スマホのマイクから勝手に情報収集するゲームアプリ、多数発見

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  • author 湯木進悟
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スマホのマイクから勝手に情報収集するゲームアプリ、多数発見
Pushish Images/Shutterstock

そのゲームアプリ、本当に大丈夫?

いまやゲームは、スマートフォンやタブレットでプレイするのが普通の時代となってきました。無料で楽しめる秀逸なアプリも数多くあるものの、あるゲームをプレイするようになってから、やたらと自分をターゲットにした広告ばかり表示されるようになったとしたら、どうでしょうか? もしかして、だれかがゲームの向こうで自分を監視しているの…?

そんな不安が、いま北米では現実に。原因も判明して物議を醸しているようですよ。New York Timesの報じたところでは、スタートアップ企業のAlphonsoが提供する技術を採用するゲームアプリがインストールされたスマートフォンやタブレットから、ゲームとは無関係に収集された音声パターンを発見! ゲームユーザーが、どのようなテレビ番組や映画を好んで見ているのかを分析し、それに応じたターゲット広告を配信するビジネスの存在が浮き彫りになっていますよ~。

Alphonsoは、楽曲の一部を流すだけで、それが何の音楽なのかを識別可能なアプリを開発したShazam(シャザム)と提携。ユーザーのデバイスのマイクを常にオンにし、ゲームプレイ中はもちろん、ゲームをプレイしていない時間も周囲の音声を拾い集めては、Shazamへと送っているそうです。Shazamは、送られた音声データをもとに、ユーザーのテレビや映画視聴スタイルをフィードバック。ユーザーの嗜好に応じて、ぴったりのモバイル広告をターゲット配信可能なサービスが、Alphonsoから提供されているんだとか。

「広告にマイクがアクセスするのを許可」の表示を目にしただけでは、自分が(テレビで)フットボールを観ているかどうかを調べるためにいつも記録を送信しているとまでは、はっきりとユーザーには理解できないだろう。もっと明確に伝え、消費者が何が起きているのかがわかるように配慮するべきだ。

今回の報道を受けて、米消費者団体のConsumers UnionのJustin Brookman氏は、こんなふうにAlphonsoを批判しています。Alphonsoはユーザーが望まない場合、広告目的の音声データの収集をオフにできることや、人の会話の内容まで録音しているわけではないと弁明。しかしながら、実際にAlphonsoの技術を用いたゲームアプリを使っているユーザーからすれば、そこまで行なわれていたとは思いもよらなかったというのが正直な感想でしょうね。

Alphonsoの技術を用いたゲームアプリは、すでに判明しているだけでもGoogle Play Storeに250以上も並んでいます。App Storeでもいくつかは配信中ですよ。一般的なスポーツゲームや、キュートなキャラクターを用いたゲームなどなど、子どもたちがプレイするゲームアプリも少なくありません。ただスマホでゲームをするためだけにダウンロードしていたのに、勝手に我が家のテレビ視聴動向を探られていたことに初めて気づいて、複雑な気持ちになっているユーザーも多いのでは…?

スマートスピーカーも話題をさらってはいますけど、マイクが家庭での会話から物音まで、サービス提供側に常に筒抜けとなってしまう不安は尽きません。もはやプライバシーを守るのは至難の技という時代になってきたのかもしれませんよね。

Image: Shutterstock
Source: New York Times, Google Play Store

Sidney Fussell - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)