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不思議の国

SEが住んでいるところ、そこは不思議な不思議なお国柄です。
新たな国民として移住してきた人、特産物のシステムを買いに来た人など色々な人がこの国には存在します。
しかしこの国で話される言葉は 独特 です。

ぱっと聞いただけでは意味がわからなかったり、よく似た表現であっても微妙にニュアンスが違っていたり。
似たような表現を使い分けるその裏に、その人の意図や省略された文脈が隠されていたりもします。
どこの国でもコミュニケーションを間違うと非常に厄介ですが、そんなことにならぬよう、 お国言葉らしきもの をまとめてみました。
SEを代表例として、このお国言葉を話す人も、話される人も、改めて言葉の意味合いを見つめなおしてみると新たな気付きが得られるかもしれません。

なお、そんなことから 「絶対にSEしか使わない用語」を集めたわけではない のでその点ご了承くださいませ。

他言語版

@microstone さんが別サイトにて中国語版に翻訳してくれました!

動詞

微妙な表現の差にも、実は細かな状況の違いが隠れています。
あまり考えたことはありませんが、システムを擬人化して主語に据えるのもお国柄のひとつです。

用語 読み 解説 用例
渡す わたす データを送信すること。送信先に対してデータが正しい形式なのかに気を遣っている。引数は渡しちゃう。 パラメータを 渡して プロセスを起動する。
投げる なげる データを送信すること。送信先に対してデータが正しい形式なのかは大まかにしか考えていない。大まかに、という点で例外は「渡す」ではなく「投げる」と言われる。 集計APIにCSVでデータを 投げる と集計結果が返ってくるよ。
配る くばる サーバがデータをクライアントへ送信すること。プッシュ型の動き。「渡す」と状況的に似ているが、「配る」の場合はクライアントが多数存在する状況が想定される。 マネージャサーバが定義データを毎日 配る
取りにいく とりにいく クライアントがデータをサーバから取得すること。プル型の動き。 クライアントがデータを 取りにいく
開ける あける サーバやファイアウォールにおける通信を許可すること。 UDPの53番を 開け 忘れてた。
閉じる とじる サーバやファイアウォールにおける通信を禁止すること。 22番を 閉じ たらログインできなくなって泣いた。
入る はいる サーバなどにログインすること。まるでサーバが家のよう。 22番を閉じたら 入れ なくなって泣いた。
立てる たてる サーバを構築すること。家のようなサーバですが多くの場合、「建てる」ではありません。DNSやLDAPを立てる場合が特に多いです。 あいつは家にDNSを 立ててる 変態だ。
引く ひく 主としてDNSレコードを問い合わせること。正引きと逆引きがある。意味合いとしては「辞書を引く」と同じ。 「サーバにつながらないです。」「確認だけど、名前は 引ける ?」
丸投げ まるなげ 仕事を全て任せること。相手に対して仕事が任せられる状態になっているのかは大まかにしか考えていないことが多い。 もうダメだ、あいつに 丸投げ する。
転がる ころがる 何気なく存在していること。特に動きがあるわけではないが、なぜか転がってると言ってしまう。 そこら辺に 転がってる サーバでなんとかします。
食べる たべる データを取り込ませること。 ログを監査のために 食べ させている。
食う くう システムやプログラムがリソースを占有すること。 ちょっとこれメモリ 食い 過ぎでしょ。
吐く はく データが出力されること。内容は見てみるまでわからないがなんだかよくないものの予感はしている。 吐かれた ログを確認する。
喋る しゃべる あるプロトコルに従ってデータの送受信を行うこと。 最近のBIOSというかUEFIはIPを 喋れる ので直接アップデートがダウンロードできる。
言う いう メッセージやログを出力すること。 なんて 言って 落ちてるの?
舐める なめる データを走査的に参照すること。SELECT * 的な全走査である場合が多く、あまりスピードは問わない。 そのバッチでは日次でテーブルを 舐める
抜く ぬく データの一部分を取り出すこと。何らかの調査を行う際に使われることが多い。 障害時刻の前後1時間分のログを 抜いて きて。
こぼす こぼす データに漏れがあること。要件だろうがログだろうが、取りこぼしは大体まずい。 設計ミスで毎日1時間分のログを取り こぼし てました...。
逃がす にがす データに別の場所に移すこと。喪失の恐れがあるデータが対象となることが多い。 同じことが起こる前にログを 逃がし ておいて。
怒られる おこられる 処理が失敗したり、警告終了すること。コンパイルエラーなど、「コンピュータに誤りを指摘される」ことのイメージが強い。 できたと思って実行したらいっぱい 怒られた
コケる こける 処理が失敗すること。処理に必要なデータがないなど、負荷による失敗を指すことは少ない。 ログ収集バッチが コケた
落ちる おちる サーバやプロセスが停止し、システムの稼働に異常をきたすこと。負荷が原因である場合を指すことが多い。いわゆるダウン(down)。 Webサーバが 落ちた
死ぬ しぬ サーバやプロセスが停止すること。猫のように死ぬ瞬間は見られない。 また 死んで たんだけど。
生きる いきる サーバやプロセスが起動していること。状態確認ワード。 サーバに入れないんだけどそもそも 生きて るの?
上がる あがる サーバやプロセスが(自動で)起動すること。いわゆるアップ(up)。後述の「上げる」とは人とマシンの関係性が異なる。 サーバを上げると色々なプロセスが 上がる
蹴る ける 仕事を断ること。そもそも論としておかしな仕事が来た場合に使われる。 ウチがやるのもおかしな話なので 蹴った
キックする きっくする ジョブスケジューラがジョブやコマンドを実行すること。人がジョブをキックするとはあまり言わない。 25:00にジョブが キック される。
叩く たたく 人がジョブやコマンドを実行すること。ジョブスケジューラがジョブを叩くとはあまり言わない。英語で言うとhit。こちらも参照。 とりあえずpsコマンド 叩いて みて。
呼び出す よびだす 何かが処理を実行すること。英語のcallからきており、「何が」「何を」というSVO的な関係を明示するときに使われる。 この処理は元々誰が 呼び出し てるの?
走る はしる 処理が実行されること。一連の処理系の中で自動で実行されていく部分を指すことが多い。 FTPでファイルの送受信があるとウイルスキャンが 走る
流す ながす 処理を実行すること。バッチなど複数の処理の起動を指すことが多い。 データ変更バッチを 流す
回す まわす 処理を継続的に実行すること。バッチなどの処理が定期的に実行される状態を指すことが多い。 2,3日 回して 様子をみてみようか。
張り付く はりつく CPUやメモリなどのリソース使用率が高い水準で推移し続けること。 CPUがずっと100%に 張り付いて いる。
固まる かたまる 反応がなく、プロセスなどのコントロールが効かなくなっていること。いわゆるハング。 DBが 固まった
固める かためる ファイルを圧縮またはまとめること。 とりあえず必要なログを 固めて 持ってきて。
掘る ほる ディレクトリを新しく作成し、階層を深くすること。 エラーログはもう1つディレクトリを 掘って そこに吐かせて。
這わす はわす ネットワークケーブルを床下から配線すること。目に見えない状態なのがポイント。 「ここの配線ってどうするの?」「床下を 這わせ ます。」
垂らす たらす ネットワークケーブルを天井から配線すること。「這わす」は配線全体の様子を指しますが、これは天井から垂れてる部分だけを指します。 「ここの配線ってどうするの?」「天井から 垂らし ます。」
焼く やく データを光学メディアに書き込むこと。 そこのサーバは外部ネットワークに繋がってないからインストーラは 焼いて いってね。
掴む つかむ プロセスなどがリソースを使用しており、当該リソースを解放できないこと。人の場合は大体Excelを掴む。 ファイルが 掴まれ ててアンマウントできない。
奪う うばう ログインセッションなど、リソースの使用権を得ること。「掴む」と違って後出しじゃんけんで勝てるのが特徴。 「画面共有してもらっていいですかー?」「はい、画面 奪い ますねー。」
響く ひびく 顧客に伝えた内容に共感が得られること。後述する「刺さる」と比べると、感心を伴っている場合に使われることが多い。 「今日の提案どうだった?」「昨日直してもらったところが特に 響いて ました笑」
握る にぎる 誰かと事前に合意すること。正式ルートでの依頼をスムーズに進めるための技術。 納期ってもう 握れ てる?
握りつぶす にぎりつぶす プログラムなどでエラーを抑制または隠蔽してしまうこと。 catch(e){} とか 2>/dev/null みたいなやつです。 これエラー 握りつぶし てんじゃん...(ドン引き)
踏む ふむ 悪いものに遭遇すること。「地雷を踏む」と同義なので、できれば使いたくない。 「原因わかった?」「バグ 踏み ました。」
枯れる かれる 不具合が出尽くすこと。新しいものは良くも悪くも改善の余地を残しているため、安定性のために枯れるのを待つことも多い。 最新バージョンはバグを踏む可能性があるので、 枯れた 前バージョンにしよう。
ネゴる ねごる 誰かと事前に合意しようとすること。ネゴって握る。negotiate(交渉する)が元ネタ。 先に ネゴ ってきて。
ゴネる ごねる 交渉に抗うこと。きちんとネゴってダメならあとはゴネるしかないです。 お金で ゴネ てサポートを延長してもらった。
倒す たおす 方針を選択すること。 この件は安全な方に 倒し たい。
倒れる たおれる Act-Standby構成のシステムにおいて、Act側の障害などにより処理がStandby側に移ること。Failover。 主系が落ちて副系に 倒れ て動いてるみたい。
サチる さちる リソースの使用量が高まり、残りがなくなること。saturate(飽和する)が元ネタ。知名度は低い。 ネットワークが サチ ってる。

複数の意味があるもの

同じ表現ではあるものの、文脈によって意味が変わるものもあります。
「落とす」「上げる」が顕著ですが、由来となる英語が異なるにも関わらず同じ日本語訳を採用しているケースがほとんどです。

用語 読み 解説 用例
紐付く (1) ひもづく あるデータに他のデータが対応すること。1対1の場合、1対多の場合の両方がある。 マスタとの 紐付き がおかしいんじゃないの。
紐付く (2) ひもづく 人が特定のプロジェクトや顧客を担当し、仕事をしていること。SEというよりは特にSIer用語。 佐藤さんって今 紐付き あるの?
飛ぶ (1) とぶ メッセージが送信されること。アラートやリクエストは飛ぶもの。 動かした途端にアラートが 飛んで きた。
飛ぶ (2) とぶ データが消えること。 オンメモリDBだと落ちたら 飛んじゃう
通る (1) とおる 処理が成功すること。何度も怒られたりコケたりした果ての成功を指して特に使われる場合が多い。 やっとコンパイルが 通った
通る (2) とおる レビューが完了すること。試行回数はあまり関係がない。 やっとレビューが 通った
殺す (1) ころす コントロールが効かなくなったプロセスなどをkillすること。 とりあえずプロセスを 殺して みよう。
殺す (2) ころす システムやプログラムの機能を無効化しておくこと。 圧縮は圧縮で負荷がかかるから 殺して おこう。
切る (1) きる ディレクトリなどを作成し、リソースの使用領域を区切ること。 /26でサブネット 切って 使うことにしよう。
切る (2) きる JIRAやRedmineなど、プロジェクト管理ツールにおいてチケットを発行すること。 忘れないようにチケットは 切って おいて。
刺さる (1) ささる 製品などの提案が提案先にマッチすること。前述の「響く」に比べると、期待通りな様子を表現する印象がある。 そんなの持って行って 刺さる の?
刺さる (2) ささる プロセスのコントロールが効かなくなること。「固まる」と似ているが、対象が小さめであり「OSが刺さる」とまでは言わない。知名度は低めだが根強いファンがいる。 プロセスが突然 刺さって 見当もつかない。
はまる (1) はまる 技術的に適合すること。刺さるは提案として適合することを指すが、はまるは技術的に適合することを指す。 RDBよりもKVSが今回はよく はまる
はまる (2) はまる 技術的に苦しむこと。特に進捗がない状態を表す。 変数名が微妙に違っていて今日一日 はま ってた。
ハマる (3) はまる 夢中になること。一般的に「はまる」といえばおそらくこれだが、なぜかカタカナで書かれることが多い。 最近bot作りに ハマ っている。
負荷 (1) ふか CPUやメモリの利用率。 Webサーバの 負荷 が高くて重い。
負荷 (2) ふか 人の忙しさ。稼働(率)で言い換えることもできる。 今月は 負荷(稼働) が高い。
重い (1) おもい CPUやメモリリソースの逼迫により、処理が通常以上に遅くなること。 朝のメールは 重い
重い (2) おもい CPUやメモリリソースを多く占有すること。 RDBでのカラム集計は思った以上に 重い 処理。
落とす (1) おとす サーバやプロセスをシャットダウン(shutdown)すること。 使い終わったら 落として おいて。
落とす (2) おとす ファイルをダウンロード(download)すること。 ベンダーサイトからパッチを 落として おいて。
落とす (3) おとす 組織的に上から下へ情報を伝達すること。組織図において横に存在する組織と直接やりとりすることが危険な雰囲気や内容の場合、両者の上位組織が一致するところを経由するテクニックが必要。 この方針を上から 落として もらっていいですか?
上げる (1) あげる サーバやプロセスを起動(boot)すること。再起動のことは「落とし上げ」といいます。 上げる 前にLBから切り離そうか。
上げる (2) あげる ファイルをアップロード(upload)すること。 サポートサイトにログを 上げて QAして。
上げる (3) あげる 上司や別チームなどへ報告すること。由来であるescalateのうち「上申する(エスカレする)」意味で使う場合と、そうでない場合とで温度感が異なる点に注意。 サービス障害だから速やかに上に 上げて

名詞

技術業界ですから専門的な固有名詞が多いです。
が、以下のように一般名詞が独特の切り口で使用されたりもします。
最近は人の流動性が上がったのでルーツを意識しづらくなりましたが、 日立用語 というものも存在します。最近では「業界で広く」って印象でもないのでこちらでは「拝承」だけに止めておきます。興味のある方はぜひ調べてみてください。

用語 読み 解説 用例
ひと サーバやアプリなどシステム構成図に出るもの。擬人化ついでに流れでつい言ってしまう系なので用語という感じではないかもしれない。風習に近い。 この の処理が終わるとここのフラグが立ってるはずなんだけど。
おや 親プロセスや親ジョブ。当然ながら、話題の中に子の存在が予見される。 って生きてるの?
子プロセスや子ジョブ。当然ながら、話題の中に親の存在が予見される。 がみんな死んでるんだけど。
ゾンビ ぞんび ゾンビプロセス。プロセスの処理が完了し、もはや何もしていないにもかかわらず、プロセステーブル上は残ったままになっているプロセス。ちゃんとしたUNIX系用語。もう殺すしかない(しかし既に死んでいる)。 ゾンビ がいるっぽい。
ほげ ほげ hoge。コンセプトプログラムなど、例え話であることをアピールしたいときに使う名詞。アカデミックには メタ構文変数 という。日本語のメタ構文変数であり、hoge/fuga/piyoと続く。英語だとfoo/bar/bazと続く。 メソッドに ほげほげ って書いていくと思うんだけど、あまり長すぎると見通しが悪くなるので、メソッド名とバランス取ってある程度のところで分割するといいよ。
お尻 おしり 期限のこと。「ケツ」と言ったりもする。 お尻 ってずらせないの?
外出し そとだし 機能や役割を分離すること。設計テクニックの文脈もあれば、案件のスコープの話でも使われる。 その部分は汎用的だし 外出し したら?
幸せ しあわせ 関係者にとってよいこと。「うれしい」よりは人向けに使うことが多い。 「納期さえずらせればみんな 幸せ になれるんだけどね~」
着火 ちゃっか ある処理を開始させること。発火ともいう。英語で言うところの Trigger からきている。決してキャンプの話をしているわけではない。 そこの処理って誰が 着火 してるの?
押下 おうか ボタンなどを押すこと。手順書ワード。 決定ボタンを 押下 して次に進みます。
突合 とつごう データを突き合わせること。どちらかというと手順書ワード。 アクセスログとシステムログを 突合 して時系列を追う。
打鍵 だけん キーボードの1キーを押すこと。普段は「叩く」としか言わないのに、手順書だとこうなる。 Enterキーを 打鍵 して次に進みます。
結線 けっせん 線を結ぶと書きながら、LANなどのケーブルを端子に差し込む物理的な動作を指す。論理的には確かに結線で間違いない。ちなみに逆は抜線。こっちは動作と合ってる。 明日はDCで 結線 してきます。
案件 あんけん 仕事、特にプロジェクトなど一連のまとまり。 佐藤さん、これまでどんな 案件 やってきました?
知見 ちけん 「わかったこと」の真面目な表現。 この案件で得られた 知見 は?
ポンチ絵 ぽんちえ 資料中にある補助的な挿絵。システム構成図など。暗に「理解できれば雑でもよい」という品質水準を示すことが多いが、官公庁ではポンチ絵の品質が大事である場合もある。 今回の構成を ポンチ絵 で入れておいてくれる?
マンガ まんが ポンチ絵と同義だが共存しないことが多い。「まんが」でもなく「漫画」でもない。マンガ。 今回の構成を マンガ で入れておいてくれる?
ペライチ ぺらいち すぐ作れる簡単な資料のこと。クオリティのハードルを下げる表現なので、必ずペラペラな1枚にまとめなければいけないわけではない。 さっき報告してくれた内容、 ペライチ でいいからこの後の会議資料に足してくれる?
マサカリ まさかり 技術的/学術的正当性に基づいた、発表などに対するぐうの音も出ない強い正論や鋭い問いかけ。運が良ければ致命傷で済みます。 社外勉強会で発表したらコアコミッタから マサカリ が飛んできた。
拝承 はいしょう 「承知しました」と同義。最も有名な 日立用語 で、日立以外だと稀にネタで使う人がいる(ので厳密には広くSE用語と呼べるものではない)。 拝承

形容語など

不思議の国の住民は意外と擬音語などの形容語も好みます。お茶目ですが、やはり意味が込められているので侮れません。

用語 読み 解説 用例
くるくる くるくる 繰り返しなにかを行うこと。 リクエストのたびに処理が くるくる 動く。
ぐるぐる ぐるぐる 動いているように見えるものの、動いている感じがしないもの。 ずっと ぐるぐる してるんだけど...。
ぽちぽち ぽちぽち GUIなどで内容を選択していくこと。特に難しい内容ではなく、頭は使わない。 ぽちぽち やればできる簡単なインストール。
えいや えいや 思い切ってやること。8割方大丈夫。 えいや で実行してみよう。
がっちゃんこ がっちゃんこ 何かと何かを繋げること。7割方大丈夫。 その後に新システムと がっちゃんこ する必要がある。
まるっと まるっと 全体的に。丸投げと違ってお願いの局面で使われることが多い。 調整から まるっと お願いしていい?
よしなに よしなに いい感じに。多くの場合、色々な信頼を前提とした表現。 よしなに お願い。
ざっくり ざっくり 大まかに。ざっくりでも言ってもらわないと話が進まない場合も多い。 ざっくり どれくらいでできそう?
さくっと さくっと 簡単に。スキルレベルによってさくっとレベルは異なる。 それくらいなら さくっと やっておきますよ。
ガバガバ がばがば セキュリティ的な対策が全くといっていいほど施されていないこと。エラーハンドリングが甘いコードにも使われることがある。 開発環境とはいえ ガバガバ なのはどうかと思う。
ガチガチ がちがち セキュリティ的な対策が過剰なまでに施されていること。 ガチガチ にしたいのは分かるけどあんまりだ。
カツカツ かつかつ リソース面でいっぱいいっぱいなこと。珍しくヒトにもモノにも使われる。 今月はもうずっと カツカツ
じゃばじゃば じゃばじゃば リソース面でとても余裕があること。ヒト、モノ、カネの全てに使われる。 メモリは じゃばじゃば だから気にしなくていい。
じゃぶじゃぶ じゃぶじゃぶ じゃばじゃばに同じ。好みの問題だが、じゃばじゃば派にじゃぶじゃぶを言っても通じるし、逆も同じ。やさしい世界。 お金は じゃぶじゃぶ なのにつらいなぁ。
カリカリ かりかり (主に性能面で)研ぎ澄まされていること。 カリカリ にチューニングされたWebシステム。
ガリガリ がりがり 比較的単純な処理だが記述量が多いこと。 ガリガリ 書けばいいだけの話なんだけど、なんだかやる気がでない。
ゴリゴリ ごりごり 力技を使って強引にやりたいことを実現すること。 昔の偉い人が ゴリゴリ 書いたSQLが読めない。
しこしこ しこしこ 地道にやりたいことを実現すること。隙間時間を使うことが多い。 面倒だけど しこしこ 作りました。
ちくちく ちくちく 地道に作業を行うこと。隙間時間を使うことが多い。 ちくちく ログを追っかけてる。
ぺちぺち ぺちぺち なんとなくキーボードを叩いて作業をすること。ぼんやり感もある。最近のMBPキーボードも感触的にはぺちぺちする。 やる気が出なくて ぺちぺち コーディングしてた。
だらだら だらだら 特に重要でもないものが次々出てくること。 ログレベルを変えたのでログが だらだら 出てくる。
どばどば どばどば 重要かどうかはまだわからないが、なんとなく重要そうなものが次々出てくること。 ログが どばどば 出てきてやばい気がする。
ペコペコ ぺこぺこ 小さなデータが次々くること。人が意思を持ってデータを送っている場合が多い。 リクエストが ペコペコ 飛んでくる。
ベコベコ べこべこ 中くらいのデータが次々くること。人が意思を持ってデータを送っている場合が多い。 リクエストが ベコベコ 飛んでくる。
ポコポコ ぽこぽこ 小さなデータが次々くること。人の意思に関わらずデータが送られる場合が多い。 ファイルが ポコポコ できる。
ボコボコ ぼこぼこ 中くらいのデータが次々くること。人の意思に関わらずデータが送られる場合が多い。 ファイルが ボコボコ できる。
ヌルヌル ぬるぬる 画面遷移などがスムーズにストレスなく動くこと。対義語はカクカク。 思った以上に ヌルヌル 動くね。
サクサク さくさく 画面遷移などがスピーディにストレスなく動くこと。対義語はもっさり。 サクサク 動いて気持ちいい。
ばつん ばつん 突然処理が終了すること。 何の前触れやログもなく ばつん と落ちては調査に困る。
ぶちん ぶちん 突然ネットワークが切れること。ネットワークがばつんと切れることもあるが、処理はぶちんと落ちない不思議。 ログインしてたのに ぶちん と切れた。
うれしい うれしい メリットがあること、または合理的であること。後述するように、システムを人扱いすることが多いからかこんな表現になる。 「その人から見て、ジョブが同時に走るのって うれしい の?」「確かに遅延起動にしておいたほうがいいですね。」
イケてない いけてない 機能充足はしているものの、設計や実装がよくないこと。逆の表現は当然「イケてる」ですが、あまり使われません。 動くとは思うけど、 イケてない ね。
気持ち悪い きもちわるい 事実としては受け入れるものの、納得できないこと。 そこで落ちるのは 気持ち悪い
クセがある くせがある 過去の経験を踏まえ、扱いが難しいと感じられること。一方、その分野が初めての人にとってはクセもなにもない。 起動や停止の手順に クセがある

会議ワード

会議の中で出てくるとドッキリするワードがあります。
できるSEであればこうした独特な会議ワードから雰囲気を感じ取り、臨機応変に振る舞うことができます。
とはいえ、これらはSE用語というより オトナ語 と呼ばれるものも多いでしょう。

用語 読み 解説 用例
温度感 おんどかん システム利用者の困っている度。高いほど困っている。実際には困っていたら大体怒っているので、怒っている度といって概ね差し支えない。温度ではなく温度感であることに注意。 障害らしいけど 温度感 どうなの?
○○感 ○○かん 「正確ではない」ことをアピールするための表現。確約はしていない。 スケジュール感 ってどんな感じですか?
多分 たぶん 違和感を感じているものの、明確な理由がない場合に使います。障害対応の初期にはよく聞かれる言葉ですが、できるSEにおいては結果的にその推論で合っていることも多いです。 多分 ログローテートで取りこぼしがあるんだと思う。
大体 だいたい 多分に似ていますが、こちらのほうが真実に近づいています。 大体 わかってきた。
ほぼほぼ ほぼほぼ 「ほぼ」より確度が高いことに加え、ベストエフォート的な対応の経過努力を前向きに示したい場合に使います。 ほぼほぼ 対応が終わっています。
いまいま いまいま まさに今現在を指す場合に使います。プロジェクトによっては、1点ではなく期間を指す場合もあることに注意してください。 いまいま は問題ないですが、来週までにやっておく必要があります。
近々 きんきん いまいまとは異なりますが、実質的な意味はほぼ同じです。近々は期間を指す言葉であるため、少し意味が異なる場合があるかもしれません。 現在のタスクがあるため、 近々 に対応します。
喫緊 きっきん 近々と似た音感ですが、「 差し迫っている 」状態の表現です。近々と聞き違えてしまうと、温度感に差異が生まれ、誤解のタネになるかもしれません。 喫緊 の課題として、今日中に最低限暫定対応を終えなければならない。
先々 さきざき 中長期のこと。近々などと対比して使われます。 先々 のことを考えると、早めにやっておきたい。
おいおい おいおい そのうち。必須ではないことをゆっくりやっていく場合の表現。 手順書は おいおい 作っていこうか。
検討課題 けんとうかだい ほとんどの場合、「面倒だから今考えたくない」の言い換えです。待ってても状況は好転しないのでやる気の問題と言えます。 いまいまの対処は難しいですが、これは 検討課題 として残しておいたほうがいいと思います。
叩き台 たたきだい 検討の素案。資料などの推敲を「叩く」と表現することがあります。 ざっくりでいいので 叩き台 作ってきてくれる?
壁打ち かべうち 初期検討を支援すること。アイデアを具体化するには言語化や抜け漏れのチェックが必要ですが、そういった初期検討を先輩だったりに付き合ってもらうことを指します。 叩き台作るまでの 壁打ち に付き合ってもらっていいですか?
ボール ぼーる タスクのこと。関係者間でやるべきことを順次進めていく様がキャッチボールに例え、「次のタスクを担当する」ことを「ボールを持つ」と言ったりします。同じ意味で「球を持つ」と言ったりもします。 これって今誰が ボール 持ってるの?
プッシュ ぷっしゅ 催促。先方に依頼しているタスクに動きがないとき、連絡をとってやんわり催促すること。ボールを持ったままだといずれプッシュされる。 あれって忘れられてない?佐藤さんに プッシュ しといて。
運用でカバー うんようでかばー 問題をシステム的に解決することが難しい場合、運用方法を変えたりすることで問題の発生を回避しようとすること。名詞的にいう場合は「運用回避」という。引き継ぎが曖昧な場合は本来の意図が失われ、やがて儀式かまじないのような位置づけになる。 管理台帳に項目を追加する 運用でカバー しよう。
ハネる はねる とある事象がコストやスケジュールに負の影響を与えること。 こんなタイミングなのでさすがにコストに ハネ る。
1.0 いってんぜろ 1.0人月ないしは100%のことで、特定の仕事に専念すること。 それって 1.0 でやるイメージ?
兼務 けんむ 1.0を配分し、複数の仕事を担当すること。足して1.0になるよう兼務したとしても、実態がそうなるのは稀なので兼務には注意しろと田舎のおばあちゃんがよく言います。 兼務 でフォローしてくれる?
人格 じんかく 立場のこと。複数部署に兼務していると、同じプロジェクトに複数の立場で関わることがあります。色々な決め事に対して、立場によって言うべきことが変わるケースもあるので、「立場を変える」ことを「人格を変える」と表現したりします。 それ、どの 人格 で言ってるの?
ネック ねっく ボトルネック。主に性能や作業進行など、スループット上の問題点を明らかにするために使う。日本語だと「律速」というらしいが聞いたことがない。 結局、何が ネック なの?
マター またー 問題のこと。とはいえ「問題」を「マター」に交換して意味が変わらないかというと、多くの場合そんなことないので注意。人や技術、お金など、問題のカテゴリを話題にしたいときに使われます。どちらかと言えばネックに近い表現。 マター ?お金なら出す方向でいいんだけどそうでもないってこと?
決めの問題 きめのもんだい 方針や方式などの選択について、どの選択肢にも特段の優位性がない状態のこと。 決めの問題 なのでえいやで決めましょう。
正直ベース しょうじきべーす 相手が言いづらいであろうことを見越してハードルを下げて聞く表現。 正直ベースで いいんだけど、間に合いそう?
なるほどですね なるほどですね 「なるほど」に同義。「なるほど」だとなんだか上から目線に聞こえるからか、丁寧にした表現。人によっては「よくわからないが前向きに受け止めよう」という意思の現れに使う場合もある。 「ここの処理だけど、判定を後回しにしても業務的に問題ない気がするんだよねー。」「 なるほどですね。 次回の定例で検討しましょう。」
理解です りかいです 対象の話題について、頭の中でよく整理して理解できたという意思の現れ。これ単体でどうこうというより、前述の「なるほどですね」と使い分ける場合に「理解です」の意味合いが際立ちます。 「さっきの打ち合わせの通りだけど、こちらの対応が終わったら改めて依頼かけます。」「 理解です。
理解理解 りかいりかい こちらも理解できたという意思の現れを指します。こちらは全体的にわかっているが、あるポイントだけピンときてない状況で、それが解決した場合に使います。 「結局のところ、この件ってコスト優先でやらない判断になったってことですよね?」「Yes」「あー、 理解理解
嘘をつく うそをつく 間違ったことを言うこと。そんなつもりではないのに自分から嘘認定してしまう不思議。 「すみません、さっき 嘘つきました 。ここの処理は並列で走るみたいです。」
一瞬だけ いっしゅんだけ 口頭で何かを少し話したい時に使う枕詞。大体は最低5分位かかってしまう。 一瞬だけ 。この件なんですが、これで合ってますよね?
ごめんなさいする ごめんなさいする 謝罪すること。別チームではあるが同じ部内であるなど、比較的近い間柄における謝罪に使用される。ミスをうやむやにせず、ちゃんとごめんなさいすることは健全な組織運営においては重要なこと。 僕もついていくからちゃんと ごめんなさいして こようか。
そもそも論 そもそもろん このワードが出る場合、現在議論している内容がそもそも間違っている可能性があります。気を引き締めましょう。 そもそも論 として、どうしてこの話してるんだっけ?誰が得するの?
言った言わない いったいわない 対立する両者の主張を裏付ける記録がなく、裁定がつかない膠着状態。簡単に言って地獄です。一度これを経験すると、議事録やメールなど、記録のありがたみが身に染みるようになります。 このまま話したところで 言った言わない にしかならないのでもうやめましょう。
刺される さされる 非を咎められること。大体刺してくるのは身内です。 部長報告の場でいきなり 刺される とは思わなかった。
で、いつできるの? で、いつできるの? 偉い人は良くも悪くも後ろを見ません。状況はさておき、気にすべきは仕事が終わるかどうかです。この短い質問に答えられるか否かで、緊急度を察知します。素直になりましょう。 で、いつできるの?
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