケーションズと提携し、ビジネスコミュニケーションにおいてメッセンジャーの活用とモバイルへのシフトを図るサービスとして発表したのが「LINE WORKS」だ。昨年1月に「Works Mobile」という名前で企業向けメッセンジャーサービスの提供を開始してきたが、今バージョンで、すでに浸透しているLINEというサービスとの関係性を強調する「LINE WORKS」にリブランドする。