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GoogleローカルSEOで検索順位をアップさせるのに大切なこと【2017年版】(前編)

グーグルのローカル検索でトラフィックを獲得するためにするべきこととは?
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

Googleのローカル検索結果で「3パック」への表示を獲得するのがさらに難しくなり、競争がますます激しくなる――僕は2016年にそう予測した。

この傾向は2017年も続くと考えられるが、ここで1つはっきり言っておきたい。もう取り組んでいる人もいるかもしれないが、ローカルビジネスは、3パック「のみ」にフォーカスしたローカルSEO戦略からの脱却を考え始めるべきなのだ。

「ローカルビジネスは、3パック「のみ」にフォーカスしたローカルSEO戦略からの脱却を目指すべきだ」―ケーシー・メラス

ローカルSEOは、今でもビジネスを成長させるきわめて大きなチャンスを提供している。だが、それとともに、ローカルマーケティングキャンペーンで利用できる補完的なオーガニック戦略にも目を向けたい。

この記事で取り上げるトピックは、次のとおりだ。

  • ローカル検索における2016年からの変化
  • 2017年に総合的な狙いを変更すべきと考えられる理由とその方法
  • 検索順位を上げ、ローカルトラフィックを増やしてビジネスを拡大するためにすぐに実行できるアドバイス

ローカル検索で成功するために、はっきりしていること

グーグルのローカルSEOで、ローカル検索結果の「3パック」にフォーカスし、それだけを追いかける時代は終わった。

すべてのビジネスが、グーグルのローカル検索からオーガニックなトラフィックを獲得したいと考えている。だが、そのチャンスを手にするのは、日に日に難しくなっているのが現状だ。

戦う相手は、同じく上位を争うライバル企業だけではない。増える一方の広告も相手にする必要があるのだ。

ローカルバックでトップを獲得するのが難しくなったことに気づいているなら、それに加えて今は4つ以上の広告に勝たなければ、自社のビジネスが消費者の目に触れることさえできなくなっているのだということも認識してほしい。

今のSERPでは、一番上に4つの有料広告が表示される。また、ローカル検索結果で有料リスティングが優先的に表示されていることも珍しくない。ジー・ツァカラキス氏が僕に教えてくれた例を見てみよう。モバイル検索のローカルパックで、3パックの検索結果の上に広告が1つ表示されているのがわかる。しかも、この上にさらに4つの広告が表示されているのだ。

デスクトップで同じ検索を行い、3パックの結果のどれかをクリックすると、ローカル検索画面(local finder)が表示される。

次のデスクトップ検索の例では、そのローカル検索画面で、2つの有料のローカル検索結果が他のビジネスの上に表示されている。

評価の星が付いているのは有料広告の企業だけであることに注目してほしい。星があることが、有料広告を出した企業にとってアドバンテージになっているだろうか。僕はなっていると思う。

だが心配は無用。僕は広告が役に立たないと言っているわけではない

広告が侵襲しているSERPの暗い話を聞かされれば、少しがっかりするかもしれない。だが、心配しないでほしい。どのような変化も新しいチャンスをもたらしてくれる。僕たちは、ビジネスに役立つ複数の戦略にフォーカスすることで検索をうまく活用しているクライアントをたくさん目にしている。

たとえ有料広告に費やせる予算がなくても、ローカルパックへの取り組みは、今も無視できない優先事項とすべきだ。ローカル検索画面に表示されることは、やはり成果を上げる近道だ。グーグルの並べ替えオプションはきわめて操作性がよいので、クチコミのレビューが多い場合は特に有効だ。

最も高い評価を獲得しているなら、ビジネスの検索結果を評価順に並べ替えるユーザーからは、クリックされやすくなるだろう。下の例は、ユーザーが検索結果を評価別に並べ替える方法を示したものだ。

日本語環境では、「Rating」は「評価」、「Hours」は「時間」と訳される。

だが、ローカル市場で効果的に競争できる他の方法はないのだろうか。

ローカル戦略の変更を検討しよう

僕が話をするビジネスの多くは、視野が狭くなっているように思える。ローカルパックの順位上げを重視しすぎているのだ。重視するあまり、ときには、本来の目的である顧客を増やすことよりも優先してしまっている

1つの取り組みだけにフォーカスしているようなビジネスやマーケターには、毎日のように出会う。1つの取り組みを非常にうまく実施することが悪いわけではない。だが、最も成功するのは、ビジネスの目標に合わせて異なる複数のキャンペーンを管理することだ。

ローカル検索からオーガニックなクリックを獲得するためのアプローチだけに頼るのでなく、視野をもう少し広げて、次の質問の答えを考えてほしい。

顧客はどこを見ているのだろうか。目に留まるようにするにはどうすればいいのだろうか。

場合によっては、一歩引いて、はるか後方から状況を見つめなおすことが役立つかもしれない。

まずSERPを調査し、以下の質問への答を考えてみよう。

1. 「自分のサイト以外」のどのサイトが、対象のトピックやキーワードで最もよく表示されるだろうか。

ローカル検索の下に表示される自社サイト以外のサイトを人々がクリックすることは、十分考えられる。そういったサイトで、自社の情報を掲載できるところはないだろうか。また、そんな形で露出を増やすにはどうすればいいだろうか。

これに役立つ優れたツールがSTATだ。このツールの「Share of Voice」機能は、追跡したいキーワードを設定するだけで、次のようなことを知ることができるものだ。

  • 狙いとする市場で
  • どのキーワードでどのサイトが上位に表示されているか
  • そのサイトが表示される割合がどれくらいか

次の例は、僕が追跡している分野における現在の表示順位だ。これを見ると、法律関係のデータベースサイト「Findlaw」とローカルビジネスレビューサイト「Yelp」が姿を見せているのがわかる。

Share of Voice:現在の上位サイト(グーグル)
STATのサービスで、ある分野の上位サイトを調査した結果

もう少し詳しく調べれば、こういったサイトが1位や2位を獲得しているかを確認でき(実際獲得している)、これらのサイトで順位を上げる戦略を実行すべきかどうかを判断できる。これは「フジツボ式SEO(Barnacle SEO)」と呼ばれる戦略だ。

2. 顧客は、音声検索を使っているだろうか?

僕だけのことかもしれないが、コンピュータに話しかけることには違和感を覚える。ところが、携帯電話に話しかけるのは、ふさわしくないと思えるときでさえ抵抗がない。この音声検索について、Stone Temple Consultingが先ごろ素晴らしい調査結果を公開している(詳しくはこちらを見てほしい)。

この調査から得られる興味深いデータの1つは、人々が音声検索を行う場所だ。音声検索は自宅の私的空間にいるときにを行われていると思われがちだ。だが、現在発売されているモバイルデバイスは、たいてい音声検索機能を搭載している。車に乗っているときに音声検索を行う人々はどれくらいいるのだろう。

音声検索を人々はどのような環境で利用しているのか?
自宅で1人のとき
自宅で友人といるとき
オフィスで1人のとき
レストランで友人といるとき
オフィスで同僚といるとき
レストランで1人のとき
公共交通機関を利用中
パーティーで
ジムで
公衆トイレで
レストランで知らない人といるとき
劇場で

このデータからわかることは、ローカルクエリでは3パックだけが重要なのではないということだ。「一番近所にあるピザ屋はどこ?」と自分のデバイスに尋ねる人は多いだろうが、それ以外の質問もしている可能性がある。たとえば、次のような質問だ。

近所にある最も評価の高いピザ屋はどこ?

デンバーで最高のピザを作っているのは誰?

今いる場所から一番近いピザ屋はどこ?

ローカル検索のオーガニック戦略について考える場合、音声検索を無視してはならない。音声検索はモバイルデバイスで行われるため、ローカル検索が行われる可能性は十分にある。ビジネスを探す人は、どのようなローカル検索に興味を持つだろうか。ローカルビジネスまで車で行こうとする人は、どのような質問をすると思われるだろうか。

3. ウェブサイトは、「near me」検索(自分の近くにあるビジネスの検索)に最適化されているだろうか?

「near me」検索(「近くの」検索)はこの5年間増えており、この動きが止まることはないと思われる。とにかく近くにあるビジネスを探すというのは、それなりによくあることだ。

Googleトレンドのデータを見ると、過去5年間にこのような検索がどう変化したのかがわかる。

「near me」検索の米国でのトレンド(過去5年間)
「近くの」検索の日本でのトレンド(過去5年間)

「near me」検索に対する戦略を、自社向けに最適化しているだろうか。Local SEO Guideは先ごろ、「near me」のローカルSEOの検索順位決定要因に関する調査を発表した。「near me」検索への最適化は重要な取り組みであり、Googleマイビジネスの検索順位を上げるために僕たちが提案している戦略的アドバイスとも合致する部分がある。それについては、あとで詳しく取り上げよう。

4. 広告は使わないようにすべきだろうか?

まず、現状に目を向けてみよう。グーグルは有料広告で利益を上げている。Adweekによれば、「2016年の第2四半期に、Alphabet(グーグルの親会社)は前年同期比で21%の増加となる215億ドルを売り上げた」という。「そのうち、191億ドルがグーグルの広告ビジネスによるもので、前年同期の160億ドルから増加した」

これを大ざっぱに解釈すれば、「広告はどこにもいかない。広告をユーザーの目に触れさせることができるなら、グーグルはなんでもやる」ということになるだろうか。マイク・ブルーメンソール氏がたくさんの広告例とともに指摘したGoogle AdWords広告のホームサービス広告(日本では未提供)のテストを見ていないのなら、下の例を見てほしい。グーグルは、ローカル検索をマネタイズしようと、さらにクリエイティブな方法を見出そうとしている。

ローカル検索結果に表示されている、Google AdWords広告のホームサービス広告(テスト中の画面)

念のために言っておくと、オーガニックでも有料でもリスティングで順位を獲得すれば、どちらも全体的なクリックスルー率は大きく向上する。

僕が確認できた最新の調査はグーグルが2012年に実施したものだが、当社のクライアントが最も成功しているのは、オーガニックとローカルの検索順位が高く、かつ有料広告を掲載しているときだった。つまり、すべてが互いに関連しているのだ。

関連するすべての場所に表示されているとなれば、潜在的な顧客が検索してくれたときに、素晴らしい成果を得られることになる。

僕は有料広告のみに頼るアプローチは好まないが、少なくとも有料広告について検討し、テストを行い、自社の専門分野で有料広告が有効なのかを判断することは必要だ。有料広告を、全体的なローカル戦略やオーガニック戦略と組み合わせよう

5. 強調スニペットは無視してもよいのか?

ローカル検索を行った場合でもやはり、強調スニペットが表示されることがある。僕が最近見かけた例でとても気に入ったのは、以下のようなスノーボードのサイズ表だ。この例では、スノーボードに関心のある人に回答ボックスが表示され、会社の名前も掲載されている。こういう検索をする人は、すぐにスノーボードを購入したいと思っているかもしれないのだ。

強調スニペットに表示された、購買につながりそうな情報の例

分野によっては、強調スニペットを無視することなく、コンテンツを作成して掲載獲得を目指せば、ローカル検索での露出を増やせる可能性はまだまだある。このホワイトボード・フライデーで、強調スニペットを勝ち取る方法を学んでほしい。

ここまでは、戦略の幅を広げる方法について説明した。次は、大きな変化をもたらすために実行できる戦略的な取り組みを見てみよう。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。戦略の幅を広げる方法について説明した今回に続いて、後編となる次回は、ローカル検索で露出を増やすための戦略について見ていく。→後編を読む

用語集
AdWords / SEO / SERP / キャンペーン / クチコミ / クリエイティブ / クリックスルー率 / スニペット / フジツボ式SEO
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