食事配達アプリが持つべき4つのユーザー体験

Taylor Cygan

TaylorはCodalのライターで、UXデザインから幅広いワールドワイドウェブの他の要素まで何についてでもブログ記事にしています。関連性の高い、魅力のある記事を作り上げる努力をしています。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

4 UX Necessities That All Food Delivery Apps Should Have

「There’s an app for that(それをするためのアプリ、ありますよ)」という有名なAppleのCMキャッチコピーがあります。ユーザーの生活をより快適にするためという目的は、賛同できるものです。

お腹が空いているのに冷蔵庫が空っぽで、食事を家まで届けてほしいという状況を想像してみてください。現代では、何ができるでしょうか。おそらく Appleがキャッチコピーで言うように、食事配達のためのアプリに頼るでしょう。

同じことをするのは、あなただけではありません。ここ数年の間に食事配達の利用は上昇傾向にあり、App Storeは多くのアプリで溢れかえっています。代表的なものは、Uber EatsGrubHubDoorDashPostmatesなどです。2015年には、消費者が食事配達に費やす額が300億ドルに達したとStatistaが報告しています。また、宅配サービスを使う人が増えるにつれ、消費額も順調に増え続けています。

私はUXライターとしてUXの良し悪しを判断するために、App Storeから食事配達アプリをいくつかダウンロードしてみました。これらのアプリを研究した結果、飽和状態の食事配達市場で成功するために、すべてのアプリが必要とする4つの必須項目を見つけました。

1.シンプルなオンボーディングプロセス

私は食事配達アプリをダウンロードしながら、オンボーディングがすぐに済むだろうと思っていました。プロフィール作成をして、最後に支払い情報を入力するという標準的な手順だと考えていたのです。こういったアプリは、複雑なオンボーディングプロセスを用いるべきではありません。食事配達は、複雑なFinTech産業とは違うのです。

オンボーディングの適切なバランスを見つけなければなりません。オンボーディングにおいてユーザーを圧倒しないために、プロセスをどのように分割すれば良いでしょうか。食事配達アプリの多くは、プロフィールを作成し、食事メニューを選び、最後に宅配前の支払い情報を入力するという流れになっています。このような分割が最適な方法であるとされています。

宅配アプリが簡単かつすぐに使えるサービスだと宣伝するのであれば、アカウント作成からサービス利用可能になるまで、1〜2分以上かかってはいけません。

2.レストランとメニュー検索を容易にする

食事配達アプリにログインすると、ほとんどのアプリでレストランとメニューの表示の機能がありました。

また、ほぼすべてのアプリで、近所のレストランを探すための簡単な検索機能を用意していました。そして、希望のレストランを選択すると、そのレストランのメニューを調べられるようになっています。また、アプリの中にはメニューをカテゴリーごとに分けているものもあれば、ただリストで表示しているものもありました。カテゴリー分けしているほうが顧客にとってより良いUXであると感じましたが、好みは人それぞれでしょう。カテゴリー分けすることで、長いメニューをすっきりと見せユーザーにとって使いやすくすることができます。

こういったブラウジング体験は、食事配達アプリの極めて重要な要素です。食事配達アプリは、レストランでの体験を凝縮させたものであるため、無駄がなくわかりやすいブラウジング体験を提供しなくてはなりません。レストランのメニューと同じように、アプリでもすべてのメニューを見られるようにするべきなのです。

画像元:UberEatsのモバイルアプリのスクリーンショット。

ほとんどのアプリがこのユーザー体験を上手に取り入れていますが、個人的にはもっとメニューの説明や写真が欲しいです。たとえばDoorDashやGrubHubは、メニュー項目の写真を表示してくれませんが、UberEatsでは写真を見ることができました。

食事配達でユーザーの食欲をそそりたいのであれば、食事配達アプリのUXにもより多くの視覚的要素を取り込むべきでしょう。

3.明確な配達時間と費用の提示

食事配達アプリは、「配達」アプリでもあるので、配達時間と費用を明確に提示する必要があります。アプリのUXとしては、レストランの横に配達時間が表示されます。ユーザーが注文した商品を受け取るまでにかかる時間に基づいて、配達時間は変動しなければなりません。こうすることで、ユーザーは時間制限やスケジュールに基づきレストランを選ぶことができます。

たとえば、DoorDashはアプリ上で配達時間を上手に示しています。以下のように、食事を受け取るまでにかかる時間がはっきりとわかります。

画像元:DoorDashのモバイルアプリからのスクリーンショット。

DoorDashは配達料もきちんと表示しています。メニュー詳細の近くに配達料が表示されているのです。配達料が割り引かれる商品には、「$15以上の注文で送料無料」と表示されます。

配送料は、食事配達アプリにおけるもうひとつの重要なUX要素です。配達にどれだけの費用がかかるかを、ユーザーが明確にわかるようにすべきです。最後まで配達料を隠しておくアプリのUXは、粗悪なものでしょう。透明な価格設定は、良質なUXにとって非常に重要で、ユーザーのメニュー選択をより快適なものにします。

4.評価システムを導入する

ユーザーが実際にレストランに行くときには、大抵はその場所に行く前に評価レビューを確認するでしょう。食事配達アプリでも同じことが言えます。

直感的な食事配達の体験を提供しつつも、食事配達アプリは透明性があり簡単に閲覧できる評価システムを持つべきです。DoorDash、GrubHub、UberEatsなどの配達アプリは、レストランに対するユーザーの評価を星マークで表示しています。

星マークの位置は、アプリによってさまざまです。スクロール時にレストランの横に表示されるものもあれば、ユーザーが特定のレストランをクリックした場合にのみ表示されるものもあります。どちらの方法であれ、評価システムは見つけやすくなっています。

最高のUX体験のためには、誰にとってもわかりやすい方法で評価システムを表示すべきです。上記の例のように、レストランの評価を星マークで示すのは、ユーザーにとって理解しやすいでしょう。

しかし、これらのアプリではレビューというユーザー体験がかけていることに気づきました。星マークの評価システムに加えて、ユーザーのコメントを掲載していないアプリがいくつかあります。食事配達のプロセスをユーザーにとってより容易なものにするためにも、メニューに対するほかのユーザーからのコメントを見られるようにすべきです。

画像元:GrubHubのモバイルアプリのスクリーンショット。

星マークの評価とコメントといった評価システムをアプリに取り入れることで、ユーザーはメニューを詳しく知ることができ、楽に選択できるようになります。

まとめ

すべての食事配達サービスに当てはまる、覚えておくべき点があります。それは、あらゆるユーザーにとって利用プロセスを簡単なものにするということです。ユーザーの体験レベルやテクノロジーの知識に関係なく、アプリの目的は簡単に達成できるようにしなくてはなりません。

こういったUXの必須項目は、ほかのどのようなアプリやWebサイト、ユーザーにサービスを提供することに焦点を当てたあらゆるメディアでも応用することができます。基本的には、すべてのサービスにおいて同じことが言えるのです。メディアは透明性があり有益で、簡単なものでなければなりません。

以上が、皆さまに「配達」するUXのアドバイスです。冗談はさておき、食事に関連するアプリでなくても、今回の記事で紹介したUXのヒントは、ユーザーに提供する体験の質を高めることに繋がるでしょう。


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