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2014年度のキュレーション市場は推計178億円、矢野経済研究所調べ

 株式会社矢野経済研究所は4日、「NAVER まとめ」やスマートフォン向けニュースアプリなど、いわゆる“キュレーション”に関連した市場について調査した結果を発表した。サービス事業者への聞き取りなどをもとにした2014年度の市場規模推計(事業者売上高ベース)は178億6000万円だった。

キュレーション市場の年度別規模推移(推計値を含む)

 キュレーションは、インターネット上にあふれる情報を整理し、個人に対して分かりやすく提示するサービスとして、近年注目を集めてきた。今回の調査では、「NAVER まとめ」をはじめ、ニュース・情報系サービスの「Gunosy」「SmartNews」「NewsPicks」、物販系の「Origami」「HATCH」などを対象としており、これらの事業者が得る広告代や手数料収入を市場規模として算出・推計している。

 調査によれば、2012年度のキュレーションサービス市場は60億1100万円だった。矢野経済研究所では2017年度までの年平均成長率を45.7%と見込んでおり、市場規模は2014年度に178億6000万円、2017年度には395億3000万円に拡大するとみている。

 成長の要因として、調査ではスマートフォンおよびタブレットのさらなる普及を挙げている。キュレーションはコンテンツ量を絞り込む行為でもあり、移動中などの隙間時間に閲覧するなど、スマートフォンとの親和性が高い。結果、スマートフォンの普及率に比例し、キュレーションも市場拡大すると分析している。

 今後は、キュレーションサービス事業者が一定の利用者を囲い込んだ後、派生サービスを追加提供する動きも予想されるという。矢野経済研究所では、調査内容をまとめ、レポートとして販売中。A4判242ページで、定価は9万円(税別)。

(森田 秀一)