GAFA課税強化で溝 G20 米中反発、英国は独自導入

 1日閉幕した20カ国・地域(G20)の首脳会議では、国境を越えて活動するIT企業が「課税逃れ」と批判されている問題も議論された。グーグルやフェイスブックなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる巨大IT企業を抱える米国や、ネット通販大手アリババ集団などを擁する中国は課税強化に反発。一方、英国は10月に大手ITに対する独自の「デジタル課税」の導入方針を示すなど各国の間には溝がある。来年の議長国を務める日本は着地点を示す橋渡し役となり、存在感を高める狙いだ。

 「経済の電子化が国際課税システムにもたらす影響に対処するため、合意に基づいた解決策を追求する」

 1日に発表されたG20首脳宣言は、IT技術に基づく国際的な企業活動と課税に関する問題に取り組む姿勢を強調した。

 宣言の念頭にあるのはGAFAなどの巨大IT企業だ。現在の課税制度では企業は進出国での経済活動で利益を上げても、支店などの恒久的施設(PE)を持たない限りは、本社がある国で法人税を納めることが原則。巨大IT企業が進出する各国では「課税逃れだ」との不満が広がる。

 G20や経済協力開発機構(OECD)はこうした問題への対策を2013年から議論。20年までのルール確立を目指すが、米国や中国の反発が強く、対立が解消されるめどはたたない。

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