米Amazon.comが中東の大手ECサイト「Souq.com」を買収することで両社が合意したと、英Reutersが現地時間2017年3月22日に報じた。Amazon.comは同買収により、急成長する中東EC市場での足がかりを得る。

 Souq.comはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を置き、UAEのほかサウジアラビア、クウェート、バーレーン、オマーン、カタール、エジプトでサービスを展開している。

 2005年の創業以降、調達した資金は合計4億2500万ドルにのぼり、昨年2億7500万ドルの調達に成功した投資ラウンドでは、企業価値は10億ドルと見積もられた。

 Amazon.comがSouq.com買収に向けて交渉していることはすでに2016年11月に報じられていた。Souq.comは当初、30%以上の株式売却を計画していたが、Amazon.comは全資産の取得を希望し、約10億ドルを提示したと伝えられた。

 しかし、関係筋の話ではSouq.comの企業価値は下がっており、合意条件の買収額は10億ドルを下回るという。関係者は金額を明らかにしなかったが、英Financial Timesは6億5000万~7億5000万ドルと報じている。

 米Fortuneは、「この買収でAmazon.comが獲得するのは、強力な当地ブランドと中東EC市場における早期の指導的地位、現地の専門知識に長けたチームだ」とするアナリストの意見を紹介している。