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田臥勇太が熊本で行なわれたBリーグのオールスターゲームに出場「1人でも多くの方に元気になって欲しい」

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元フェニックス・サンズで、現在はBリーグの栃木ブレックスに所属する田臥勇太が、1月14日に熊本県総合体育館で行なわれた「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2018」に出場した。B.BLACKの先発ポイントガードとしてコートに立つと、開始早々にノールックパスを披露。第3クォーターにはダブルクラッチを決めるなど、わずか9分半の出場ながら随所に見せ場を作った。2004年に日本人として初めてNBA公式戦の舞台に立ち、今は“Bリーグの顔”として活躍する37歳は、はたしてどんな思いで試合に臨んだのだろうか――。

熊本で開催できてよかった

――シーズン中とは違って、“楽しませるプレイ”というのは意識されましたか?

それしか考えてなかったです(笑)。こういう素晴らしいメンバーでプレイできるという、せっかくの機会なので。僕はみんなを活かすポジションなので、出来る限りそうしようと心がけていました。

――試合開始早々、昨季までチームメイトだった須田侑太郎選手(B.WHITE/琉球ゴールデンキングス)から、かなり厳しいマークを受けていましたね。

(須田からは)事前に「オールスターでは前から当たります。僕それしかできないんで!」と連絡が来ていたんです(笑)。久々にマッチアップしてみて、身体は強いし、良いディフェンスをするなと思いました。彼が沖縄で頑張っている姿を見るのは嬉しいし、今回こういう場で対戦できてよかったです。

――その直後には、逆にアイラ・ブラウン(B.WHITE/琉球ゴールデンキングス)のポストアップをガードした場面がありました。それも事前の“予告”があったのですか?

あれは予想外でした(笑)。アイラが会場を盛り上げようとしてやったことで、とても楽しかったです。

――今回のオールスターは2016年4月に起こった熊本地震の復興支援という側面があります。試合前日も熊本県益城町の仮設住宅を訪れ、被災した子どもたちと交流されましたね。

みんな元気で、楽しそうな笑顔を見せてくれたのが印象的でした。『明日の試合でエスコートキッズやります!』と言ってくれた子はオールスターを楽しみしていたようで、(熊本で開催できて)よかったという思いが強くなりました。(自分たちのプレイを通して)1人でも多くの方に元気になって欲しいし、そのためにもっと頑張っていかないとと思いましたね。

――地元・熊本ヴォルターズの小林慎太郎選手(B.BLACK)がMVPを受賞しました。

前半から頑張っていましたからね(注:第2Qだけで5本の3ポイントを成功)。ファンの彼への応援が凄くて、熊本で愛されている選手ということがよく分かりました。自分たちのチームからMVPが出てよかったです。

――来年は富山でオールスターが開催されることになりました。

各地で開催されることで、都心だとなかなか観に来られない人にも観戦のチャンスができるのはいいことだと思います。リーグもいろんなことに挑戦しているし、ファンの方々もぜひ楽しんでほしいですね。


会場に3242人が駆けつけた今回のオールスターには、田臥のほかにロバート・サクレ(元ロサンゼルス・レイカーズ/B.BLACK/渋谷サンロッカーズ)とニック・ファジーカス(元ロサンゼルス・クリッパーズほか/B.WHITE/川崎ブレイブサンダース)、2人の元NBA選手も出場。ダンクを連発したサクレは16点、13リバウンド、Bリーグで昨季得点王に輝いたファジーカスは得点こそ6点にとどまったものの、10リバウンドを奪って存在感を発揮していた。

試合は、終盤までもつれた接戦をB.WHITEが制し、123-111で勝利。MVPには地元の熊本ヴォルターズに在籍する小林慎太郎(B.BLACK)が受賞した。

取材・文: 大橋哲也


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