渡部 和章 2017/9/8 9:00

通販・EC事業者が抱える悩みの1位は「新規顧客の集客方法」――。

ECサイト構築支援などを手がけるエルテックスは9月5日、通販・EC事業者の実態調査「通信販売事業関与者の実態調査2017」Part2を公表した。

レポートによると、新規顧客の獲得や集客方法に悩む通販・EC事業者は年々増えている。

悩みごとの上位は「新規獲得」「戦略立案」「商品開発」

通販・EC事業における「悩み事や困りごと」について選択式・複数回答で質問したところ、「新規客の獲得や集客方法」が59.7%で最も多かった。

2位以下は「通販事業の戦略や展開の方向性」(54.7%)、「展開する商品の開発(マーチャンダイジング)」(48.3%)、「既存の顧客の満足度の向上」(42.7%)。

上位3項目を選択した回答者の割合は、2013年以降毎年増加している。

2017年に目立って増加した項目は、「外部コスト(金利、物流費、システム費など)」(27.3%)。エルテックスは、「大手物流各社の相次ぐ値上げや、商品配送方法の見直しの余波が、EC/通販事業者を直撃したと考えられる」と分析している。

通販・EC事業者の悩みは「新規獲得」、もっとも重要なのは「売り上げの拡大」 通販・EC事業における「悩み事や困りごと」
通販・EC事業における「悩み事や困りごと」

最重要課題は「売り上げの拡大」

通販・EC事業において「ビジネス上重要と思われるもの」を選択式・複数回答で質問。その結果、1位は「売り上げの拡大」(85.7%)、2位は「新規の顧客の獲得」(78.0%)だった。2013年以降、上位2項目の数値に大きな変化はない。

一方、「ビジネス上重要と思われるもの」について単一回答で聞いたところ、「売り上げの拡大」を選択した割合が43.3%で他の項目より顕著に多い。

通販・EC事業者の悩みは「新規獲得」、もっとも重要なのは「売り上げの拡大」 通販・EC事業において「ビジネス上重要と思われるもの」
通販・EC事業において「ビジネス上重要と思われるもの」

BtoBサービスの契約で口コミ重視の傾向

ECシステムや通販システムの導入経験があるユーザーを対象に、導入を決定した際に重視した項目を聞いた結果、上位項目は「導入や運用のコスト」(71.3%)、「ソフトやサービスの機能の充実度」(54.5%)、「希望の納期への適応力」(48.8%)だった。

2017年は「提供している会社の評判や口コミ」(36.1%)の数値の上昇が目立つ。この結果についてエルテックスは次のように説明している。

年商数十~数百億円を支援する通販システムは一度導入したら減価償却が終わるまで数年間使い続け、その間、他のシステムと使い勝手を比べたりすることは難しいため、ネット上にこうした通販システムの口コミはほとんどないのが実情と思われる。

通販・EC事業者の悩みは「新規獲得」、もっとも重要なのは「売り上げの拡大」 通販・ECのシステムを導入する際に重視したこと
通販・ECのシステムを導入する際に重視したこと

「通信販売事業関与者の実態調査」調査概要

  • 調査エリア:全国
  • 調査対象者:楽天リサーチ保有の調査パネル(ビジネスパネル)。年商規模3000万円~100億円までの通販事業に携わる1~3の職種の、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主
    1.マーケティング・広告・宣伝
    2.業務(受注、決済、配送、その他の業務)
    3.情報システム
  • 調査方法:ネット方式による、アンケート調査
  • 調査期間:2017年6月24日~27日
  • 回収サンプル数:300
  • 調査主体:株式会社エルテックス
  • 調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
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