うわさの「無限レシピ」はホントに無限にご飯が食べられるのか試してみた

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皆さん、最近話題の「無限レシピ」はご存知でしょうか?

簡単かつ、野菜がいくらでも食べられるというレシピで「無限ピーマン」が昨年大ブームになったことも記憶に新しい。

今ではすっかり定着した感がある「無限レシピ」だが、本当に無限に食べられるのだろうか。

今回は、白米に合う「無限レシピ」を実際に作って、ご飯がどれだけ進むか試してみたいと思う。

 

 

東京・西小山にあるヤオヤプラスは「進化した八百屋さん」を標榜しており、「ここにくればないものはない」という野菜界のAmazonを目指しているとか。

今日はそのヤオヤプラス(主に社長)に協力いただいて、野菜を使った「無限レシピ」を実際に試してみたいと思う。今日はよろしくお願いします!

 

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……よろしくお願いします」

のっけから体調悪そうな人が出てきた。社長である。

 

ーーや、野菜が好きなんですか?

 

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「野菜、大好きです」

 どうやらおなかが空きすぎて眠いらしい。 

 

ーー揚げ物がお好きだそうですね?

 

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「大好きです!」

揚げ物の話をしたら、突然、キリッとした表情になった。

 

ーー今日は野菜でご飯を食べるという企画なんです。すいません。

「いえいえ。楽しみにしていました」

 

と笑顔で答える社長だが、おなかが空きすぎて、ずっと機嫌が悪かった、という従業員の証言を得ている。早く満腹にしないと誰かが血を見そうだ。 

さっそく、準備にとりかかろう。

 

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▲本日使う野菜たち

 

肉のエッセンスはゼロである。だが、それでいいのである。

これでご飯が進むおかずを作るのだ。

 

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▲気合の表情でレシピにとりかかります

 

 一品目は、クレソンを使ったメニューだ。

「今日は、クレソンがたくさん余っているから使って」とお店から強烈なラブコールを受けたことは内緒だ。和食ではあまりなじみのない食材だが、さて、これがどう化けるのか。

 

無限レシピ①:クレソンわさび和え

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これが材料。はんぺんが唯一のタンパク質である。

 

材料
  • クレソン:2束
  • はんぺん:1枚
  • わさび:小さじ1/2
  • 醤油:小さじ1
  • オリーブオイル:小さじ1

 

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包丁を使って、ざく切りにして……

 

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はんぺんを手でちぎって……

全ての材料をボウルで混ぜ合わせます。

 

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完成である!

所要時間はわずか2分。さっそく食べてもらおう。

 

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▲機嫌の悪さがにじみ出ている

 

この形相で待ち構えている社長。空腹のあまり殺気が出ている。

さらに「クレソンで飯を食えだと?」という気持ちが顔からはみ出している。道ですれ違ったら通報してもいいと思う。余談だが、この社長、私よりもかなり年下である。

 

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▲クレソンに恨みでもあるのだろうか

 

とりあえず一口食べて欲しい、と土下座せんばかりにお願いしてみる。野菜が好きだって言っていたのに、渋々箸を手にして口に運ぶ社長。

この期に及んで、「肉が食いたかった」という顔をしている。

 

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▲ああ、カルビが食いたいなあ

 

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 「……ん?」

 

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▲そのまま口の中のクレソンの余韻だけで二口目のご飯に

 

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▲なかなかやるじゃないかという表情である

 

「わさびと醤油、そして油のコクがマッチして、意外にご飯に合います

「意外に」を強調するのはなんのプライドか。まあ、この時点で相当腹が減っていたので、何を食っても「うまい」と言いそうな雰囲気はあったが、「無限レシピ」の大勝利を予感させるこの表情である。 

こうなったら、一気に作ってしまおう。

 

無限レシピ②:柚子胡椒えのき

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▲かつおぶし以外を混ぜて、レンジで2分チンするだけ

 

材料
  • えのきたけ:1袋(180g)
  • かつおぶし:2つまみ
  • 柚子胡椒:小さじ1/2
  • 塩:ひとつまみ
  • みりん:小さじ2 

 

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▲レンジから取り出す際は熱いので気をつけてください

 

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5分で柚子胡椒えのきが完成!

最後にかつおぶしをかけよう。

 

無限レシピ③:鮭三つ葉

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▲サラダオイル、でかいのしか売ってなかった

 

三品目にも挑戦。目の前にいる、おなかペコペコの社長から受ける無言のプレッシャーがすごい。早く作らねば。

 

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▲これが材料。ホントに、たったこれだけで絶品の「無限レシピ」ができてしまうのだ

 

材料
  • 三つ葉:1把
  • 鮭フレーク:大さじ3
  • 柚子胡椒・醤油:各小さじ1/2
  • サラダ油:小さじ2

 

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作り方は、三つ葉をざく切りにして、材料を混ぜるだけである。  

これまた、あっという間に完成。いやはや、こんなに簡単でいいのかしら。

おっと、最後にもう一品いきましょう。

 

無限レシピ④:塩バターピーマン

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これもあっという間に出来てしまいます。細切りにしたピーマンをバターで炒めて、塩昆布を混ぜるだけ

 

材料
  • ピーマン:5個(1袋)
  • バター(有塩):5g
  • 塩昆布:10g

 

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▲塩昆布うまそう

 

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数分で完成である。

ここで社長から「最後にナッツを入れたらうまいんじゃないか」という意見が。

さっそくナッツを加えたアレンジも試してみることに。

 

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▲腹が減ってナッツをつまみだす従業員と撮影スタッフ

 

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▲現場でアレンジを加えた塩バターピーマンの完成

 

ああうまそうだ。さあ、食べよう。

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「もう食ってもいいっすか?」

この時点ですでにご飯茶碗を手にしている社長。どうぞお食べください。

 

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「えのき、行きます」

 

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「ウヒョ!」

 

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冷静さを取り戻そうとするが……

 

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どうしても笑ってしまう!

 「いやー、これはうまいっす。肉を食ってるみたいだ」

肉への未練は捨てきれないようだが、褒めていることはよくわかる。

 

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▲ほらね、というドヤ顔

 

わかっているとは思うが、私は他人の考えたレシピをマネして作っただけである。なのに、この満足感と達成感。人の幸せな顔を見るのはいいものだ。自分がレシピを考案したことにしてしまおうか、という悪い考えが頭をよぎる。

 

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次は「鮭三つ葉」にトライ。

「あはは。これもおいしい」

 

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そして「無限レシピ」定番の「ピーマン・オン・ザ・ライス」!

 

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……

 

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「マジかっ!」

「こんなにうまいのか」とピーマンの限りない可能性に感動する社長。

「うまいうまい!」

これを機会に1日3食すべてをピーマンにして、ぜひダイエットに励んでいただきたい。

 

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▲あっという間に空っぽです

 

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「おかわり!」

ダイエットは来週からですね。

 

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▲黙々と食べ続ける社長

 

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▲こちらはお酒をいただきます

 

その横で、ビール(ではないんだけど)をいただく私。ご飯に合う、ということは、当たり前だが酒にもピッタリなのだ。

ちなみに私は尿酸値13の痛風持ちであり、この日も足を引きずっていた。簡単にできてヘルシーなつまみ。まさに私のためにあるレシピと言っても過言ではない。

 

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▲プリン体オフを選びました

 

後ろで黙々と食べ続ける社長だが……。

 

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またご飯一杯を完食。おかわり!

・ 

すると、そこにもう一人、強力な食いしん坊が現れた。

 

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▲小走りでこっちに向かってくる

 

近所に住む、カメラマンのキムラさんである。

 

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▲こんにちは。木村です

 

いやし系の見た目。行きつけの飲み屋さんでは、頼んでもないのにお店が気を利かせていつもおにぎりを握ってくれる、という最高のエピソードの持ち主である。

 

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▲これほど白米が似合う人がいるだろうか

 

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「わー、おいしそう!」

食卓に何を出しても喜んでくれそうな木村さん。奥さんは幸せ者である。

 

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▲塩バターピーマンをおかずにご飯をかきこむ木村さん

 

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▲おもむろに上着を脱ぎ出した!

 

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「うまい! うまい!」

 

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▲黙々と食べ続ける様は求道者のようである

 

スチール撮影なのをいいことに、ほとんどしゃべらない木村さん。無言で白米をかきこむ。

 

あれ? 頭に何か光るものが……

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よく見ると額に汗が!

「うまいもの食べると汗をかくんです!」

 

おお! この汗は「無限レシピ」の偉大さを雄弁に語っている。百の賛辞よりも、木村の汗。

みんな格言にして欲しい。

「あ、早足で歩くと汗をかきます、あと寝てる時も」

 

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▲そんなわけで完食。王者の風格さえ漂う

 

「無限レシピ」は、ご飯が進むということがわかった。そして、ご飯を食べそうな見た目の人は、やっぱりよく食べるという結論も得た。

とにかく、野菜がもりもり食べられる「無限レシピ」は最高である。皆様にもぜひ試していただきたい。本当においしいから。

 

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ということで、ご飯がすすみまくる100以上のおかずレシピが載った『無限レシピ』(ワニブックス)、好評発売中である。

 

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▲炊き出しに群がるオッサンたちの図

 

この後、極上の「無限レシピ」をつまみに路上で盛大な酒盛りが始まったことは言うまでもない。

 

無限レシピ

無限レシピ

  • 作者: 大友育美
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2017/04/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

※この記事は2017年5月の情報です。

 

書いた人:キンマサタカ

キンマサタカ

編集者・ライター。パンダ舎という会社で本を作っています。 『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」という連載もやっています。好きな女性のタイプは人見知り。好きな酒はレモンサワー。パンダとカレーが大好き。近刊『だってぼくには嵐がいるから』(カンゼン)

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