渡部 和章 2017/5/17 9:30

ECサイトで食品を即日購入する割合は47%、ファッションは32%、電子機器は17%――。

監査や税務などの事業を手がけるKPMGジャパンがこのほど実施した世界のオンラインショッピング実態調査で、消費者が「ECサイトで商品を見つけてから購入までにかかる時間」の傾向が明らかになった。

レポート名は「オンラインショッピングにおける消費者行動の実態」。50か国以上の国に住む15~70歳の消費者1万8430人に対し、オンラインショッピングにおける消費行動を調査した。

「ECサイトで商品を見つけてから購入までにかかる時間」は、例えば食品は「即日」が47%、「1週間未満」が37%、「1~2週間」が9%、「2~4週間」が4%、「1~3ヶ月」が2%、「3か月超」が1%。

化粧品は「即日」が29%、「1週間未満」が46%、「1~2週間」が15%、「2~4週間」が5%、「1~3か月」が4%、「3か月超」が1%だった。

KPMGジャパン調査、商品カテゴリー別に分類した購買までにかかる時間

商品カテゴリー別に分類した購買までにかかる時間(編集部が一部を加工)

購入までの期間が最も長かったのは電子機器。ユーザーは商品の機能や最新トレンド、最安値、キャンペーンの有無などを詳しく調べる傾向にあるため、購入プロセスが長くなったとみられる。

「衝動買い傾向(即日購入されやすい傾向)」は食品やビール、薬、アルコール、ペットフードなどが高い。一方、電子機器や贅沢日、家具、家電製品などは10~20%と低かった。

価格帯別でみると「100ドル未満」では「即日」と「1週間未満」の合計が77%に達しているのに対し、「500ドル以上」は「即日」と「1週間未満」の合計が54%にとどまるなど、商品の金額によって検討期間は大きく異なる。

KPMGジャパン調査、価格別に分類した購買までにかかる時間

価格別に分類した購買までにかかる時間(画像は一部を編集部が加工)

同報告書は「消費者にとって馴染みが深く価格も安い商品は、認知からコンバージョンへ直接移行するため『評価段階』がスキップされることがよくある」と指摘。

「オンラインショップの利用者が購入までに費やす平均時間は、世代との関連性よりも、商品カテゴリーや価格帯との関連性が強い」と結論づけている。

世代別のオンラインショッピング利用傾向

本レポートでは、「ベビーブーム世代(1946~1965年生まれ)」「ジェネレーションX/X世代(1966~1981年生まれ)」「ミレニアル世代(1982~2001年生まれ)」の3種類に分類してオンラインショッピングの利用傾向をまとめている。

世代ごとの特徴として、「X世代」の消費者はオンライン購入の頻度が他の年齢グループよりも高く、平均取引回数は年間19回。

職業生活が安定し、マイホームや家族を持つ人が多い「X世代」の消費者は、「ミレニアル世代」より多くの消費財商品を購入している可能性が高いと分析している。

「ベビーブーム世代」は他の年代と比べて1回当たりの支出額が多い。ヘルスケア製品やワイン、家庭用品、電化製品を購入する傾向が強い。

調査概要

世界51か国、1万8430人の消費者を対象とした調査をもとに、オンラインショッピングに対する認識や購買行動を、地域、商品カテゴリー、購買プロセスの段階、世代(ミレニアル世代:1982年~2001年生まれ・ジェネレーションX世代:1966年~1981年生まれ・ベビーブーム世代:1946年~1965年生まれ)別に分析した。

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