派ッ!色・食・是・喰! こんにちは、グルメ修行僧・東山です。
私が店主を務める、汁なし担々麺専門店「タンタンタイガー」には本当にグルメなお客様が多く、その中でも一際グルメだと崇拝しているお客様がおりまして・・・
その御方がある日、こんなツイートをしておりました。
僕の行きつけの回転寿司に「もり一」というチェーン店があるんですが、きょう初めて神保町本店に行ってみました。以前から船橋店と田端店にはかなりお世話になっているんですが、本店は初めて。相変わらず赤酢のシャリがうまい。ネタも本店特有のものがいろいろあってとっても楽しめた。— くっくる(Lo-Fi Club) (@kukkuru) 2017年6月3日
本店で感銘を受けたのは板前さん・ホールスタッフの女性の皆さんの気配り・オペレーション。本店ということもあり結構キャパのある店舗で実際かなり混雑していたのに、完璧なオペレーションの所為でたいへん快適だった。それ含めてもり一は回転寿司というジャンルの最高峰なのではないかと思った。
— くっくる(Lo-Fi Club) (@kukkuru) 2017年6月3日
回転寿司というジャンルの最高峰・・・だと・・・!? しかも、回転寿司なのに赤酢を使ったシャリとは!?
気になりすぎますッ!
ちなみに、私は回転寿司が、大ッッッッ好きです!
大手回転寿司チェーンは都心にはあまりないので、電車に乗って郊外の駅で降り、そこからバスに乗って食べに行くこともよくあります。
もし「回転寿司最高峰」というレベルのお店が都心にあれば、どれだけの恩恵がもたらされるか測り知れません!
・・・ということで、このツイートを見た翌日に早速行ってきました!!
もり一では、すべての寿司が一皿150円均一
やってきたのは、「江戸前回転寿司もり一 神保町店」。
店名の読み方は、“もりいち”です。“ー”は伸ばし棒でなくて、漢数字の“いち”なのです。
ちなみにもり一では、すべての寿司が一皿150円均一。
回転寿司屋の価格帯というのは大きく分けて2種類ありまして、
①全皿100円均一
②100~1,000円程度で、皿によって値段が違う
なので回転寿司屋によく行く私としては、【全皿150円均一】という価格はかなり新鮮な印象です。
さぁ、今日は限界のリミットを超えて寿司を食い倒れますよ。
いきなり霜降り真鯛の美しさに震える・・・!
▲霜降り真鯛
う、美しいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
いきなり先制カウンターパンチをもらいました。これが本当に150円でよいのでしょうか・・・? 切り身もしっかり分厚くて、どっしりとした存在感があります。
さて、お味は・・・
・・・・・・・・うめぇ。
身が分厚くカットされているのでモチモチとした食感が楽しめ、霜降り(湯をかけて急冷して皮だけに火を通す和食の技法)によって皮のクニュクニュした食感と、溢れ出てくる旨味がたまりません。
▲北海みぞれ筋子
いやいやいやいやいや!!これで150円とかあり得ませんからッ!!
と、思わず突っ込んでしまうクオリティです。味も素晴らしい。
海苔で巻かないことによって、筋子の風味をよりダイレクトに感じられ、なおかつシャリと筋子がより一体感を増して口の中で混ざり合うのです。
▲ばち鮪大トロ
大トロも150円・・・冗談でしょ? しかも、この身の美しさ・・・ちょっと信じられないです。
当然味も最高です。うますぎる。信じられなさすぎる。
平日ランチはさらにコストパフォーマンスの高いサービスが存在する
すでにもり一のコストパフォーマンスがいかに神懸っているかは、ある程度はお伝えできたかと思うのですが、平日ランチはさらにコストパフォーマンスの良いサービスが存在するのです。
それがコチラ! 1皿3貫で150円のランチ皿です。
▲ランチ皿A
手前からエビ、岩ダコ、びんとろ。これで150円はめちゃくちゃ安い・・・!
中でもエビは、身が分厚くて、蒸し加減が絶妙で、身が甘くて最高でした。
▲ランチ皿B
生ゲソ、イカ、焼きハラス。
さっぱりしたイカと、こってりした焼きはらすのコンビネーションがバランスが取れていて素晴らしい。
かなりお得なランチ皿ですが、もちろん注文の枚数制限はありません!
もり一のシャリの旨味の濃さの秘密とは
▲左が通常の酢を使用したシャリ、右が赤酢使用のシャリ
もり一で寿司を食べていると、ネタの素晴らしさはもちろんですが、シャリの旨味の濃さがはっきりと感じられます。
その秘密はコチラ。冒頭でも触れましたが、もり一ではシャリに赤酢を使用しています! 右が赤酢使用のシャリで、左が通常の酢を使用したシャリです。
通常の酢が穀物を発酵させて作られるのに対して、赤酢は酒粕を長期熟成させて作られる旨味の強い酢なのです。
価格も、普通の酢よりも数倍の値段がする高級な酢です!高級な寿司屋では使用している店もありますが、回転寿司で使用している店は他にはあまり聞いたことがありません。
2種類のガリと藻塩(もしお)も
さらにサービス精神も凄まじく、サービスのガリでさえも白と赤の2種類用意されています。
さらにさらに!
藻塩まで用意されています!藻塩は海藻から作られた塩でして、通常の精製塩に比べると旨味が桁違いに多い塩です。
なめてみると、精製塩特有の塩っ辛くて角の立った感じが一切なく、豊かな旨味や甘さまでも感じられます。風味の繊細な白身魚との相性は抜群です。
黒ムツの握りを赤酢のシャリで藻塩をかけて食べる・・・これホントに150円なのか?
もり一では、日替わりで限定ネタが登場するのですが、私が食べに行った日は「黒睦(くろむつ)」でした。
黒睦といったらかなりの高級魚ですよ!
うぅぅぅぅーーー!
高級魚なのに、こんなに分厚く気前のよいカットでよいのでしょうか!?モチモチした食感の心地よさと、そして何より旨味の濃さが段違いです。
お次は先ほどの藻塩でいただいてみます。
・・・これは美味い。
醤油で食べた時よりも、黒睦の風味がよりダイレクトに感じられて、他の白身魚との味に違いがより明確に感じられます。
しかし・・・
「赤酢を使用したシャリの、黒ムツの寿司を、藻塩をかけて食べる」
なんかコレ、めっちゃ高級店で寿司食べてる感じしませんか!?
もちろんこれも150円です。
違う種類のネタを1貫ずつ乗せて1皿にしてくれる「ハーフ&ハーフ」
そして、更にもり一のサービス精神の素晴らしさをお伝えしたいのですが・・・これは、回転寿司業界に大きな風穴を空ける画期的なサービスですよ!
なんと、もり一では、違う種類のネタを1貫ずつ乗せて1皿にしてくれる「ハーフ&ハーフ」という注文ができるのです!!
▲あじ&いわし
私がおススメするハーフ&ハーフの活用法は、味が似ているネタ同士でハーフ&ハーフにすることです!こうして比較することで、よりネタの味わいへの理解度が増します!
例えばあじ&いわしだと・・・
あじは「さっぱり爽やかな味わいで、しゃっきりした食感」に対して、いわしは「こってりコクのある味わいで、トロリととろける食感」という違いがより明確に分かります。
▲たこ&生たこ
たこを、生と、火を通したものでどう味が変化するかを楽しむ食べ方。生はむっちり甘いのに、火を通したものはしゃっきりしていて旨味が濃い。
▲赤貝&つぶ貝
寿司屋では貝の寿司の種類がたくさんありますが、それぞれの味の違いを明確に理解するのはなかなか難しいもの。
もり一では6種類の貝が用意されていますが、ハーフ&ハーフならなんと3皿で全種類制覇出来ちゃいます!
赤貝は、やわらかく独特の弾力があり、旨味と磯の風味の強さが際立ちます。つぶ貝は、シャキシャキした歯切れのよい食感で、味は淡泊でさっぱりしています。
▲石垣貝&帆立
石垣貝は、モッチリしていてシャッキリしているという不思議な食感と、甘味と旨味のバランスが特徴的。
帆立は、ホロリと口どけの良い食感と、身の甘さが貝類の中では際立っていますね。
▲あかにし貝&みる貝
あかにし貝は、サザエのようなコリコリした食感と、噛めば噛むほど旨味が染み出てくるような味わい深さがあります。
みる貝は、ムッチリシャキシャキな食感で、淡泊ながらもその奥に深い旨味を蓄えています。
この3皿のおかげで貝類に対してかなり理解が深まった感じがします! 貝類6貫食べ比べができて450円・・・圧倒的なコスパの良さ!!
今さらですが・・・メニューを見てみましょう
こちらがメニューの表面。
メニュー裏面。
凄い種類の多さです!全てハーフ&ハーフで頼んだとしても全種類制覇にはかなりの枚数を食さねばなりません!
ここからは気になったネタをとにかく食べまくりたいと思います!!
▲江戸前小肌
酢で占めた小肌の爽やかな味わいと、紫蘇の風味が素晴らしくマッチしております。
▲炙りとろ(レーンを回ってきた寿司を取ったため正式名称は不明)?
炙りの香ばしさと、鮪の身の風味が相まって力強い味わいの一品。
▲えんがわ
えんがわは、付け合わせを【わさび・しょうが・しそ】の中から一つ選べます。こってり脂が乗ったコクと、しその爽やかさのマッチングがたまりません・・・
▲数の子
シャキシャキプチプチした食感が最高!高級ネタなのに150円は嬉しすぎ!
▲〆サバ
なぜか3貫150円という気前の良さ!しっかり厚くカットされた身は、脂が乗ってて、口の中でトロリととろける。〆サバは回転寿司屋に行くと必ず頼むのですが、その中でも最高峰の美味さです!
茶碗蒸しもなんだか特徴的だった
寿司を食べてると、無性に温かい茶碗蒸しを食べたくなるんですよね。
もり一では茶碗蒸しも150円。
そして、他店ではなかなか見られない特徴的な仕上がりなんです。
なんともり一の茶碗蒸しはプリンのように自立しているのです。
スプーンを入れることがためらわれるほどにやわらかく、繊細。
熱々のフルフルした食感の茶碗蒸しは口の中で一瞬でとろけてなくなります。
出汁がしっかり効いた味付けで、上に散らされたゆずの香りがまた素晴らしいアクセントです。
また、この日は限定で鮭汁というものがありました。しかも100円!通常メニューで充分すぎるほど神コスパなのに、さらに安くするとは!!
鮭汁は一見、何の変哲もないみそ汁ですが・・・
中には分厚い鮭の切り身がゴロゴロ入っています!みそ汁にも鮭の旨味がしっかり溶け込んでいて、とても旨味が強いです。
それにしても寿司の合間に飲むみそ汁ってなんでこんなに美味いんでしょうか・・・
軍艦系でラストスパート
▲白魚
さぁ、ラストスパートは軍艦で攻めていきたいと思います!
軍艦に乗せられたたっぷりの白魚は、ねっとり甘くて、生姜の香りが爽やかにマッチング!
▲貝ばし羅
プリプリ、ムッチリした身が甘く、口の中で弾けます!う、うまい!
▲ねぎとろ軍艦
回転寿司で定番中の定番軍艦。もり一の軍艦はまぐろのキメが細かく、サラサラトロトロでコクがあり濃厚な味わいです。
▲なかおち握り
あまりにねぎとろ軍艦が美味かったので、握りのバージョンでも頼んでみました。
海苔とネギをなくすことで、まぐろとシャリの口どけの一体感がさらに増し、またまぐろの風味をよりダイレクトに感じられるようになり、濃厚さが増しています!
これは新しい発見です!
▲やまかけ
濃厚なトロと、トロロのねっとりした食感の組み合わせがたまりません!なんと官能的な食感でしょう!
▲とろろ納豆
トロトロネバネバした食感のもの同士って恐ろしく相性が良いんですよね。
その代表格がコチラ。トロトロネバネバ好きには最高にたまりません!
▲たこの卵
期間限定で出ていた超レアなネタ。以前ほそいあやさんの記事でも見たことある方は多いと言えども、たこの卵なんて、食べたことある人は日本国民の0.001%くらいではないでしょうか?
味は、ねっとりトロトロ濃厚で、巨大な一粒のイクラみたいな感じです。香りはクセが全くなく、意外と食べやすい!
▲激辛!明太ばら子軍艦
変わりダネの一品。
「お寿司屋さんの“激辛”なんてたかが知れてるでしょ?」と激辛料理大好きの私はナメていたのですが、これは本当に激辛。
でも明太子の旨味が凄く強いので旨辛のバランスが素晴らしい!
▲かんぴょう握り
かんぴょうの巻物は寿司屋では必ず見かけますが、握りは初めて見ました。
握りにすることで、かんぴょうのやわらかくザクザクした食感がより感じられて美味しい!
巻くか、握るかでここまで味の印象が変わるのは新鮮な感動がありました!
お店の雰囲気も素晴らしい、つまり何から何まで素晴らしい
さぁいかがでしたでしょうか?
計25皿53貫の寿司を食べましたが、全ての寿司に発見と感動がありました!
これで全皿150円はやはり安すぎると思います!いまだに信じられません。
また、写真では伝えられないのですが、お店の雰囲気が本当に素晴らしいんです。
店員さんは皆、活気があって、サービス精神旺盛で、心から気持ちの良い接客をしてくださります。
それに、オペレーションのレベルが極めて高く、どんなに混んでいても寿司が提供されるスピードが物凄く早い。
ほとんどの寿司が30秒くらいで提供され、1分以上待ったものはありませんでした。
確かに、もり一は回転寿司というジャンルの最高峰であると認めざるを得ません!
ありえないコストパフォーマンスの高さと、最高の接客を経験しにもり一へGO!GO!
紹介したお店
江戸前回転寿司もり一 神保町店
TEL:03-3262-6194
住所:東京都千代田区神田神保町2-24-6
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者プロフィール
グルメ修行僧 東山広樹
ラーメン屋の開業に向けて修行中の身でしたが、2016年8月10日に東京・蔵前に四川式汁なし担々麺専門店「タンタンタイガー」をオープンさせました。日々、担々麺道を極めんと研鑽しております。調理科学ブログ「Cooking Maniac」も運営してます。何卒、宜しくお願い申し上げます。
【FBページ】https://www.facebook.com/tantantiger.tokyo/
【ブログ】Cooking Maniac