ヤマト運輸が日本発タイ向けの「国際クール宅急便」を開始

ECのミカタ編集部

ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)は4月17日(月)より、日本発タイ向け一貫保冷小口輸送「国際クール宅急便」の販売を開始することを発表した。

国際クール宅急便としては香港、台湾、シンガポール、マレーシアに続き、5カ国目の進出となる。近年タイ国民の日本入国ビザが免除になったため、タイからの観光客が年々増えており、日本食の人気が高まっている。タイ政府による健康促進対策の実施もあり、国民の健康志向が高まる中、安全性が優れている高品質な日本食材を求めるニーズが高まっている点も追い風となっている。日本の味を求める消費者をターゲットに、多くの日本食レストランがタイへ進出している背景もあり、タイでのクール便需要は今後増加していくと思われる。

スピーディーで高品質な配送

これまでヤマト運輸は香港、台湾、シンガポール、マレーシア向けに国際クール宅急便を展開してきた。沖縄県、ANA Cargoと連携し沖縄国際物流ハブを活用しており、スピーディーで高品質な一貫保冷小口輸送を可能にしてきた。今回、新たにタイへ展開することにより、日本食ニーズや日本の農水産品の輸出拡大に大きく貢献することとなるだろう。

取り扱い荷物サイズと料金

取り扱い荷物サイズと料金

日本発タイ向け国際クール宅急便の特長としては日本全国のセールスドライバーによる集荷や宅急便センターへの持ち込みで、荷物1個から発送できるという点。日本の「クール宅急便」と取り扱いサイズも同じであり、日本食の人気が高まるタイへ手軽に発送できるという点においても、ビジネスチャンスが大きく広がりそうだ。

配送可能地域と時間

配送可能地域と時間

また、24時間通関が行える沖縄国際物流ハブを活用した国際間のスピーディーな輸送により、最短で翌々日の午前中から店舗や自宅へ届けることが可能となる。まだバンコク市内への配送のみとなるが、こうしたスピード感もヤマトグループのネットワークによる一貫小口保冷輸送が可能にし、世界との距離を縮める新たな手段となり得る。

受付開始日と今後の展開

受付開始日は平成29年4月17日(月)からとなっており、翌々日の午前中にはバンコク市内へ到着する。
ヤマト運輸はサイアム・セメント・グループと合弁会社を設立し、タイ国内での宅急便サービスも開始。急速にタイでのシェアを拡大している。今後の展開としては、まだバンコク周辺でのみのサービスであるため、配送地域の拡大が急務であることと、タイに先駆けて配送が開始されている先述の4カ国間同士でも荷物の動きを活性化させること。これらが解消してくれば、アジア圏での日本食をはじめとした文化の拡大や、製造業などもさらに活発に動き出すだろう。

日本の文化の浸透とともに、タイの顧客も創出されれば、おのずと越境ECの必要性も高まってくる。そこでこのようなインフラ整備がされることによるメリットは大きい。ますます物流面において世界とのタイムラグはなくなってきており、「旬」を大切にしてきた日本という国の重要度はますます高まっていくのではないだろうか。


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