広告ブログサイトなど、あらゆる場面で使われているフォントですが、フォントフェイスを少し変えるだけで、180度雰囲気が変わるのも少なくありません。

日本語フォントの場合、私たちは普段*「ゴシック体」「明朝体」*を多く目にしています。(もちろん、この他に「丸文字」や「落書き調」などのフォントもあります)

一般的に、ゴシック体は、文字の線の太さが一定であるので、ユーザーが目で見たときの可読のしやすさが高いというように言われています。
一方で、明朝体は、線幅が太い部分と細かい部分があるので、しなやかでエレガントにうつると言われています。

確かに、明朝体は、いわゆる「日本らしさ」や「和」の心があって、欧米のセリフ体とも違ったよさがあります。
カジュアルで親しみやすいゴシック体に対して、明朝体は艶やかで美しい感じがするので、高級感のあるサイトやアプリを作る際に大いに役立つでしょう。

それぞれの書体が持つイメージによって、印象が全く変わってくるので、どの書体を選ぶかは非常に重要なことです。

今回は、和風なサイトに使いたいユニークな明朝体のフリーフォントをご紹介させていただきます。
明朝体はどれも同じ、と言って1つの書体だけを使うのは非常にもったいないことです。
ぜひ、お気に入りの明朝体フォントを見つけてみてください。

和風なサイトに使いたいユニークな明朝体のフリーフォント8選

1. 源界明朝

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源界明朝は「源ノ明朝 (Source Han Serif)」から派生したフォントで、読める限界ギリギリまで破壊された世界観の見出しに使われることを想定しているフォントです。
文字のところどころが破壊されているような効果をつけているのですが、可読性も高く、見出しやタイトル、ロゴなどに使えそうです。
水しぶきを浴びているようにも見えるので、さまざまな用途に使うことができそうです。

2. ほのか明朝

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ほのか明朝は「IPAex明朝」をもとに制作された明朝体のフォントで、やや癖のある柔らかな曲線のかなが特徴です。
また、漢字に比べてかな自体がやや小さめのサイズにもなっています。
デフォルトで文字間隔もちょっぴり空いており、本文に使用しても読みやすいフォントになっています。
漢字のほうがやや大きく見えるので、ロゴに使用すると漢字が目立ってしまいます。
やわらかく上品なイメージの文章にぴったり合いそうです。

3. こころ明朝体

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こころ明朝体は、やや丸みを帯びた幅の狭い明朝体のフォントで、やさしく軽い雰囲気の明朝体です。
縦にほっそりとしており、見出しなどに使用しても控えめで主張が強すぎないので、さりげなくアピールをしたいときに役立つのではないでしょうか。
収録文字も広く、さまざまな用途に使えるでしょう。

4. Noto Serif CJK

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Noto Serif CJKは、中国語漢字・日本語・韓国語に対応した、GoogleとAdobeが共同開発したフリーフォントです。
Notoとはもともと「No more tofu」を意味しており、文字化けで登場する「□」(豆腐)を駆逐するというミッションで作成されただけに、収録範囲は非常に広く、Webフォントでも使用することができます。
Adobeでは「源ノ明朝(Source Han Serif)」としてダウンロードすることが可能です。

5. 花園明朝

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花園明朝は、GlyphWiki(グリフウィキ)と呼ばれる、漢字フォントを1文字ずつ独立した字体として管理することができるWikiで作成・開発が行われているオープンソースの漢字フォントです。
収録文字数が広く、さまざまな用途で使用できます。
文字は全体的に直線的でありながらも、明朝体ならではのトメやハネもしっかりと表現されており、中立的な美しさを表現したいときに役立つでしょう。

6. 刻明朝フォント

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刻明朝フォントは、漢字に比べてひらがなやカタカナを幅ごと狭くしたユニークなフォントです。
文字のバランス自体にも爽やかでモダンな雰囲気がちりばめられています。
特にひらがな・カタカナだけでなく、英字書体も非常に個性的なので、個性的なデザインを表に出したい場合にはこのフォントを使ってみてはいかがでしょうか。

7. うつくし明朝体

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うつくし明朝体は、文字を筆で書くようにくっつけながらも、モダンでスタイリッシュな雰囲気に仕上げた、バランスのよい明朝体フォントです。
漢字とかなのバランスなど求められるオールドスタイルの雰囲気は残しつつ、横へのつながりを感じさせるモダンなデザインになっています。

8. ふぉんとうは怖い明朝体

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ふぉんとうは怖い明朝体は、ゆらゆらと揺れるような、崩れて怖い雰囲気を醸し出す、奇妙な印象のフォントです。
もちろん、名前には「怖い」とは書いてありますが、製作者はダウンロードページに*「このフォントをホラーと見るか、柔らかい印象と見るかはあなた次第です。」*と記しているので、使い方によっては色々な用途で使うことができる、面白みがあふれるフォントです。
エフェクトをかけなくても元からゆらゆらとしているので、漫画や同人誌のオノマトペなどにも活用できるでしょう。