ドワンゴは2月22日、プロ棋士と将棋ソフトが対局する「電王戦」を、今春の第2期をもって終了すると発表した。電王戦への出場者を決める「叡王戦」自体は継続するという。同社の川上量生会長は、終了の理由を「人間とコンピュータが同じルールで真剣勝負をするという歴史的役割は終わった」と説明する。
最終戦となる第2期は、昨年「叡王戦」を優勝した佐藤天彦名人と、「第4回将棋電王トーナメント」を勝ち抜いた将棋ソフト「PONANZA」が2番勝負で争う。第1局は日光東照宮(栃木県)で4月1日に、第2局は姫路城(兵庫県)で5月20日に行う。
電王戦は2011年に、米長邦雄永世棋聖と将棋ソフト「ボンクラーズ」の対局としてスタート。16年からは第1期電王戦と銘打ち、“人間代表”を決める叡王戦の優勝者と将棋ソフトの代表を決めるトーナメントの覇者が激突している。
川上会長は、ドワンゴが電王戦を始めた経緯を「将棋界だけでなく社会全体でAI(人工知能)と人間がどういう関係かを示すために始めた」と話す。「電王戦はある意味で異種格闘技戦。AIと人間が付き合う上で、人間側のルールでの比較を前提としている。その考え自体がナンセンスで、もっと違う考え方をしなければならない」という。
「AIが人間よりも優れていると解釈している人もいるが、そうだとは思わない。人間が優れている点もあることを世の中に示すには、いまある電王戦を続けるべきではない」(川上会長)
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