生活を一変させそう。
iBeaconはiOS 7にも標準で対応している、低電力なBluetooth LEを使って通信する仕組み。スマートフォンなどと通信することで、設置している店舗のセール情報をプッシュ通知してくれる使い方が代表的ですよね。アメリカ国内のアップルストアでもすでに導入されています。
Estimoteはこの技術を使い、家の中から街中の店舗まで、あらゆるモノや場所に付けておくことができる「Estimote Beacons」と「Estimote Stickers」を開発しました。
Estimote BeaconsとStickersの中には、ARMプロセッサとメモリ、Bluetoothスマートモジュール、温度センサと加速度センサが内蔵してあります。そのビーコンをスマートフォンやタブレットが読み取ることで、ビーコンの位置や方向、温度などを個別に管理できるんです。財布など失くしそうなものに付けておけば、場所を教えてくれる「Stick-N-Find」と同じような使い方もできそう。でも、こちらは場所はもちろん、もっとリッチなデータを扱うことができるんです。
例えば寝室に付けておくと、ユーザが枕元に置いているスマートフォンがそのビーコンを読み取り、朝になると目覚ましを起動して今日の予定を通知してくれます。花瓶に付ければいつ水やりをしたかを教えてくれ、ショップで販売している靴に付けておけば、手に取られた回数を計測してくれるなど、用途は無限大。開発者向けのSDKを使えば、モバイルアプリ開発者は簡単にこのビーコンを使った機能を自分のアプリに導入することもできます。
BeaconsとStickers の違いは大きさとバッテリの容量。少し大きなBeaconsは小売店や美術館、空港などでの使用を想定されており、3年〜5年間持つバッテリが内蔵されています。小型のStickersの方は自転車や靴、ノートパソコンなど身の回りのものに付けておくことができ、バッテリの持ちは約1年間。どちらもiOSとAndroidに対応していますよ。
値段は3個のBeaconが入った開発者向けキットが99ドル(約1万円)で、10個のStickerが入った開発者向けキットも同じく99ドル(約1万円)。予約販売をwebサイト上で開始しています。Beaconsはすでに配送を行っており、Stickersは今年の10月より届け始められる予定。
既にIT企業のCiscoやいくつかの美術館は、このビーコンを試用しているみたいですよ。経営者でなくても、個人で気軽にモノに貼付けるだけで使え、モノのインターネットの火付け役ともなりそうなこのガジェット。今までの生活をガラッと変えてくれるかもしれません。
source: Estimote via Cult of Mac
(徳永智大)